STORESの評判、機能、決済方法とは。BASEとの違いや料金・費用の体系、導入方法を解説します。

はじめに

コロナウイルスの影響など、外部環境の大きな変化を受けて、販売チャネルを増やしリスク分散をすることの重要性に気づき、ECを開業する事業者の数は増えています。しかし一方で、なんとなくECを開業してしまっているがために、結果が出ずにコストを無駄にしている人が多いのも現状です。なので今回は、ECを始めようと考え始めた方がまず注目するであろうSTORESについて、詳しく解説しますので、ご自身のビジネスにSTORESが向いているのかなど参考にしていただければと思います。また最後には、ECの出店先の選び方についても解説していますので、そちらも確認していただければと思います。Shopify、カラーミーショップに興味のある方はこちらの記事もおすすめです。

STORESとは

STORESは、ヘイ株式会社が運営するインスタントECです。インスタントECとは、買い物周りをパッケージ化したシステムサービスの中でも、無料または低価格での開業を提供するサービスを指しますが、STORESはBASEと並ぶ、インスタントECの代表的なサービスです。STORESは、店舗数や、流通総額などを公表していないため、具体的な数値はお伝えできませんが、毎月1万店が出店しているようなので、今勢いのあるECサービスだということができるでしょう。

インスタントEC、BASEについては、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はこちらもチェックしてみてください。

インスタントECについては、こちら

BASEについては、こちら

STORESの魅力

低コスト

コストの低さでインスタントECに強い魅力を感じているという方が多いのではないでしょうか。STORESも導入費用や、月額でかかる基本料金を無料で利用することができるサービスです。ただ、全くコストがかからないわけではなく、商品が売れるたびに決済手数料として、売上の3.6~5%を支払う必要があります。ですが、固定費がかからず、運営リスクが少ないことや、費用自体もそこまで大きくないことがSTORESの大きな魅力です。

手続きが非常に簡単

STORESは出店までの手続きも非常に簡単です。STORESでECを開設する際には、STORESのサイトでメールアドレスとパスワードを入力し、メール確認後にストア名を設定するだけで開設することができます。もちろん、ストア開設後に、基本情報を入力したり、ストアのデザインを行う必要はありますが、他の出店形態と比べると、開店準備ができるようになるまでのスピード感はかなり早いと言えます。また、運営も、ご自身でサイトデザインを行えば、開設当日からECを運営することができます。(※クレジットカード決済については、審査に2週間程度の時間を要するので、開設当日にクレジットカード決済による販売はできません。)

決済手段が豊富

STORESはBASEと比較して、決済手段が充実しています。もちろん両者とも、クレジットカード決済やコンビニ決済、キャリア決済などの決済手段を揃えています。STORESはそれに加えて、代引き決済やAmazon Pay*などの決済サービスも揃えています。まだ決済情報を入力することに抵抗がある人や、住所入力を面倒に感じて離脱してしまう人が一定数いることを考えると、決済手段が充実していることで機会損失を防止することできると言えます。ただ、後で詳しく解説しますが、STORESでは、代引き決済や、Amazon Payを利用したい場合は、月額1,980円スタンダードプランに加入する必要があることには注意が必要でしょう。

*Amazon Pay については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ご興味ある方はこちらも参考にしてみてください。

無料でも十分な機能を揃えている

STORESでは、無料で提供されている機能だけでも十分しっかりとしたECを構築することが可能です。完全無料のフリープランを利用したとしても、顧客管理や、レビュー、Instagram/LINE連携、クーポンなど充実した機能を利用することが可能です。さらに、月額1,980円のスタンダードプランに加入すると、アクセス解析などの機能も利用することができるようになるので、より効率的なEC運営が可能になります。

事例紹介

TCBjeans

TCBjeansさんは、岡山県倉敷市にある縫製工場から誕生したファクトリーブランドで、ビンテージと呼ばれる時代のデニム製品を、職人の手作業によって細部までこだわり再現させたアイテムを販売しています。 EC参入のきっかけは、メーカーの製造拠点の海外進出による不安をどうにかしたいとの思いからでした。そして、簡単に開店でき、カスタムできる範囲も一定あるSTORESでの出店に決めたそうです。実際のストアデザインはシンプルな作りですが、逆に、職人が手作りで拘って作っている商品が際立っています。

USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)

こちらの販売主さんは、原料の買い付けから自らの手で行い、こだわりのチョコレートを販売しています。サイトを開くと、音楽が流れてきて、トップには動画を挿入しているなど、かなり個性的なサイトです。また、印象的なパッケージデザインも、カラフルなサイトデザインとマッチしていて、みているだけでも楽しめるECサイトです。

KIIT

こちらは、KIITのネットショップです。メンズのアパレルを扱うショップで、シンプルな構造になっています。価格の表示が変わったものになっているのがわかっていただけると思います。このようにSTORESでは、テンプレートと呼ばれる、サイトの型をお気に入りのものにすることで、自分好みのサイトを作ることができます。

たかはしよしこのエジプト塩ストア

エジプト塩の専門店で、カラフルなデザインが特徴です。上に紹介したKIITとテンプレート自体はそこまで変わらないと思いますが、イラストや配色などを変えるだけで全く違うサイトに見えるのではないでしょうか。このように、機能に頼らずとも自分の努力次第で差別化が十分にできます。

注意点・落とし穴

月額費用がかかるプランも存在する

ここはSTORESがBASEと大きく異なる点なのですが、STORESには月額費用のかからないフリープランと、月額1,980円の費用がかかるスタンダードプランの2種類の料金プランが設定されています。両プランの大きな違いは、決済手数料で、フリープランだと売上の5%が、スタンダードプランだと売上の3.6%が決済手数料として課金されます。なので、単純に決済手数料でかかるコストだけで比較すれば、月額約14万円以上の売上が期待できるようならスタンダードプランを利用した方がコストは低く抑えることができます。また、これまでお伝えしてきたような決済手段や、機能などについてもやや違いがあります。*ただ、どちらのプランであっても、BASEよりは利益率の高くなる料金形態だと言えます

*両プランの機能差について詳しく知りたい方は、公式サイトのこちらの表を参考にしてみてください。

集客機能がやや手薄

インスタントECは、あくまで自社のECサイトを持つことを意味するので、ECサイトまでお客様を連れてくるための動線をしっかりと設計する必要があります。その点で、ツールに集客に役立つ機能が揃っていると便利なのですが、BASEと比較して、STORESは集客に役立つ機能の整備がやや手薄な印象です。BASEであれば、SEO対策や、ショッピングアプリからの集客が可能ですが、STORESにはそのような機能はありません。WEARとの連携が可能なので、アパレル販売を行う場合には役立つかもしれませんが、その他の商材を扱うECを事業者にとって、STORESは集客の面で心許ない機能ラインナップだと言えそうです

カスタマイズの幅が小さい

これは、インスタントECのサービス全般にも言えることですが、STORESはカスタマイズできる幅が狭いです。具体的には、サイトデザインや、陳列方法、オプション機能など、有料のカートシステムであれば自由に操作できる部分について一定の制限が加えられています。さらに、HTMLの編集ができないため、拘りたい部分があって、それをHTMLの編集で実現できる知識を持っていたとしてもSTORESでは実装することはできません。提供されている48種類のテンプレートの中から、ご自身の希望・こだわりを最大限再現することが求められます。

サポートが限定的

STORESはEC運営にあたって、提供しているサポートが限定的です。これはBASEにも当てはまることですが、何か困った時や助けが欲しいときにはチャットかメールでの問い合わせができるだけとなっています。開設に当たっては、マニュアルや、ウェビナーなどを通じて知識を共有してくれていますが、お客様と何かしらトラブルが発生してしまった時に迅速な対応を受けることができない可能性があることは留意しておく必要があるでしょう。

出店検討のポイント

ここまでSTORESについて解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?最後にSTORESも含め、そもそもの出店先を選定する上でのポイントについても紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

目的を定める

ECを出店するにあたっては、目標をしっかり定めておくことが何よりも重要です。単に売上をあげたいだけなのか、ある程度ブランドも意識した上で販売を行っていきたいのか、はたまた販売面を増やすことでお客様の購買体験をより充実させたいのか。そういった根本の目的を改めて考えてみましょう。その上で、目的を達成するにはどうするべきかを予め考える必要があります。目的の具体化こそが、「どうしてその出店先を選んだのか」という問いに対する答えで最も核心的な部分になってきますので、絶対に疎かにしないでください。

コストを計算する

次に、目的を達成可能な手段について、それぞれどのくらいのコストがかかるのかを明らかにしましょう。ECサイトの運営には、システムに払うコストだけではなく、バックヤードや物流、原価など様々検討すべき項目があります。もしも、原価計算や作業時間の計測が難しいという場合には、専門のコンサルタントを雇うのもおすすめです。この作業をしっかり行わないと、オンラインで店舗を作ったのに業務が回らなかったり、在庫が足りないなどの状況に陥ってしまう可能性があります。

将来像を明確にする

ECを構築する際には、最終的にどんなECにしてみたいか考えておきましょう。行き当たりばったりでツールに機能を追加して行っても、どこかで利用しているツールでは対応不可能な壁にぶつかる可能性があります。将来的にどういったECにしていきたいのかを自由に考えて、それを実現するにはどういった機能がベースとして備わっている必要があるのか、予め把握しておきましょう。

プロに相談する

達成したい目的・目標や、理想のEC像などを想像しても、実際どういった機能要件に落ち着くのかということは分からないという方が多いのではないでしょうか。そういった場合はECの専門家や、運用経験者、開発経験者などにアドバイスを求めるようにすることをおすすめします。今回の記事ではSTORESについて詳しくご紹介しましたが、当社をはじめ、プロであれば、もっと具体的かつ詳細な情報を持っていたり、他ツールとの比較をすることができるので、ぜひ相談してみてください。

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