2023 / 06 / 09
2024 / 11 / 12 Amazon

はじめに

Amazon出品者として、税関での商品の差し止めは売上に直結する深刻な問題です。
近年、税関による規制品目の確認が厳格化し、特に医薬品医療機器等法や電気用品安全法に関連する商品の審査が強化されています。
本記事では、実務経験を踏まえた具体的な対応方法をお伝えします。

amazonで購入した商品が税関で没収されるケースがある

EC最大手のamazonは、商品だけでなく音楽や動画コンテンツも配信しており、いまや生活に欠かせない存在です。そんな身近なamazonに偽ブランド品が出品されているケースがあります。
そうした商品は税関で没収される対象です。

税関での差し止めを防ぐ実務の基本

輸入通関の基本的な流れを理解する

輸入通関は単なる手続きではありません。
税関では、書類審査と現物確認の二段階で商品をチェックしています。

ここで重要なのは、事前に必要書類を整えておくことです。特に注意が必要なのは、商品の「性質」を証明する書類です。

たとえば化粧品を輸入する場合、全成分表は単なる成分の羅列ではなく、各成分の配合目的や安全性を示す重要な書類となります。
税関では、この全成分表をもとに医薬品医療機器等法との適合性を判断します。
全成分表は日本語で作成し、特に医薬品成分が含まれていないことを明確に示す必要があります。

通関書類の正しい準備方法

輸入通関に必要な書類は、その商品の特性によって大きく異なります。
ここでは、書類作成時の重要なポイントをご説明します。

インボイスの作成では、商品の詳細な説明が重要です。
「Cosmetic」と記載するだけでなく、「Facial Cream (Non-Medical Use)」のように具体的な用途や性質を明記します。
これにより、税関での判断がスムーズになります。

また、原産地証明書の準備も重要です。
特に中国からの輸入の場合、製造工場の情報や製造工程の詳細な記載が求められることが増えています。
製造工場との関係構築を通じて、これらの情報を正確に入手できる体制を整えておく必要があります。

税関公式サイト「輸入通関手続き」

https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1204_jr.htm

税関公式サイト「知的財産侵害物品の取締り」

https://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/

商品カテゴリー別の具体的な対応方法

化粧品・医薬部外品の輸入実務

化粧品の輸入では、医薬品医療機器等法への対応が最も重要です。
実務上、以下のプロセスを確実に実行する必要があります。

まず、製造販売業許可の取得から始めます。
これは都道府県知事に申請を行い、通常1〜2ヶ月程度の審査期間を要します。
この間に、品質管理体制の構築も同時に進めます。
具体的には、製造所との品質取決めの締結、製品標準書の作成、品質試験の実施体制の整備などです。

製造販売業許可を取得したら、次は個々の製品の製造販売届出を行います。
この際、全成分表の作成が重要です。日本語での正確な成分名記載はもちろん、配合目的や配合量の妥当性も示す必要があります。

電気製品の輸入実務

電気製品の輸入では、電気用品安全法への対応が核となります。
特に注意すべきは、PSEマーク制度への対応です。

技術基準適合性の確認は、製品の設計段階から取り組む必要があります。
特に重要なのは、日本の技術基準に合わせた設計変更の検討です。
たとえば、電源コードの規格や絶縁距離の基準は、日本独自の要件があります。

製品の試験では、第三者認証機関での試験が推奨されます。
特に新規の製品カテゴリーでは、自社での適合性確認だけでなく、専門機関でのチェックを受けることで、税関での審査をスムーズに進めることができます。

問題発生時の具体的な対応手順

差し止め通知を受けた場合の初動対応

税関から差し止め通知を受けた場合、まず落ち着いて状況を整理することが重要です。
通知書には、差し止めの理由や求められる対応が記載されています。

実際の対応では、税関の担当者とのコミュニケーションが重要です。
電話での問い合わせは、まず自社の輸入者番号と該当する貨物の番号を準備してから行います。
担当者から追加の説明や書類を求められた場合は、期限を確認し、必要に応じて期限の延長を申請することも検討します。

具体的な解決プロセス

問題解決のプロセスは、原因によって大きく異なります。
例えば、書類の不備が理由の場合は、比較的短期間での解決が可能です。
一方、製品の適法性に関する問題の場合は、より詳細な確認や証明が必要となります。

医薬品医療機器等法に関する問題の場合、厚生労働省への確認が必要となることがあります。こ
の場合、税関と厚生労働省の両方とのやり取りが発生します。
それぞれの機関での手続きを並行して進めることで、解決までの時間を短縮することができます。

技術基準への適合性が問題となった場合は、製造元からの詳細な技術資料の取り寄せが必要です。
この際、単なる仕様書ではなく、試験データや認証書類など、具体的な証拠となる書類を準備します。

再発防止のための体制づくり

効果的な予防体制の構築

税関での差し止めを防ぐには、社内での管理体制の確立が不可欠です。
具体的には、輸入関連書類の管理システムの構築から始めます。

書類管理では、単にファイルを保存するだけでなく、有効期限や更新時期を管理することが重要です。
特に許認可や証明書類は、期限切れによるトラブルが多いため、更新時期の3ヶ月前からアラートを設定するなどの工夫が有効です。

また、税関審査の傾向分析も重要です。どのような商品が、どのような理由で審査が厳しくなるのか、過去の事例を分析し、その情報を蓄積・活用することで、より効果的な予防策を講じることができます。

通関業者との効果的な連携

通関業者との関係構築は、スムーズな輸入業務の鍵となります。特に重要なのは、自社の取扱商品や事業についての理解を深めてもらうことです。

定期的なミーティングを通じて、輸入計画や注意点を共有します。
特に新商品の取り扱いを開始する際は、事前に通関業者と相談し、必要な準備を整えることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

税関で没収されたamazonの商品は返金される？

税関で没収された商品は、一般的には返金の対象となります。
ただし、具体的な返金手続きや条件は、税関の規定やAmazonのポリシーによって異なる場合があります。

商品が税関で没収された場合、まずはAmazonのカスタマーサービスに連絡し、詳細な状況を説明します。
その際には、注文番号や商品の詳細など、必要な情報を提供する必要があります。

まとめ

身近になったamazonにも偽ブランド品が流通している場合があります。
思わぬトラブルを招かないように、購入したい商品の情報やセラーについて調べるようにしましょう。

よくある質問

Q1:偽ブランド品以外で没収されやすい商品はありますか？

A1:薬品、美術品、タバコ、酒類などが没収されやすい傾向にあります。理由としては薬事法、文化財不法輸出入等禁止条約、関税法などによる規制を受けているからです。