ECパッケージ「ec being」とは?EC構築の機能、費用、カスタマイズ性や導入企業事例を解説します。
はじめに
EC出店を考えている方にとって、どのような出店形態で、どの出店先を選ぶのかというのは非常に悩ましい問題だと思います。また、いざECを構築するなら、自分好みのECを作り上げたいと考える方も少なくないでしょう。今回は、自分のこだわりを存分に発揮できるEC構築を可能にするECパッケージ、ec beingについて、事例を踏まえながら魅力についてECコンサルタントが解説いたします。最後には、出店先の選定方法のポイントも書いてありますので、EC開業・運営の参考にしてみてください。
ec being とは
ec beingとは、東証1部上場の企業で、1,300以上のECサイト構築支援実績のある企業です。そして、その主力製品である同名、ec beingは、ECパッケージ*の中では国内実績No.1で、国内シェアの45%をも占めています。後で詳しく解説しますが、ec beingは特に一定の規模感を持つECからの支持が厚く、JR東日本やABC MART、LOTTEなどの超大手企業の導入実績を持っています。
*ECパッケージとは、ECベンダーが提供するEC運用の基本的な機能を備えたシステムのことです。ASPカートとの違いは、独自性で、ECパッケージの場合は基本機能をベースにさらに自社用に独自開発をすることになりますが、ASPパッケージの場合は、基本機能の組み合わせで独自性を出す、ツールのレンタルのような形式での利用になります。
EC 事例
KOSE
国内の代表的化粧品メーカーのKOSEは、ec beingを利用して自社のECサイトを構築しています。KOSEでは、情報が多様化する時代の中で、お客様お情報をきちんと把握し、マーケティングに生かすために、複数ブランドを統合したECサイトを構築することにしたそうです。そして、その実現手段としてec beingの利用を決めた理由として、これまでの構築実績と、機能が充実していることをあげていました。この、ECサイト構築により、オフラインとオンラインを横断した施策を企画・実施できるように少しずつ変わっていっているようで、今後もこの部分に注力をすることでLTVを向上させていきたいと語っていました。
SHIPS
国内の大手アパレルブランドのSHIPSはec beingを利用して自社サイトのリニューアルを行っています。リニューアルの経緯としては、お客様の状況や希望に合わせて、シームレスに情報を届けられるプラットフォームを構築したいと考えた時に、ECサイトと、ブランドサイト、マガジンサイトを統合したサイトを構築する必要を感じたからだそうです。お客様がより情報を手に入れやすく、気づきを得られる様になるかを追求した結果、売上も伸びていて、セッション数やPV数は150%増加に成功しています。
ロッテ
雪見だいふくや、コアラのマーチなど、国民的なお菓子を販売している製菓会社のロッテもec beingを利用してECサイトを構築しています。サイト構築にあたっては、お客様とのダイレクトなコミュニケーション強化をその目的に掲げ、複数社のコンペの後、導入パッケージを選定しました。中でもec beingを採用したのは、導入実績が圧倒的だったことと、担当者の熱意に引かれたからだそう。実際に利用してみて、導入後2年でEC売上は30倍に成長し、会員数も増えてダイレクトなコミュニケーションが取れる様になってきたといいます。
THERMOS
魔法びんの製造・販売を行う企業THERMOSは2020年にサイトのリニューアルを行いました。THERMOSのECサイトは、実店舗で棚に置けない商品に加えて、実店舗であまり扱いのない商品やサービスを影響する場所として位置付けています。そして、サイトリニューアルに当たっては、商品を見つけやすく検索機能や動線設計にこだわって実施を行いました。サイトリニューアルを通じて、ユーザーにとってわかりやすいUXを設計を実現することに成功するとともに、分析機能が充実したことによるPDCAサイクルの循環が可能になったことを評価していました。今後は、オムニチャネルな機能をより充実させていきたいと語っていました。
ec beingの強み・弱み
実績
冒頭でもお伝えした通り、ec beingは1300社へのサイト構築実績を持ち、国内シェア45%をも占めているなど、圧倒的な実績を持っています。ECパッケージでのECサイト構築は、かかる費用が高く、会社の重大プロジェクトとなることが多いです。そのため、失敗が許されず、非常にクオリティの高いものを求められます。その点で、ec beingは名だたる企業への支援実績を含む、EC構築支援を多く手がけているので、その点での信頼性やノウハウといった部分に大きな強みを持っています。
充実したカスタマイズ
自社独自の機能カスタマイズなど、ECパッケージを利用したEC構築はオーダーメイドなカスタマイズを実現する構築手法ですが、ec beingはそのカスタマイズという部分で強みを持っています。ec beingでは開発部隊を400名以上、マーケティング部隊を200人以上抱えており、様々な分野のエキスパートのカスタマイズ・連携をサポートしてくれます。また、EC パッケージは自社仕様にカスタマイズできる反面、システムのアップデートなどがしにくいというデメリットを持っていますが、ec beingでのEC構築はその部分にも対応可能です。ec beingでは、インスタ連携や分析ツールなど、特定の機能については、マイクロシステム化して独立した形でサービス提供を行っており、それらのシステムについては随時アップデートされていく仕組みを採っています。そのため、ECパッケージという開発手法ながら、常に最新機能を備えたECを維持することを可能です。
磐石なインフラの提供
ECではお客様の重要な情報を多く扱うため、セキュリティが非常に重要になってきます。さらに、ECパッケージを利用しての開発となると、社内の様々な重要システムとの連携を行う場合も多く、より高度な安全性が求められます。その点、ec beingは情報セキュリティの認証基準ISMSにおける認証登録番号を取得しており、信頼性が高いです。また、24時間365日サポートのサービスを提供しているので、万が一の場合にも素早く対応することができるのも強みだと言えるでしょう。
多額の費用を要する
ECパッケージでのEC開発は非常に高額な費用がかかることは当たり前で、ec beingもその例外ではありません。具体的な費用については公開していないので明言はできませんが、構築費用には少なくとも500万円以上は必要で、相場感覚として1千万円単位で費用がかかってくることは知っておく必要があります。また、構築費用だけでなく、セキュリティ向上や連携システムへの対応など、保守にかかる費用も発生し、それらの対応についてもオーダーメイドな仕事となるため、百万円単位での費用が発生します。なので、パッケージを利用してECを構築する企業の多くは、年商10億円程度の売上規模を有していることがほとんどです。
出店先選定におけるポイント
ここまでec beingについて解説をしてきましたが、ec beingも含め、そもそもの出店先を選定する上でのポイントについても紹介させていただきます。その他のECパッケージについて興味のある方は下記の記事もおすすめです。
目的を定める
ECを出店するにあたっては、目標をしっかり定めておくことが何よりも重要です。単に売上をあげたいだけなのか、ある程度ブランドも意識した上で販売を行っていきたいのか、はたまた販売面を増やすことでお客様の購買体験をより充実させたいのか。そういった根本の目的を改めて考えてみましょう。ec beingの場合であれば、かなり多機能かつオリジナルなカスタマイズが可能な製品なので、EC単体としてではなく、他の基幹システムなどとの兼ね合いも考えながら、ECサイトを自社にとってどのような資産にしていくべきなのか、というところから考えられると良いかと思います。
コストの計算をする
次に、目的を達成可能な手段について、それぞれどのくらいのコストがかかるのかを明らかにしましょう。そもそもパッケージ型のECサイトは価格が不透明なので、積極的に問い合わせを行い、自社であればどのくらいのコストがかかるのかを明確にする必要があります。さらに、ECサイトの運営には、システムに払うコストだけではなく、バックヤードや物流、原価など様々検討すべき項目があります。もしも、原価計算や作業時間の計測が難しいという場合には、専門のコンサルタントを雇うのもおすすめです。この作業をしっかり行わないと、オンラインで店舗を作ったのに業務が回らなかったり、在庫が足りないなどの状況に陥ってしまう可能性があります。展開規模や期待売上などから、投下可能なコストを正確に把握しましょう。
将来像を明確にする
ECを構築する際には、最終的にどんなECにしてみたいか考えておきましょう。パッケージでのEC開発であれば最初からある程度の機能を揃えることができます。しかし一方で、機能追加や保守費用にも多くの費用がかかる開発方法なので、将来像を明確にして、優先順位をつけながら必要な機能は何か、ということを明らかにしていく必要があるでしょう。機能のアップグレードの潮流などもありますので、せっかく大金を払って導入したのに、魅力的な新機能がすぐに登場してしまった、ということにならないよう、ECのトレンドを知っていそうなお知り合いやプロに相談することをお勧めします。
プロに相談する
達成したい目的・目標や、理想のEC像などを想像しても、実際どういった機能要件に落ち着くのかということは分からないという方が多いのではないでしょうか。そういった場合はECの専門家や、運用経験者、開発経験者などにアドバイスを求めることをおすすめします。今回の記事ではec beingについて詳しくご紹介しましたが、当社をはじめ、プロであれば、もっと具体的かつ詳細な情報を持っていたり、今後のトレンドを踏まえた開発方法を教えてくれるかと思いますので、ぜひ一度相談されてみてはいかがでしょうか。