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ECのリピート率とは?業種別目安とリピーター獲得施策を解説

目次

ECサイトの運営において、「最近、新規顧客の獲得コストが上がってきた」「売上が伸び悩んでいる」と感じる方も多いのではないでしょうか。

新規顧客を追いかけるだけでは、安定した事業成長が難しい時代になりました。

しかし、一度商品を購入した顧客に再度購入してもらうリピーターを増やすことで、売上を安定させ、利益の向上を図ることも可能です。

本記事では、ECサイトにおけるリピーター率の基本から業界別の平均値、明日から実践できる具体的な改善策までを網羅的に解説します。

広告に依存しない、盤石なECサイト運営を目指しましょう。

ECサイトのリピーター率・リピート率とは?

ECサイトのリピーター率・リピート率とは?

ECサイトの売上を安定的に伸ばすには、顧客の購買行動を数値で正確に把握しなければなりません。

まずは基本的な指標の一つ「リピーター率」と、混同されやすい「リピート率」の違い、関連するその他の指標を整理しましょう。

リピーター率の計算式

リピーター率とは、特定の期間中に、全購入者の中でリピート購入した顧客がどれくらいの割合を占めるかを示す指標です。

リピーター率(%) = リピート顧客数 ÷ 総顧客数 × 100

例えば、ある月のECサイトの総顧客が1,000人、うち250人が2回目以降の購入者(リピーター)である場合、リピーター率は「250 ÷ 1,000 × 100 = 25%」と算出できます。

リピーター率を見ることで、ECサイト全体の顧客がどれだけ定着しているか、顧客層の安定性を確認できます。

リピーター率とリピート率の違い

リピーター率と似た言葉に「リピート率」がありますが、両者は測定する対象と目的が異なります。

リピート率は、特定の期間内に新規購入した顧客のうち、どれくらいの人が再度購入してくれたかを見る指標です。

リピート率(%)= 再購入した顧客数 ÷ 累計の新規顧客数 × 100

新規顧客獲得施策の効果や、初回購入後のフォローが適切に行われているかを評価する目安として用いられます。

リピーター率が「全購入者におけるリピーターの割合」を見るのに対し、リピート率は「新規顧客の定着度合い」を測ります。

リピーター率・リピート率の関連指標

ECサイトの健全性をより正確に把握するためには、リピーター率やリピート率だけでなく、さまざまな関連指標と合わせて分析することが大切です。

以下に重要な関連指標をまとめました。

トラフィックソース

ECサイトへ顧客がどこからアクセスしてきたかを示す情報です。

検索エンジン、SNS、広告、メールマガジンなど、流入経路を知ることで、どのチャネルからの顧客がリピート購入につながりやすいかを分析できます。
新規顧客獲得の予算配分を最適化する上で役立つでしょう。

滞在時間

顧客がECサイト内で過ごした時間の長さです。

滞在時間が長い顧客は、商品情報やコンテンツをじっくり見ており、サイトへの関心が高いことを意味します。
関心度の高い顧客は初回購入だけでなく、将来的なリピート購入につながる可能性も高い傾向です。

●直帰率

ECサイトにアクセスした顧客が、最初のページだけを見て他のページに移動せずにサイトを離脱した割合です。

直帰率が高い場合、サイトのファーストビューや商品ページに魅力がない、顧客の検索意図とコンテンツが合っていないなどの問題が考えられます。
逆に直帰率が低い場合は、顧客がサイト内で目的の商品を見つけやすく、回遊していることを意味し、リピートにつながりやすい傾向があります。

●F2転換率

F2転換率とは、初回購入した顧客が2回目の購入に至った割合を指し、顧客がリピーターへと移行する最初の重要なステップとして特に重視されます。

計算式は以下の通りです。

F2転換率(%)= 2回目の購入に至った顧客数 ÷ 初回購入した顧客数 × 100

F2転換率が高ければ、顧客が商品やサービス、ECサイトに満足し、継続して利用する意欲があることの表れです。
F2転換率を向上させれば、次項のLTV(顧客生涯価値)も高まります。

●LTV(顧客生涯価値)

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は、一人の顧客がECサイトとの取引期間中に、自社にもたらす総利益のことです。

LTVの基本的な計算式は以下の通りです。

LTV = 平均購入単価 × 平均購入頻度 × 平均顧客継続期間

LTVを高めることで、広告費などの新規顧客獲得にかかる費用を効率化し、収益の安定化を図れます。
長期的な視点で顧客との関係を築き、一人ひとりの顧客から得られる価値を最大化する取り組みを行いましょう。

上記5つの指標を総合的に分析することで、リピーター育成に向けた具体的な課題が見えてきます。

ECサイト運営における主要な指標については、以下の記事も参考にしてください。

ECサイトにおけるリピーター獲得の重要性

ECサイトにおけるリピーター獲得の重要性

新規顧客の獲得コストは年々上昇しており、多くのECサイトで既存顧客の維持・育成が重点課題となっています。
ここでは、リピーターを増やすことの重要性を解説します。

リピート顧客は利益率が高い

リピート顧客を増やせばECサイトの利益率を高められます。

すでに商品やブランドを認知している顧客にリピートしてもらう場合、多くの広告コストを必要としません。
新規顧客を獲得するためには、既存顧客を維持する約5倍のコストがかかる(1:5の法則)といわれているため、リピーターを育成する方が効率的です。

リピート顧客は平均購入単価も高い傾向にあるため、リピーターの育成は長期的な収益強化にもつながります。

(参照元:日本マーケティング研究所「ファンをつくり育成する ファンマーケティング」)

UGCで効果的な宣伝ができる

リピート顧客がSNSやレビューサイトで投稿した商品の感想(UGC)は、企業が発信する広告よりも信頼されやすく、高い宣伝効果が期待できます。

リピーターは商品やサービスの満足度が高く、ブランドに好意的なケースが多いため、リピーターによる発信を促すことは自社のブランディングにも効果的です。

商品のポジティブな投稿が広く共有されれば、コストをかけずに新規顧客を呼び込む好循環を生み出せます。

利益が安定し新規投資がしやすくなる

リピート顧客が増えればECサイトの利益が安定し、新たな投資の可能性が拡がります。

売上の多くを新規顧客に依存している場合は、広告費の変動や市場の変化によって売上が不安定になりがちです。

しかし、継続的に商品を購入してくれる顧客が多ければ売上の予測が立ちます。

売上が安定することで、新たな商品開発やサービス改善、物流システムの強化、広告戦略の見直しなど、将来に向けた投資計画を立案しやすくなります

業種別ECサイトのリピート率目安

業種別ECサイトのリピート率目安

ここで、自社のリピート率を判断するための客観的なベンチマークとして、ECサイトの業種別にリピート率の平均的な目安を紹介します。

※業種ごとの目安は以下のサイトを参照しつつ、業界専門家間で広く認知されている数値を記載しています。
(数値参照元:actionlink

アパレル:約35%

アパレル業界の平均的なリピート率は約35%が目安とされています。

ファッション業界はブランドへの愛着が生まれやすく、一度顧客が商品を気に入れば継続して購入につながる傾向が見られます。

一方で、季節や流行による変化が激しく、競合が多いこともこの業界の特徴です。

健康食品:約50%

健康食品やサプリメントは継続利用が前提の商品が多いため、リピート率は50%前後と高めです。
以下のような手法で顧客の生活に溶け込むサイトが多い傾向にあります。

  • 買い忘れを防ぐリマインド
  • お得な定期購入コースの案内
  • 継続利用を促す特典
  • 顧客の健康状態に合わせた個別のアドバイス

化粧品:約50%

化粧品ECサイトの平均リピート率も、健康食品と同様に約50%と高めの水準です。

ユーザー自身の肌に合うと感じた商品は継続的に使用されやすく、他のブランドへほとんど乗り換えないことがこの市場の特徴です。

カウンセリングなどを通じて顧客との関係を構築し、定期購入につなげる傾向にあります。

食品・飲料:約40%

食品・飲料ECサイトの平均リピート率は、約40%が目安です。

食料品は日常的に消費されるだけでなく、一度気に入ったものは習慣的に購入されることが特徴です。

特にこだわり食材や地方の特産品など、実店舗で入手しづらい商品を扱うECサイトはリピーターがつきやすい傾向にあります。

インテリア:25~35%前後

インテリアECサイトのリピート率は、平均25%〜35%前後と低い傾向にあります。

家具や大型雑貨などのインテリア商材は一般的に長期間使用され、購入サイクルが長いことがその要因です。

一方で既存顧客と長期的な関係を築き、高額商品の再購入につなげるケースもあります。

ECサイトのリピート率が低迷する5つの要因

ECサイトのリピート率が低迷する5つの要因

ここで、リピート率が向上しない場合の主な原因を解説します。

商品やショップの印象が薄い

ECサイトのリピート率が低迷する要因として、商品やショップの印象が薄いことが挙げられます。

  • ブランドのコンセプトが不明確
  • サイトのデザインが他社と似ている
  • 商品の梱包が簡素すぎる

上記の場合、顧客にとっては商品を自社で購入する明確な理由がなく、価格の安さだけで選んでいる可能性があります。

多くの競合サイトの中から自社を選んでもらうためには、商品やショップのブランドイメージを顧客の記憶に残す工夫が必要です。

購入後に納得感を感じていない

購入後の顧客が商品やサービスに対して納得感を得られていない場合も、リピート購入につながりません。以下は顧客が不満を抱く要因の一例です。

  • 商品ページのイメージと届いた商品のイメージが違った
  • 問い合わせへの返信が遅い、または丁寧でない
  • 配送が遅い、梱包が雑

一度でも不快な思いをさせてしまうと、顧客が戻ってくる可能性は著しく低下します。商品の品質に注力するだけでなく、購入後の体験に対する満足度も分析し改善を図りましょう。

買い切り型の商品が多い

一度購入して長期間使用する買い切り型商品がメインの場合も、必然的にリピート率は低くなります。

リピート購入が発生するのは、扱っている商品が消耗品である場合や、関連商品がある場合に限られます。

商品ラインアップに買い切り型の商品が多い場合は、メンテナンスサービスや関連アクセサリーなども取りそろえ、顧客との関係を継続させる工夫が必要です。

初回購入時の値引き感が大きい

初回購入時の値引き感が大きい場合も、リピート率が低迷する可能性があります。

「初回限定50%オフ」といった大幅な割引施策は新規顧客の獲得には有効ですが、割引しないと買わない顧客が増えることが難点です。

商品の価値より価格に魅力を感じて購入する顧客は、2回目以降に正規価格で購入することに抵抗を感じてしまうでしょう。

購入後の顧客満足度を高め、割引に依存しない信頼関係を築くことが大切です。

リピート施策が不足している

リピート率が低迷する最大の要因は、リピーター獲得の施策が不足していることです。

顧客獲得に注力する事業者が多い一方で、一度購入した顧客に再購入を促す以下のようなアプローチが手薄になりがちです。

  • 購入後のお礼メール(サンクスメール)を送っていない
  • 新商品やセール情報をメルマガなどで定期的に告知していない
  • リピーター向けの特典やクーポンがない

積極的に働きかけなければ顧客はブランドを忘れてしまうので、この後紹介する施策で顧客のロイヤルティを高めましょう。

以下の記事では、顧客ロイヤルティ向上戦略を解説しているので、参考にしてください。

ECサイトのリピーター獲得施策12選

ECサイトのリピーター獲得施策12選

ここでは、リピーター獲得に効果的な施策を紹介します。先述した伸び悩みの要因を踏まえ、自社サイトに最適な施策を選択してください。

複数チャネル化による接点創出

ECサイトに限定せず、複数のチャネルで顧客とつながることで、顧客は自社の商品やブランドへの愛着が深まります。

現代の顧客はSNSやアプリ、実店舗など多様なチャネルを利用しているため、販売チャネルを増やせば顧客との接点も増え、顧客とのより深いコミュニケーションが可能です。

また、オンラインとオフラインを連携させるOMO(Online Merges Offline)の手法を採用すれば、顧客の利便性も改善し、ロイヤリティ向上にもつながります。

複数のチャネルで一貫したブランド体験を提供することで、顧客のブランドに対する親近感や信頼感が高まるでしょう。

クロスセル・アップセル

顧客が商品を購入する際や購入後に、関連商品(クロスセル)やより上位の商品(アップセル)を提案することも有効です。

  • クロスセル:顧客が購入しようとしている商品と関連性の高い別の商品を提案する
  • アップセル:顧客が検討している商品よりも上位モデルや高価格帯の商品を提案する

上記の2手法は顧客単価が向上するだけでなく、顧客のニーズに的確に答え、リピート購入のきっかけにもなります。

「この商品を買った人にはこちらもおすすめです」と、購入履歴をもとにパーソナライズしたレコメンドを表示することで、LTVの向上にも貢献します。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、ECサイトを訪問したことがあるものの、購入に至らなかった顧客や、過去に購入履歴がある顧客に対して、再度広告を表示する手法です。

顧客の記憶に働きかけ、買い忘れを防いだり再検討を促したりする効果があります。

一度商品に興味を持った顧客は、適切なタイミングで再度アプローチすれば、新規顧客よりも購入につながりやすいことが一般的です。

過去の購買・閲覧履歴に基づいて表示する広告を選定し、再購入を促しましょう。

キャンペーン・クーポン配布

既存顧客に対する定期的なキャンペーンやクーポン配布は、リピート購入を促すインセンティブになります。

  • 2回目の購入で使える10%オフクーポン
  • 〇〇円以上購入で送料無料

上記のように購入回数や購入金額に応じてクーポンを提供すれば、顧客は優待感で購買意欲を刺激されるでしょう。

ただし、安易な値引きはブランド価値を損なう可能性もあるため、限定品や新商品の先行販売クーポンなど顧客ロイヤルティを高める工夫が不可欠です。

紹介報酬制の実施

紹介報酬制は、既存顧客が友人や知人にショップを紹介し、購入が発生した場合に紹介者と新規顧客の両方に特典を付与する制度です。「アンバサダープログラム」や「フレンド紹介キャンペーン」とも呼ばれます。

「紹介した方、された方にそれぞれ1,000円分のポイントをプレゼント」といった報酬を設定すれば自然に口コミが発生し、ブランドの認知度向上にもつながります

信頼できる友人からの紹介は広告よりも高確率で集客でき、既存顧客のリピート意欲とロイヤルティを高めるうえでも効果的です。

単品リピート通販

化粧品や健康食品などの消耗品を扱うECサイトでは、以下のような単品リピート通販(定期購入)も有効です。

  • 定期購入者限定の割引
  • 定期購入者限定プレゼント

商品がなくなる前に届くため、顧客は毎回注文する手間が省けて利便性が高まります。またECサイト側にとってもLTVの最大化と売上の確保につながります

定期購入の運用面では、購入サイクルの変更や一時停止、解約に柔軟に対応できるシステムを取り入れ、顧客に安心して利用してもらえるよう留意しましょう。

会員限定サービス

会員登録してくれた顧客に対して、以下のような限定的な特典を提供する手法です。

  • 会員限定のセール開催
  • 新商品の先行販売
  • バースデー特典
  • 購入金額に応じたランクアップ制度

顧客は特別扱いされていると感じてブランドへの愛着が深まり、自社を選んでくれる可能性が高まります。

会員限定コンテンツとして、商品開発の裏話やスタッフのおすすめ情報などを提供することも、囲い込みを図る有効な手法です。

DM・メルマガ

購入後のフォローや新商品の案内、セール情報などを、ダイレクトメール(DM)やメールマガジンで定期的に個別に配信する手法です。

紙のDMは目に留まりやすく、手に取ってもらいやすい特徴があります。

一方、メールマガジンはコストを抑えつつ、顧客一人ひとりに以下のような情報やクーポンをタイムリーに配信できる点がメリットです。

  • 過去に購入した商品の関連商品を提案するメール
  • 顧客の誕生日を祝うクーポン付きメール

顧客の購買履歴に合わせて内容をパーソナライズすれば、開封率やクリック率を高められます。

手書きメッセージなどの同梱物

商品発送時に、感謝の手書きメッセージや小さなプレゼントを同梱することで、顧客に感動を与えショップの高感度を高められます。

デジタル化が進む現代において、人間味あるアナログメッセージは顧客に感動を与えやすく、競合との差別化と顧客のファン化に効果的です。

注文のお礼に、商品の使い方に関する小さなヒントやスタッフのおすすめ商品などを添えると、次回の購入につながるだけでなく、SNS共有などを通じてUGC創出にも貢献してくれる可能性が高まります。

SNS・ブログの活用

SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やブログの積極的な活用は、顧客とのエンゲージメントを深め、ブランドのファンを増やすことにもつながります。

以下のような手法を活用し、顧客をブランドのファンへと育成することも可能です。

  • Instagramで商品のコーディネート例を紹介する
  • YouTubeで商品の使い方動画を公開する
  • ブログで商品の開発秘話やブランドが大切にしている価値観を継続的に発信する

SNSやブログで顧客のエンゲージメントを高めるためには、コメントやDMを通じて顧客と直接コミュニケーションを取ることが大切です。

以下の記事ではSNSマーケティングの基本を解説しているので、こちらも参考にしてください。

サイトのUI/UX改善

ECサイトのUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)を改善することで、顧客が快適に買い物できリピート率の向上につながります。

逆にどれだけ魅力的な商品を扱っていても、以下のようなストレスを感じるサイト設計は離脱を招く要因です。

  • 目的の商品やページへ移行する方法がわかりにくい
  • ページの表示が遅い
  • 購入までのステップが多い
  • スマートフォンでの表示や操作手順が不親切

カートに商品を追加した後すぐに購入手続きに進めるようにし、同時に関連商品も表示すれば、顧客にとっても買い物の楽しみが増えます。

顧客が直感的に買い物できるサイトを目指して改善を続けましょう。

休眠顧客の掘り起こし

一度購入したものの、しばらくECサイトを利用していない休眠顧客は、再アプローチによってリピーター化する可能性があります。

例えば、最終購入日から一定期間が経過した顧客には以下の施策が有効です。

  • 限定クーポン付きのメールを送る
  • 過去の購入履歴に基づいたおすすめ商品を提案する
  • 「お久しぶりキャンペーン(仮)」で新規よりお得な条件を提示する

休眠顧客がECサイトから離脱した原因を分析し、最適化したアプローチを定期的に行うことで、再び顧客との接点を持ちリピート購入を促せます。

ECサイトのリピート率向上成功事例3選

ECサイトのリピート率向上成功事例3選

ここでは、リピート率向上に成功している3つの企業の事例を紹介します。各社の戦略から、自社のEC事業に取り入れられるヒントを見つけてください。

やずや

健康食品通販の老舗であるやずやは、顧客との丁寧なコミュニケーションを通じたダイレクトマーケティングの草分け的存在です。

顧客との長期的な関係構築に注力し、他社に先駆けて定期購入モデルを導入したことで、顧客が手間なく商品を継続的に購入できるようになり、同社の売上安定化につながっています。

また、顧客の健康に関する悩みに寄り添うスタンスも同社の特徴です。
同梱物による丁寧な情報提供や、顧客の健康をサポートするコンテンツ発信を通じて、商品への信頼感とブランドロイヤルティを高めています。

参照元:株式会社やずや「沿革|【公式】やずやグループ

ファンケル

化粧品・健康食品メーカーのファンケルは、顧客の「安心」を追求しリピーターを増やしていることで知られています。

ファンケルは肌に優しい製品を開発し、成分情報や使い方を丁寧に伝えて顧客に安心感を提供してきました。
また、自社ECサイトでは購入データを元にパーソナライズされたおすすめ商品を提案し、顧客体験を向上させています。

さらに会員ランク制度や定期お届けサービスも充実させ、継続利用するほど豪華になる特典でリピート購入を促しています。
顧客との強い絆を築き、高リピート率や優良顧客の育成へとつなげた好事例です。

参照元:株式会社ファンケル「無添加化粧品、健康食品・サプリメントの通販│ファンケルオンライン

カメラのキタムラ

カメラのキタムラは、ECサイトと全国の実店舗を連携させたO2O(Online to Offline)戦略でリピート率を高めています。

オンラインの利便性とオフラインの安心感を両立させ、顧客はECサイトで購入した商品を店舗で受け取ることも、店舗で相談後にECサイトで購入することも可能です。

さらに写真プリントやフォトブック作成といった周辺サービスを充実させ、カメラに関する多様なニーズを満たしている点も特徴的です。
購入後も顧客との接点を持ち続け、顧客のライフイベントに合わせたサービスの提供により長期的な顧客育成を実現しています。

参照元:株式会社キタムラ「コーポレート|株式会社キタムラ

ECサイトのリピート率を高める5つのポイント

ECサイトのリピート率を高める5つのポイント

ECサイトのリピート率を高めるには、顧客との長期的な関係性を構築する取り組みが欠かせません。

最後に、リピート率向上に取り組む上で押さえておきたい 5つのポイントを解説します。

CRMツールを導入する

データに基づきリピート率を改善したい場合は、CRM(顧客関係管理)ツールの導入が有効です。

顧客数が増えると情報管理が煩雑になりがちですが、CRM(顧客関係管理)ツールなら顧客の購入履歴や行動データ、問い合わせ履歴などの一元管理が可能です。

データを元に顧客をセグメント分けでき、顧客ごとのニーズや購買サイクルの把握が可能なため、アプローチの個別化に役立ちます。

顧客は自分に最適化された情報のみを受け取れるため、リピート購入へとつながりやすく、顧客ロイヤルティの向上にも貢献します。

既存顧客のアフターフォローを徹底する

顧客の満足度を高めてリピートにつなげるには、既存顧客へのアフターフォローが欠かせません。

商品を売って終わりではなく、購入後に以下のようなアプローチをすると顧客に好感を与え、リピートのきっかけとなります。

  • 購入後すぐにお礼の気持ちを伝えるサンクスメールを送る
  • 商品到着後、使い心地を尋ねるフォローアップメールを送る
  • 商品レビューの投稿を依頼し、次回使えるポイントを付与する

丁寧で親身なアフターフォローは顧客の信頼感を醸成し、ポジティブな口コミや紹介にもつながります

アンケートを活用し改善を繰り返す

顧客アンケートを定期的に実施し、回答をサービス改善に活かすこともリピート率の改善に不可欠です。

アンケートで収集した顧客の生の声は、リピートの理由や離脱の理由など、社内では気づけない課題や改善点を発見する貴重な情報源となります。

以下のように多角的な項目を設定して顧客の意見を募りましょう。

  • 商品やサービスの満足度
  • 配送の利便性
  • 決済の利便性
  • サイトの使いやすさ

フィードバックをもとに商品の品質改善やサイトのUI/UX改善を繰り返すことで、顧客体験の向上と集客力アップにつながります。

顧客と継続的なコミュニケーションを図る

顧客と継続的にコミュニケーションを取ることで、ECサイトへの愛着を生みリピートへとつなげられます。

アプローチを続けないと顧客は以前購入したショップを忘れてしまいます。

顧客がアクセスしやすいようにメルマガやSNS、LINE公式アカウントなど多様なチャネルを用意し、価値ある情報を定期的に発信することが大切です。

商品の活用術や開発秘話、顧客の声、ライフスタイル提案など、有益な情報や楽しめるコンテンツを提供し続けることで、顧客をファン化し優良顧客へと育成できます。

一方的な情報発信ではなく、顧客のコメントや質問にも積極的に返答し、双方向コミュニケーションを心がけましょう。

外部パートナーと密に連携する

ECサイトのリピート率向上には、専門的な知見を持つ外部パートナーとの連携が有効です。

リピート施策は多岐にわたるため、すべてを自社だけで行おうとすると専門知識やリソースが不足しがちです。
ECサイトのコンサルタントやマーケティング支援会社などの外部パートナーなら、豊富な経験とノウハウで現状の課題を客観的に分析し、最適な改善策を提案してくれます。

結果として、限られたリソースでもLTVを最大化し持続的な成長を実現できます。

ECコンサルティングを活用するメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

ECサイトのリピート率向上は最適な施策から

まとめ:ECサイトのリピート率向上は最適な施策から

ECサイトの持続的な成長のためには、新規顧客の獲得と並行して、既存顧客を大切にし、リピーターとして育成していく視点が不可欠です。

本記事で解説したリピーター率の重要性や計算方法、業種別の目安を理解し、自社の現状把握から始めましょう。

紹介した成功事例や12のリピーター獲得施策、そして5つのポイントを参考に、自社のECサイトに最適な施策を見つけてください。

データに基づいた仮説検証を繰り返し、顧客との良好な関係を築いていくことで、安定した売上と事業の成長につながるはずです。

私たちagsは、ECモール運営支援のプロフェッショナルとして、商品の価値を引き出し、確実に売上につなげるための総合支援を提供しています。

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