EC(ネットショップ)の集客方法を紹介。広告やSNS、SEOなど様々な施策から自社にあった運営を見つけよう
はじめに
EC運営で非常に重要になってくるのが、集客です。そして最も手法が多様で、難しいのもこの集客です。この記事をご覧の方々でもお困りの方は多くいらっしゃるかもしれませんね。そこでこの記事では、集客をすることでどんなメリットがあるのかを事例とともに再確認した上で、実際の集客手法、その選定にあたってのポイントなどもご紹介していきたいと思います。
集客をするメリット
売上が向上する
最も当たり前のことですが、集客をすることで売上が上がります。ネットショップの売上は、”集客数×購入率×顧客単価”で分解することができますが、この集客数はその三つの中でも最も変動させやすく、天井も高いため大きな売上アップにつなげることができます。
集客がさらなる集客力向上に繋がる
利用者が増えること自体が、さらに利用者や売上を増やすことにつながります。例えば、集客数を大きく改善したことにより売上が上昇すると、楽天の人気ショップランキングにランクインすることができます。すると、人気ショップだからという理由でさらに集客をすることができ、ひいては売上がアップしやすくなります。
コスト低減に繋がる
集客数が増えると、コストも下げることができます。例えば、これまでは受注数の問題から自社で発送までを行っていたというところから、受注件数が増えることで受発注管理や配送などをアウトソーシングするという選択肢をとることができるようになります。このように、一定以上の集客や売上があることによって、コストを下げるための投資が可能になります。
投資効率が上がる
集客数が増えると、環境さえ整えれば、自社にデータを蓄積することができるようになります。そうすると、自社の商品を買ってくれやすい属性の人や、購入額の多い人・時期などが分かるようになってきます。このような情報を手に入れることで、転換率の高いお客様にアプローチをすることなどが可能になるので、結果的に投資効率をあげることができます。
集客事例
CVR7%を超える成果をあげた化粧品メーカー
カートシステムを利用して自社サイトを構築していた化粧品メーカーの事例です。この販売主さんは店頭での販売によって、認知は獲得できているため、購買につながっていない若年層をターゲットに集客を行うことにしました。行った施策としては、リスティング広告やPRなどを行いました。また、一定金額を購入した人には送料を無料にするなど、セール施策を打ち出すことをしました。結果的にはCVRが7%を超え、売上も計画よりも3倍の成果をあげることに成功しました。
3年で売上5倍になったおもちゃメーカー
主にSEOを中心として売上拡大に成功しています。施策以前は月商300万円程度でしたが、SEOやサムネイルの改善などによって、クリックされやすい環境を整備することで売上向上につなげたと言います。効果としては、初年度で2倍となり、その後も順調に売上アップを続け、最終的には初年度の5倍の月商1,500万円に到達することができました。
ROAS300%の健康サプリ通販サイト
この会社では健康サプリの販売を行っており、定期購入客を増やす施策の一つとしてリスティング広告を導入しました。そして、半年間で18,000円の商品を一購入あたり6,000円の費用で獲得できるようになりました。一見するとあまりいい数字ではないように見えるかもしれませんが、ROAS300%ということですので、リスティング広告でPDCAを回し、ターゲットを絞っていくことで効率よく売上を向上させることに成功しているといえます。
1万人を超える受注を2人で捌けるようになった電気メーカー
スマートフォンの周辺機器を扱うAnkerジャパンでは、Amazonだけでなく、楽天、ヤフーショッピングなどからも多くの受注を受けます。当初は自社で倉庫会社と契約をしていましたが、集客に成功し出荷量が増加したため、AmazonのFBAマルチチャネルに出荷作業を統一化することにしました。自社で倉庫会社と契約していた頃に比べて、出荷作業に携わる従業員数を大幅に削減し、1万件を超える受注を2人で捌くことができるようになりました。
手法の比較(メリット・デメリット)
リスティング広告
リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれる広告手法で、検索エンジンの検索結果にユーザーが検索したキーワード(検索語句)に連動して掲載される広告のことをいいます。運用者視点で説明をすると、特定のキーワードを指定し、そのキーワードが検索された際に広告が配信されるようにすることをリスティング広告と言います。
リスティング広告のメリットは、興味をもっているユーザーにアプローチできるということと、運用金額を調整できることなどが挙げられます。一方で、新規獲得には向かないなどのデメリットがあります。
詳しくは以下の記事で解説していますので、さらに詳しく知りたい方はご覧ください。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、特定のメディア(サイト)の訪問者がそこに表示されている広告をクリックしたり、そこから購入まで至った際に、広告主がメディアの運用者に対して対価を支払う形式の広告です。アフィリエイト広告の最大のメリットは、成果報酬で運用ができるということで、広告費が成果につながらないということは起こりえません。一方で、メディア(サイト)を訪れる人を予測できないためターゲットを絞ることができなかったり、購買者のデータを取りにくくマーケティング活動に活かしにくいなどのデメリットがあります。
Facebook・インスタ広告
この手法は、FacebookやInstagramを利用しているユーザーに対して広告を配信するというものです。費用は広告の配信回数などに応じて課せられます。この手法の最大の特徴はターゲティングをしっかりできるということで、反応の良いユーザーに絞って広告を配信することができます。しかしデメリットとしては、運用が難しいことや、ある程度まとまった費用を投じないと、効果を最大化しにくいなどが挙げられます。
SNS運用によるPR
ここまでは費用のかかる手法を取り上げてきましたが、無料でできることや、パッケージに搭載された手法でも集客を行うことができます。その代表的な手法がSNSです。InstagramやTwitterなどを運用することで、フォロワーを獲得し、そこからサイトへの流入や購買を促します。この方法は無料でできて、LTVの高いユーザーを獲得することができる反面、ブランドイメージを作り上げることが難しかったり、そもそもの運用にノウハウやかなりの工数が必要というデメリットがあります。
SNSの運用については以下の記事で詳しく説明しているので、ご興味があればこちらもご覧ください。
メルマガ
オーソドックスな手法ですが、メルマガによる集客をすることもできます。利用しているサービスにもよりますが、購入者に対してメルマガを送信することが無料でできる仕様になっていることもあるので、費用をかけずリピーターの集客を行うことができます。しかし、新規顧客に対しては、媒体やモールが配信しているメルマガに載せてもらうための掲載料が必要になることが多いです。この手法では、店舗の利用があったサービス利用者に配信が可能なので、購買へのハードルがやや低いです。一方で、新規には費用がかかることや、せっかく配信してもそもそも開封してもらえない場合があるといった考慮すべき点があります。
SEO
SEOとは、検索結果で上位に表示されるようにコンテンツや商品情報を整理し配信することをいいます。主にgoogleやyahooなどの検索エンジンの検索結果で上位表示されるように行うことが主ですが、楽天やAmazonなどモールに出店している場合はそこでの検索結果で上位表示されることも重要になってきます。
この手法のメリットは、無料でできることに加えて、長期的な売上をあげられるようになります。一方で、検索エンジンのアルゴリズムは公開されていないので、SEO自体に必要な知識を得ることが難しく、媒体ごとにルールが異なっているため、実行が難しいです。この手法で売上をあげたいとお考えの場合は、プロのアドバイスなしで行うことはほぼ不可能だと言えます。
クラウドファンディング
商品開発や製造資金を集めるためにクラウドファンディングを利用することができます。(この手法は独自商品を扱っている場合に限られます。)名目上は資金の投資と言うことになりますが、実態は物販をクラウドファンデインングサービスを通じて行っていることと変わりありません。この手法をとることで、クラウドファンディングファンという、これまで接点のなかった比較的LTVの高くなりやすいお客様にアプローチできます。しかし、独自商品が必要なことに加え、これまでのショップ運用の知識とは全く異なる知識が必要とされます。
集客する上でのポイント
しっかりとしたコスト計算を行う
集客には少なからぬコストが必要となります。それは金銭面だけでなく、無料の施策をとる場合でも運用などに多くの時間や人員を割く必要があるからです。また、インターネット広告を利用する場合には、コスト感などを掴むことが難しい場合が多いと思いますので、その辺りの知見についてはぜひ代理店や専門家のアドバイスを得ることをおすすめします。これらのコスト計算をせずに運用をしても、過剰なコストがかかってしまったり、逆に投資額が少なすぎて効果が出ないなどの結果につながってしまいます。
ターゲットを明確にする
集客を行う際には必ずターゲットを明確にしましょう。Facebook広告を運用する際にはもちろんのこと、そもそも自分たちの顧客になりやすいお客様は誰で、その人たちにアプローチできる手段はなんなのかを把握する必要があります。闇雲に施策を打ったとしても転換率の低いお客様にしかアプローチできず、広告効果(ROAS)が非常に低くなってしまうでしょう。
長期的な計画を立てる
施策を打ち出す際には一回きりのキャンペーンであるという認識は捨てる必要があります。施策の目的だけでなく、施策を行ったことでどういった”学び”があるのかを意識しないと費用の無駄遣いになってしまいます。また、SNSやSEOなどはかなり息の長い施策になってきますので、最終目標だけでなく中間目標をいくつも設定し、計画を立てる必要があります。
ブランドイメージを意識する
集客施策を行う際には、自社の商品やショップイメージなどのブランドと一致させることを意識しましょう。ブランドイメージが全く異なる広告などで流入を獲得できても、購入画面とのギャップでコンバージョン率は思ったよりも上がらないといった結果になってしまいます。最悪の場合は、これまでの顧客の信頼を裏切ってしまい、既存顧客が離れていってしまうなんてことも起こりえます。
まとめ
ここまでECの集客方法について解説を加えてきましたがいかがでしたでしょうか。正直にお伝えすると、集客手法は非常に多様化していて、高度で専門的なものがほとんどです。自力で行うことも不可能ではないですが、知識を収集するといった意味でも、一度プロに相談して手法や期間のアドバイスを得ることをおすすめします。