BASEの評判や使い方は。無料だけど低機能ではないか、設定方法は簡単かなど、EC運営者が気になるポイントをご紹介。

はじめに

コロナウイルスの影響もあり、小売店が受けているダメージも計り知れないものがあります。そんな外部環境変化から、ECを始めようと考える人も増えており、その最初の出店先として「BASE」を選択する人も増えてきています。確かに、最近ではテレビCMの効果もあって、認知度は増えてきていますが、ECを始めようといって安易にBASEでEC開業を行って良いものでしょうか?今回は、EC運営者の立場から見た、BASEの魅力や運営の上での注意点などを事例なども含めながら詳しく解説していきます。最後には、ECの出店先の選び方のポイントなどについても解説しますので、EC開業の参考にしてみてください。

BASEとは

BASEは120万もの店舗が開設されているインスタントECサービスです。インスタントECとは、買い物周りをパッケージ化したシステムサービスの中でも、無料または低価格での開業を提供するサービスを指しますが、BASEもこのグループに属します。同様のインスタントECとして名前が挙がるサービスとして、STORES.JPなどがあります。そして、BASEの出店数についてですが、楽天での出店数が約5万店、Amazonマーケットプレイスへの出店数が約50万店であることを考えると、非常に膨大な数のショップがBASEというサービスを利用して出店されていることがお分かりいただけるかと思います。

BASEの魅力

低コスト

BASEの最大の魅力は出店や運営に伴うコストを非常に低く抑えることが可能なことではないでしょうか。BASEを利用して、出店を行った場合、必要になる費用は決済手数料と、サービス手数料、売上金振込の際にかかる振込手数料と事務手数料のみです。具体的に内訳などをご紹介すると、一つの商品が売れるごとに、売上額の3.6%+40円が決済手数料として、売上額の3%がサービス利用料として課金されます。そして、売上の振込を行ってもらう際には、振込申請額が2万円以下なら、振込手数料250円と、事務手数料500円がかかり、振込申請額が2万円を超える場合は、振込手数料の250円のみがかかります。カートシステムなどを利用して出店を行うと、月額費用や初期費用などを請求される場合がほとんどですが、それらの費用がBASEでは全くかからず、継続してかかってくる費用も高くないので、BASEを利用することで非常に低コストに出店・店舗運営を行うことができます

出店が簡単

BASEはコストが低いだけでなく、出店手続きも非常に簡単です。通常ECサイトを開設する際には、個人情報だけでなく、登記情報や本人確認書類などを提供する必要があったり、それらの情報についての審査を受ける必要があります。しかし、BASEは、メールアドレスとパスワード、ショップURLを打ち込むだけで出店をすることができます。また、決済機能についても審査不要で導入することができます。もちろん、EC構築の際には運営者情報などを登録する必要がありますが、BASEは非常に少ない工数で開店準備まで進むことができます。

無料で利用できる機能が充実している

BASEは無料で利用できるシステムとして注目を集めがちですが、無料の不便なECが出来上がるわけではなく、無料でしっかりとしたECを構築できることがBASEの魅力です。多くの方が利用するであろう機能をいくつか紹介すると、商品検索や、クーポン発行、定期販売、メールマガジン、顧客管理などがあります。BASEではカートシステムでも追加で費用を徴収するような機能であっても無料で提供されていたりすることもあります

ショッピングアプリを活用できる

BASEは「BASE」というショッピングアプリも展開しています。このショッピングアプリによって、普通の自然検索では自社のECを見つけられないようなお客様に対しても商品を販売するチャンスを獲得できます。現状、このショッピングアプリからの集客や売上を期待することは難しい状況ですが、最近のBASEの勢いをみていると、今後このアプリがより市民権を獲得して一般化していく可能性もありえますので、集客の面でもBASEはより魅力的なツールへと進化していくかもしれません。

事例紹介

大山崎 coffee roasters

こちらは京都のコーヒーショップのECです。トップに表示されるお洒落な画像がサイト全体の雰囲気をつくっています。またコーヒーのラベルを商品画像として使うなど、シンプルなサイトデザインに合わせた商品の見せ方・陳列を行っているところも魅力的です。

youange

こちらは”ゆうこす”がプロデュースするスキンケアブランドのショップです。白を基調としたサイトデザインとなっていて、トップページの表示にかなりこだわりを感じます。またコンセプトページといった、サブのページまでしっかり作り込んであります。

ぴりか豚

こちらは北海道にある牧場が運営する豚肉専門のECです。シンプルな作りではありますが、逆に豚肉へのこだわりが目につきやすく内容が入ってきやすいサイトです。現在はまだ準備中ではありますが、定期販売も予定しているようで、継続的な収益をあげるための施策も取り入れているようです。

MY へら SHOP

BASEは月額費用などの固定費がかからず、売上分だけ費用がかかってくる仕組みなので、ターゲットが狭く大きな売上を最初から狙うのが難しいような商品であってもリスクなく販売をすることができます。こちらの「MY へら SHOP」さんは、お好み焼き用のヘラの専売ECです。サイト自体はポップな印象で、へらに対して思わず愛着が沸くようなサイトになっています。所々アニメーションなども入っているので、カスタマイズを行って見栄えの良いサイトにしています。

注意点・落とし穴

カスタマイズの幅が小さい

こちらは他のインスタントECにも言えることですが、EC自体のカスタマイズの幅はかなり小さいです。カスタマイズの幅が小さいとはどういうことかというと、サイトデザインや、陳列方法、オプション機能など、有料のカートシステムであれば自由に操作できる部分について一定の制限が加えられています。特にBASEは、例えHTMLの編集ができたとしても、商品ページを個別に作ることができず、サイト全体のテンプレートと同じ形式のものになってしまうので、商品やブランドごとに異なる世界観を伝えるといったことは難しい仕様となっています。

集客を行う必要がある

こちらも、インスタントECやカートシステムでの出店全体に言えることですが、集客を自ら行う必要があります。他の出店形態として、モール型*の出店がありますが、モール型の出店の場合、モール自体の知名度や集客力でモール内の競争に勝ち残れば十分すぎるほどの集客を行うことができます。対して、インスタントECなどの出店方法では、あくまでも自社ECの運用ということになるので、ECにお客様が来る動線もきっちりと整備する必要があります。具体的には、webやSNSを使った広告や、PRなどがありますが、それらの実施には当然コストがかかるということも意識しておきましょう。

*モール型の出店とは、Amazonや楽天のように、インターネット上のショッピングモールのようなサイトに、「間借り」をするような形で、そのサイト内に商品を陳列したり、店舗を設置したりする出店方法です。他の出店形態についてもご興味のある方は、以下の記事も参考にしてみて下さい。

他の出店形態よりも利益率が低くなることがある

BASEは初期費用も、月額費用も無料だから、かかるコストも低く、最も利益が上がる出店方法だと思われる方もいるかもしれません。しかし、BASEは売上が上がるほど、課金額も増額していく仕組みになっているので一定の売上を超えると他の出店方法よりも”費用が高い=利益率が低い”状態に陥ってしまう場合もあります。例えば、ASPカートシステムの中でもやや高めの料金設定だとされるMakeShopと比較した場合BASEの方が費用が高くなってしまいます。内訳を説明すると、月商100万円を達成すると、BASEには決済手数料とサービス料で、売上の6.6%(=66,000円)費用を払う必要がありますが、MakeShopにかかる費用は、月額費用:10,000円、決済手数料:売上の3.6%+4,750円(=40,750円)の合計50,750円となり、MakeShopを導入した方が安いことになります。ですので、安直にBASEが安くて良さそうだと思って飛びつくのではなく、ご自身がどれくらいの売上規模を望んでいるのかなども踏まえた上でBASEが最適な選択なのかどうかよくよく検討する必要があるでしょう

サポートがメールのみ

BASEはメールのみのサポートしか提供していません。BASEを利用していて、何か困った時や助けが欲しいときにはチャットかメールでの問い合わせができるだけとなっています。BASEでは勉強会なども開催していて、出品者に対するケアも行っていますが、お客様と何かしらトラブルが発生してしまった時に迅速な対応を受けることができない可能性があることは留意しておく必要があるでしょう。

出店検討のポイント

ここまでBASEについて解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?最後にBASEも含め、そもそもの出店先を選定する上でのポイントについても紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

目的を定める

ECを出店するにあたっては、目標をしっかり定めておくことが何よりも重要です。単に売上をあげたいだけなのか、ある程度ブランドも意識した上で販売を行っていきたいのか、はたまた販売面を増やすことでお客様の購買体験をより充実させたいのか。そういった根本の目的を改めて考えてみましょう。その上で、目的を達成するにはどうするべきかを予め考える必要があります。目的の具体化こそが、「どうしてその出店先を選んだのか」という問いに対する答えで最も核心的な部分になってきますので、絶対に疎かにしないでください。

コストを計算する

次に、目的を達成可能な手段について、それぞれどのくらいのコストがかかるのかを明らかにしましょう。ECサイトの運営には、システムに払うコストだけではなく、バックヤードや物流、原価など様々検討すべき項目があります。もしも、原価計算や作業時間の計測が難しいという場合には、専門のコンサルタントを雇うのもおすすめです。この作業をしっかり行わないと、オンラインで店舗を作ったのに業務が回らなかったり、在庫が足りないなどの状況に陥ってしまう可能性があります。

将来像を明確にする

ECを構築する際には、最終的にどんなECにしてみたいか考えておきましょう。行き当たりばったりでツールに機能を追加して行っても、どこかで利用しているツールでは対応不可能な壁にぶつかる可能性があります。将来的にどういったECにしていきたいのかを自由に考えて、それを実現するにはどういった機能がベースとして備わっている必要があるのか、予め把握しておきましょう。

プロに相談する

達成したい目的・目標や、理想のEC像などを想像しても、実際どういった機能要件に落ち着くのかということは分からないという方が多いのではないでしょうか。そういった場合はECの専門家や、運用経験者、開発経験者などにアドバイスを求めるようにすることをおすすめします。今回の記事ではBASEについて詳しくご紹介しましたが、当社をはじめ、プロであれば、もっと具体的かつ詳細な情報を持っていたり、他ツールとの比較をすることができるので、ぜひ相談してみてください。

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