ネット選挙の広告掲載における注意事項・事例

選挙運動にインターネットを利用する方法

インターネットの普及に伴い、政治家候補や政党はこれまで以上に多くの有権者にアプローチできるようになっています。ここではまず、選挙キャンペーンにインターネットを活用する方法を紹介します。下記に記したツールを効果的に利用することで、候補者はより多くの人々に接触し、選挙運動に対する強力な支持基盤を構築することができます。しかし、オンラインコミュニケーションは、戸別訪問や対面式イベントといった従来の選挙運動の手法に取って代わるものではないです。成功するキャンペーンはオンラインとオフラインの両方の戦略を組み合わせることで、有権者とつながり、かつ、その支持を得るものであることです。

ホームページブログ

ウェブサイト、ブログウェブサイトやブログを作成することは、候補者の綱領、記録、メッセージを潜在的な有権者に共有するための有効な方法です。また、イベントや募金活動、ボランティアの機会などをアピールするためにも活用できます。

SNS

Facebook、Twitter、Instagramなどソーシャルメディアは、政治キャンペーンにおける強力なツールです。候補者はソーシャルメディアを利用して、有権者と関わり、最新情報を共有し、支持を集めることができます。また、これらのプラットフォームでの有料広告は、特定のオーディエンスをターゲットにするために使用することができます。

動画配信

動画は非常に魅力的で共有しやすいメディアであるため、候補者のメッセージを伝えるのに最適な方法です。YouTube、Vimeo、Facebook Liveなどのビデオストリーミングサービスは、スピーチやインタビュー、その他のキャンペーンイベントの共有に利用できます。

動画中継サイト

ライブストリーミング・プラットフォームTwitch、Periscope、Instagram Liveなどのライブストリーミングプラットフォームは、候補者がリアルタイムで有権者と交流する機会を提供します。これは、候補者の人間性を知ってもらい、潜在的な支持者との信頼関係を構築する強力な方法となり得ます。

電子メール

電子メールは、支援者や潜在的な寄付者とコミュニケーションを取るための費用対効果の高い方法です。候補者はEメールを使って、キャンペーンの最新情報を共有したり、寄付やボランティアを募集したりすることができます。特に、パーソナライズされたメールキャンペーンは効果的です。

選挙運動時のインターネット広告掲載の注意点

インターネットは選挙運動中の政治的広告のツールとして、ますます重要性を増しています。しかし、公職選挙法やその他の規制機関によって定められたルールやガイドラインに従うことが重要です。ここでは、選挙運動中にインターネット上で広告を行う際の重要な留意点を紹介します。

公職選挙法およびガイドラインを遵守する

候補者や政党は選挙運動期間中に、選挙関連のインターネット広告を掲載する際、「改正公職選挙法第142条」の規定を遵守しなければならないのです。

政党に無所属の候補者はインターネット広告の掲載ができない

基本、選挙期間中にインターネット広告を掲載することは禁じられていますが、改正公職選挙法によって、政党等のみ選挙運動期間中に政治活動で使用しているバナー広告を掲載・配信することができます。一方で、無所属の候補者は、選挙キャンペーン中にインターネット上で広告を出すことはできないです。

バナー広告に候補者個人を掲載した配信はできない

選挙運動期間中は、政党等に限り政治活動のインターネット広告が掲載可能ですが、候補者個人の画像や名前を使ったバナー広告は禁止されています。

選挙運動期間を遵守する

キャンペーン期間インターネット広告は、「選挙の公示日・告示日に立候補者の届け出が受理されたときから投票日の前日までの期間」が対象となります。

広告代理店が選挙運動案件を受注する際の注意点

選挙キャンペーンを成功させるために、広告代理店は重要な役割を担っています。しかし、これらの案件を受注する際には、留意すべき重要な点があります。

政治に関する広告掲載を禁止する媒体

メディアによっては、政治や選挙に関連する広告を禁止する方針をとっているところもあります。広告代理店は、キャンペーン案件を受注する前に、選択したメディアが政治広告を許可しているかどうかを確認する必要があります。2021年9月現在で政治関連の広告が禁止されている媒体は下記のとおりです。

  • Google広告・Youtube広告
  • Twitter広告
  • メルカリ

選挙運動用費用の超過

1回の選挙運動で使用可能な費用には限度(法定制限額)が設けられています。ネットでの選挙運動が解禁されたことにより、選挙運動用ウェブサイトの作成費などは選挙運動費用として計上されます。広告代理店は、クライアントと緊密に連携して、そのサービスが支出超過につながらないようにすることが重要です。

受注の際は買収罪に該当しないように注意する

広告代理店は、キャンペーン・プロジェクトの受諾が買収罪やその他の違法行為に該当しないように注意する必要があります。広告代理店が「買収罪」に該当する事項としては、下記があります。

  • 候補者や政党から報酬を受け取った場合
  • 広告関係者が主体かつ裁量的に、企画制作に携わった場合

買収罪の該当可否を自身で判断するのはリスクが大きいため、必ず事前に所轄の選挙管理委員会へ問い合わせしておくことが望ましいです。

インターネットを活用した選挙運動事例

近年、インターネットは政治キャンペーンにとってますます重要なツールとなっています。ここでは、デジタルチャネルを効果的に利用して支持を集め、有権者とエンゲージした選挙運動の3つの例を紹介します。

事例①

2008年のバラク・オバマの大統領選挙キャンペーンは、歴史上最も効果的な政治キャンペーンのひとつだったと広く評価されています。このキャンペーンでは、ソーシャルメディア、電子メール、テキストメッセージなど、さまざまなデジタルチャネルを活用して支持者に働きかけ、ボランティアを動員しました。また、キャンペーンのウェブサイト「My.BarackObama.com」は、オンライン組織化の中心的なハブとして機能し、支持者同士がつながり、キャンペーンのリソースにアクセスし、キャンペーンへの寄付を促進したのです。

事例②

ジャスティン・トルドー率いるカナダ自由党は、2015年のカナダ連邦選挙キャンペーンにおいて、ソーシャルメディアとデジタル広告を幅広く活用しています。同キャンペーンの「Real Change」プラットフォームは、Facebook、Twitter、YouTubeを含む様々なデジタルチャネルを通じて宣伝しています。また、同キャンペーンでは、特定の人口層や地理的地域にリーチするため、ターゲットを絞ったデジタル広告を利用したのです。

事例③

アレクサンドリア・オカシオ・コルテスの2018年のニューヨーク14区の下院議員選挙キャンペーンは、ソーシャルメディアを革新的に活用しています。キャンペーンの「AOC」ブランドはソーシャルメディアでバイラルセンセーションを巻き起こし、支持者は#JusticeDemocratsや#OurRevolutionといったハッシュタグを使ってキャンペーンのメッセージを増幅させています。また、キャンペーンはデジタルチャネルを利用してボランティアを動員し、オンライン募金キャンペーンを成功させ、1日で30万ドル以上を集めるなど、資金調達にも成功したのです。

まとめ

インターネットの普及に伴い、政治家候補や政党はこれまで以上に多くの有権者にアプローチできるようになっています。ただし、選挙時のインターネット広告利用は、知っておかないと法令違反に繋がる大きなリスクも備えています。広告代理店は、広告掲載の注意点を正しく把握するとともに、時には所轄の選挙管理委員会へ問い合わせるといった適切なアプローチをとることで、リスクをコントロールしながらクライアントの成功に寄与しましょう。

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