ECサイト・ホームページ制作に使える補助金紹介シリーズ②:事業再構築補助金
事業再構築補助金とは?
この補助金は、中小企業庁によって選ばれ、中小企業庁と独立行政法人中小企業基盤整備機構の監督の下、株式会社パソナが事務局業務を担当しています。
新型コロナウイルスの影響が続く中、需要や売り上げの回復が見込みにくい状況で、ポストコロナ・ウィズコロナの経済社会の変化に対応するため、中小企業などの事業再構築を支援します。新しい分野への展開や事業の転換、業種や業態の変更、または事業の再編など、大胆な挑戦をする中小企業に向けて補助金が提供されます。
事業再生構築補助金は以下の8つの枠で申請を行います。
- 成長枠
- グリーン成長枠
- 卒業促進枠
- 大規模賃金引上げ促進枠
- 産業構造転換枠
- 物価高騰対策・回復再生応援枠
- 最低賃金枠
- サプライチェーン強靱化枠
対象者と補助額・補助率
全枠共通必須要件
- 日本国内に本社を有する中小企業者等及び中堅企業等であることに加え以下の必須要件A、Bを満たす必要があります。
- 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
- 事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けること。
- 補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。)
- 付加価値額を向上させること
- 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3.0〜5.0%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0〜5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。
成長枠
成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者を対象とした「成長枠」により、最大7,000万円まで支援が受けられます。
- 対象者
- 必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める。)に加え、以下の要件をいずれも満たすこと
- 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※)に属していること
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
※対象となる業種・業態は、事務局で指定されます。
また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象となり得ます。(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表されます。)
- 補助額
※事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者等に対する上乗せ枠(卒業促進枠)又は継続的な賃金引上げに取り組むとともに従業員を増加させる事業者に対する上乗せ枠(大規模賃金引上促進枠)に同時応募可能
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
グリーン成長枠
グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象とした「グリーン成長枠」に要件を緩和した類型(エントリー)を創設し、支援が受けられます。
- 対象者
- 【エントリー】
(必須要件Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める)
- グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当しその取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の5%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
- 【スタンダード】
(必須要件Bについては、付加価値額の年率平均5.0%以上増加を求める。)
- グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の10%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
- 補助額
※事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者等に対する上乗せ枠(卒業促進枠)又は継続的な賃金引上げに取り組むとともに従業員を増加させる事業者に対する上乗せ枠(大規模賃金引上促進枠)に同時応募可能
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
卒業促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対し、補助金額を上乗せした支援を受けられます。(大規模賃金引上促進枠との併用は不可。)
- 対象者
- 以下の①及び②を満たすこと
①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年で
中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること(※)
(※)以下のいずれかを達成する必要があります。
- 応募時点で中小企業 → 特定事業者、中堅企業又は大企業に成長
- 応募時点で特定事業者 → 中堅企業又は大企業に成長
- 応募時点で中堅企業 → 大企業に成長
- 補助額
※卒業促進枠の補助対象経費は、成長枠又はグリーン成長枠の補助対象経費と明確に分ける必要があります。同一の建物や設備等を、卒業促進枠と成長枠又はグリーン成長枠との両方で対象経費とすることはできません。
要件達成後、実績報告を提出いただき、その確認をもって補助金を支払います。
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
大規模賃金引上げ促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対し、補助金額を上乗せして支援します。(卒業促進枠との併用はできません。)
- 対象者
- 以下の要件をいずれも満たすこと
- 成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
- 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3〜5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること。
- 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上(最低事業計画期間×1人の増員が必要)増員させること
- 以下の要件をいずれも満たすこと
- 補助額
※大規模賃金引上促進枠の補助対象経費は、成長枠又はグリーン成長枠の補助対象経費と明確に分ける必要があります。同一の建物や設備等を、大規模賃金引上促進枠と成長枠又はグリーン成長枠との両方で対象経費とすることはできません。
要件達成後、実績報告を提出いただき、その確認をもって補助金を支払います。
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
産業構造転換枠
国内市場の縮小等の産業構造の変化等により、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者を対象とした「産業構造転換枠」にて、補助率を引き上げる等により、重点的に支援します。
対象経費に廃業費を追加し、廃業費がある場合は補助上限額を上乗せします。
- 対象者
- 必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下のいずれかを満たすこと
①過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること
②地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること
※①については、業界団体が要件を満たすことについて示した場合、その業種・業態を指定業種として指定します。(指定リストは随時更新予定。)
又は、コロナ後~今後の10年間で市場規模が10%以上縮小することについて、応募時に客観的な統計等で示していただき、事務局の審査で認められた場合にも対象となります。(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表します。)
※②については、要件を満たす地域であることについて、自治体が資料を作成し、証明する必要があります。(指定リストは随時更新予定。)公募開始時に指定された地域を公表します。
- 補助額
※廃業を伴う場合には、廃業費を最大2,000万円上乗せ
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
物価高騰対策・回復再生応援枠
コロナや物価高等により依然として業況が厳しい事業者に対して、支援を継続します。
第9回公募までの、回復・再生応援枠と緊急対策枠を統合し、新たに「物価高騰対策・回復再生応援枠」として設置します。
- 対象者
- 必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下のいずれかを満たすこと
- 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019~2021年と比較しての同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
- 中小企業活性化協議会等から支援を受け、再生計画等を策定していること
※売上高減少要件については、付加価値額(売上高×1.5)減少で代替可能
- 補助額
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
最低賃金枠
最低賃金の引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等を対象とした「最低賃金枠」を設け、補助率を引き上げます。
「最低賃金枠」は、加点措置を行い、物価高騰対策・回復再生応援枠に比べて採択率において優遇されます。
- 対象者
- 必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下を満たすこと
- 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019~2021年と比較しての同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
- 2021年10月から2022年8月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること
- 補助額
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
サプライチェーン強靱化枠
海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に取り組む事業者を対象として「サプライチェーン強靱化枠」を新設し、補助上限額を最大5億円まで引き上げて支援します。
- 対象者
- 必須要件(Bについては付加価値額の年率平均5.0%以上増加を求める。)に加え、以下の要件を満たす、生産拠点を国内回帰する(※1)事業であること
- 取引先から国内での生産(増産)要請があること(事業完了後、具体的な商談が進む予定があるもの)
- 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※2)に属していること
- 下記の要件をいずれも満たしていること
- 経済産業省が公開するDX推進指標を活用し、自己診断を実施し、結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
- IPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★★ 二つ星」の宣言を行っていること。
- 下記の要件をいずれも満たしていること
- 交付決定時点で、設備投資する事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高いこと。ただし、新規立地の場合は、当該新事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高くなる雇用計画を示すこと。
- 事業終了後、事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間に給与支給総額を年率2%以上増加させる取組であること
- 「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにて、宣言を公表していること。
(※1) 事業再構築指針で示す「国内回帰」の類型に該当する必要がありま す。事業再構築指針の他の4類型では、「サプライチェーン強靱化枠」に申請できま せん。なお、海外の生産拠点を閉じることは要件としておりません。
(※2)対象となる業種・業態は、事務局で指定します。また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象となり得ます。(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表します。)
(出典:事業再生構築補助金公式HPより)
申請方法
事業計画書の作成
認定経営革新等支援機関と相談して、事業計画を策定しましょう
【参考URL】
認定支援機関の検索URL
事業計画書作成ガイドブック
GビズIDプライムアカウントの発行
事業再構築補助金の申請には、GビズIDプライムのアカウントが必要となります。
アカウントをお持ちでない方は以下のURLからアカウント発行を進めましょう。
申請手続き
申請は以下の表に記載の流れで行います。
スケジュール
第10回の事業再構築補助金の締切は2023年6月30日に締切が完了しています。
2,3か月ごとに新しい回の公募が開始されるため、第11回事業再構築補助金については公募申請開始は7月、締切は9月下旬〜10月上旬頃となる見込みですが、現時点では公式なアナウンスはされていません。
まとめ
事業再構築補助金は、新型コロナの影響を受けた中小企業の再建を支援する公的な補助金です。8つの枠から申請可能で、成長枠では最大7,000万円支援。グリーン成長枠は環境分野、卒業促進枠は中堅化支援、大規模賃上げ枠は賃上げ支援、産業転換枠は変化への支援、業況対策枠は困難企業へ支援、最低賃金枠は最低賃金影響へ支援、サプライチェーン枠は地域産業支援。申請には計画書とGビズIDが必要。第10回締切済みで第11回の詳細は未発表となります。
よくある疑問
Q1: 事業再構築補助金の申請資格はありますか?
A1: 申請資格は、日本国内に本社を有する中小企業や中堅企業であり、一定の要件を満たす必要があります。詳細な要件については、公式ウェブサイトや関連の情報をご確認ください。
Q2: 補助金の申請期間はいつですか?
A2: 公募の期間は回によって異なります。通常は2〜3か月ごとに新しい回の公募が開始されます。最新の公募情報は公式ウェブサイトや関連の情報源で確認してください。