2025年EC販促完全ガイド｜目的別施策一覧と販促カレンダーも紹介

「販促施策の効果が出ず、ECサイトの売上が伸び悩んでいる」
「売上に直結する販促手法を知りたい」

ECサイトの販促手法は多岐にわたるため、どの施策を選択すべきか迷うEC担当者も多いのではないでしょうか。

ECサイトの売上を継続的に高めるためには、自社サイトの根本的な課題を解決するのと同時に、季節波動にも適切に対応する必要があります。

本記事では、ECサイトの売上を伸ばすための販売促進（販促）の基本と具体的な施策、さらに年間を通して売上を高める年間計画まで網羅的に解説します。

 

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EC販促の定義と基本

ECサイト運営における「販促」の正確な意味や「集客」「マーケティング」との違い、相互の関係性を理解できていなければ、効率的に売上を上げることは困難です。

まずは、販促の基本的な定義から確認していきましょう。

「販促」「集客」「マーケティング」の違い

販促と集客、マーケティングの3つの言葉は密接に関連していますが、それぞれ役割が異なります。

• マーケティング
  商品が売れる仕組みづくり
  （市場調査、商品開発、価格設定、ブランディング、広告戦略など）
• 集客
  見込み顧客をサイトに呼び込む活動
  （SEO対策、Web広告、SNS運用、コンテンツマーケティングなど）
• 販促
  サイト訪問後の購入を後押しする活動
  （クーポン発行、セール、ポイント還元、キャンペーン企画など）

大きな枠組み「マーケティング」の中に「集客」と「販促」があると捉えてください。

EC販促が重要な理由

ECサイトにおいて販促が重要視されるようになった背景には、市場の競争激化と顧客の購買行動の変化があります。

近年、顧客の購買行動は複雑化し、比較検討期間も長期化しています。
多くの商品がオンラインで購入できる現代、ECサイトにただ商品を並べているだけでは売れない時代になりました。

そのため顧客に今、このサイトで買いたいと思わせる差別化戦略と魅力作りが不可欠となったのです。

適切な販促活動を実施することで、新規顧客の獲得コストを下げ、既存顧客のリピート率向上も実現可能です。
年間の販促スケジュールを策定・実行すれば、売上の安定化にもつながります。

EC販促施策の目的

EC販促は目的によって施策が大きく変わります。

 認知拡大、新規獲得、リピート促進、顧客単価向上など、明確な目標設定から始めましょう。

認知度向上

まずは自社の商品やブランドを知ってもらうことからスタートします。認知度向上は、潜在顧客にブランドや商品を知ってもらう活動です。

特に新しいブランドや商品の場合、認知度向上が最優先課題となることが一般的です。

• Web広告
• SEO対策
• SNSキャンペーン
• インフルエンサーマーケティング
• コラボ企画

 認知度を拡大すれば将来の見込み顧客が増え、中長期的な売上基盤を築けます。

新規顧客の獲得

サイトに訪れた顧客に、初めての購入を促すための施策です。新規顧客獲得は初回購入のハードルを下げることがポイントです。

• 初回限定セール
• 送料無料キャンペーン
• 新規会員登録クーポン
• レビュー投稿キャンペーン
• Web接客ツールの導入

新規獲得コスト（CAC）を計測し、LTV（顧客生涯価値）とのバランスを保ちながら施策を展開しましょう。

リピーターの獲得

一度購入してくれた顧客に、再度購入してもらうための施策です。

• ポイントプログラム
• 会員ランク制度
• メールマガジンやLINEでの限定情報配信
• 誕生日クーポン
• 同梱物の工夫（サンクスレターなど）

新規顧客の獲得コストは、リピーター維持コストの5倍程度かかるともいわれます。
リピーターの獲得がECサイトの収支を改善する鍵といえるでしょう。

既存顧客の囲い込み

リピーターをさらに優良なファン（ロイヤルカスタマー）へと育成する施策です。
顧客との長期的な関係を築き、LTV（顧客生涯価値）を最大化させることが目的です。

• 会員限定セール
• 特別な体験の提供（先行販売、イベント招待など）
• 定期購入プログラム
• アップセル・クロスセルの提案

長期利用顧客ほど単価が高くなる傾向があり、既存顧客の囲い込みは利益率の向上に直結します。

EC販促施策の効果を高めるポイント

販促活動を闇雲に実施しても得られる効果は限られます。
施策の成功確率を格段に高めるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

施策の目的を明確化する

前述の通り、施策を選ぶ前に目的を明確にすることが前提です。

施策の目的を明確化せずに実施すると、効果測定ができず改善につながりません。
目的に応じてKPIを定め、施策前後の変化を定量的に把握できる体制を整えましょう。

「新規顧客を月100人獲得する」「リピート率を20%向上させる」など、具体的な数値目標を設定することが必要です。
また、同時に複数の目的を追うと施策がブレやすいため、優先順位を決めて取り組むことも大切です。

目的が明確であれば施策の方向性が定まり、チーム内での認識統一も図れます。

明確なターゲットを設定する

施策のターゲットを具体的に設定しましょう。
ターゲットを明確にすることで訴求メッセージの精度が向上します。

例えば、「20 代女性で、初めて自社サイトを訪れた人」と「40 代男性で、過去に 3 回以上購入しているリピーター」では、響くメッセージや期待するキャンペーンは異なります。
年齢、性別、職業、購買履歴などの属性データを活用し、具体的なペルソナを設定してください。

また、ターゲットの行動パターンや関心事を把握し、適切なタイミングで適切なチャネルから情報発信を行うなど、セグメント別のアプローチの検討が必要です。 

足元の集客も怠らない

販促施策の効果を最大化するには、継続的な集客活動が前提条件です。

集客数が少ないまま販促を実施しても、母数不足により十分な効果を得られません。
SEO対策やコンテンツマーケティングで自然流入を増やしたり、SNS運用により日常的にブランドとの接点を作ったりすることも重要です。

集客と販促を両輪で回すことで、施策の投資対効果を高められます。

実施後の効果検証でPDCAを回す

施策は実施して終わりではなく、施策実施後の効果検証なしに継続的な改善はありえません。
必ず効果を検証し、次のアクションにつなげることが大切です。

以下のPDCAサイクルを回し続け、施策を改善していきましょう。

1. Plan（計画）
   目的とターゲットを定め、具体的な施策とKPI（重要業績評価指標）を設定する。
2. Do（実行）
   計画に基づいて施策を実行する。
3. Check（評価）
   結果をデータで測定し、KPIが達成できたか、計画通りに進んだかを評価する。
4. Action（改善）
   評価結果を基に、施策の改善点を見つけ、次の計画に活かす。

まず売上、コンバージョン率、顧客獲得コストなどの定量指標で効果を測定します。
続いてアンケートやヒアリングで定性的なフィードバックも収集し、数値だけでは見えない課題を把握しましょう。
効果の高い施策は横展開し、効果の低い施策は改善または中止の判断を行うことも必要です。

新規顧客獲得に効果的なEC販促施策5選

ECサイトの成長には常に新しい顧客の流入が不可欠です。
ここでは、特に新規顧客獲得に効果的な5つの施策を紹介します。

期間限定販売

期間限定販売は急いで購入する必要性を演出し、顧客の行動を促す常套手段です。

「本日 23:59 まで」「今週末限定」といった告知は、顧客の購買意欲を強く刺激します。
機会損失を恐れる心理（FOMO: Fear of Missing Out）に働きかけ、迷っている顧客の背中を押す効果があるのです。

カウントダウンタイマーやリアルタイム在庫表示で、緊急感を視覚的に演出することも手です。

モニター募集

モニター募集は商品の試用機会を提供し、購入リスクを大幅に軽減する施策です。

化粧品や健康食品など、効果を実感しにくい商品や、発売前の新商品で多く用いられる施策で、無料または格安でサンプルを提供し、商品の良さを実際に体感してもらえる利点があります。

SNSなどでモニターを募集し使用感を発信してもらえば、自然な形で商品の魅力が拡散される効果も得られます。
また、集まったレビューを貴重な顧客の声として商品ページに掲載し、新たな集客に活用することも可能です。

モニター参加者には本商品購入時の特別割引を用意し、リピート購入への導線を作ることも意識しましょう。

返品無料キャンペーン

返品無料キャンペーンには購入に対する不安を解消し、初回購入のハードルを下げる効果があります。
サイズや色味、使用感がわからないなどの不安は、特にアパレルECでのカゴ落ちの大きな原因です。

しかし「満足できなければ全額返金」の保証があれば、顧客は安心して購入に踏み切れます。

返品理由を分析して商品改善につなげれば、長期的な顧客満足度向上も図れます。返品無料キャンペーンを実施する際には、返品率を事前に想定し、収益性を確保できる価格と期間を設定しましょう。

リスティング・SNS・動画などの広告施策

GoogleやYahoo!の検索結果に表示されるリスティング広告や、Instagram、X（旧Twitter）などのSNS広告は、購買意欲の高い見込み客に直接アプローチできる手法です。

• リスティング広告
  検索キーワードに連動したタイミングでの訴求が可能
• SNS広告
  詳細なターゲティングにより、属性や興味関心に基づいた配信が可能
• 動画広告
  商品の魅力をわかりやすく伝え、感情に訴えるアプローチで印象に残りやすい

短期的にアクセス数を増やし、新規顧客を獲得したい場合に非常に有効です。
各媒体の特性を活かし、認知から購入まで段階的なアプローチで顧客を育成しましょう。

コラボ・共同キャンペーン（認知拡大）

自社とは異なる顧客層を持つブランドや、影響力のあるインフルエンサーとのコラボレーションは、一気に認知度を高めるチャンスです。
お互いの強みを活かした商品開発やキャンペーンを行うことで、大きな話題性を生み出せます。

• インフルエンサーとのコラボレーション：フォロワーへの自然な商品紹介が可能
• 異業種との共同企画：今まで接点のなかった顧客層への訴求が可能

パートナーとの役割分担を明確にし、双方のシナジー効果を生む企画設計を心がけましょう。

リピーター化・囲い込みのためのEC販促施策5選

安定した売上を築くためには、リピーターの育成が欠かせません。
顧客との関係を深め、ファンになってもらうための施策を紹介します。

継続的なコミュニケーションと特別感の演出で、顧客との関係性を深めていきましょう。

メールマガジン・LINE配信（リテンション）

メール・LINE配信は顧客との継続的な接点を作れるコミュニケーション手段です。
購入履歴に基づいたパーソナライズ配信で、顧客の関心の高い情報を届けられることがメリットです。 

商品情報やお役立ち情報を定期配信することで、顧客と良好な関係性を構築できます。
セール情報の優先配信や会員限定クーポンで、自分だけの特別感を演出すると効果的です。

メールマガジン実施時は開封率やクリック率を分析し、配信頻度や内容の最適化を心がけましょう。

会員制度やランク制度の導入

会員制度は購入実績に応じた特典提供により、顧客に継続利用を促す仕組みです。 

購入金額や回数に応じて顧客をランク分けすることで、顧客はゲーム感覚で上位ランクを目指せます。
また、会員限定イベントやセミナーなどを開催すれば、ブランドのコミュニティ感が醸成され、顧客のロイヤリティを高める効果も期待できます。

ランク別の送料無料ライン設定や限定商品の先行販売などを通じて、競合と差別化を図りましょう。 

定期便やサブスク制の導入

定期便・サブスク制を導入することで、継続的な売上の確保と顧客の購買頻度の向上につながります。

定期便やサブスク制は主に消耗品や日用品など、定期的に購入する商品で多く用いられる手法です。
定期購入者への価格優遇や送料無料によって、単発購入との差別化を図れます。 

お届け周期の調整機能やスキップ機能などを導入して柔軟な受注体制を整備し、顧客の利便性を高めることも大切です。
継続購入を促し、顧客からの信頼性も増します。 

解約率を常に分析し、商品の満足度向上や配送サービスの改善につなげましょう。

ポイント・クーポン発行

ポイント・クーポンの発行は次回購入時のインセンティブとなり、リピート率を向上させます。

• 購入金額に応じたポイント付与：顧客の継続購入を動機づけ
• 誕生日や購入記念日のクーポン配布：特別感の演出、購入タイミングの創出 
• ポイント有効期限の設定：一定期間内での再購入促進

ポイント使用率やクーポン利用率を分析し、還元率の最適化を図ることで収益を向上させましょう。

レコメンド施策（パーソナライズ）

レコメンド施策とは、個別の購買データに基づき最適な商品提案を行う販促手法です。
過去の購入履歴や閲覧履歴から興味関心を分析し、関連商品を自動で提案します。 

レコメンドの具体例は以下の通りです。

• 商品ページに「よく一緒に購入される商品」「あなたへのおすすめ」を表示し、顧客のニーズに合う商品を提案する
• 季節や天候データと連動した商品提案機能を使い、顧客が欲しいタイミングでアプローチする

AIや機械学習を内蔵したレコメンド機能なら、継続的な提案精度の向上が見込めます。

ECパーソナライゼーションについては以下の記事で解説しているので、参考にしてください。

https://ageneralstudio.com/blog/3680-2/

お得感で購入意欲を高めるEC販促施策3選

購入の最終段階で、顧客の背中を押すお得感の演出も強力な販促手法の一つです。
ここでは、代表的な3つの施策を見ていきましょう。

まとめ買いキャンペーン

まとめ買いキャンペーンは複数商品の同時購入により、顧客単価向上と在庫回転率の改善を同時に実現できる施策です。
消耗品や日用品など、継続利用する商品を中心に以下のようなシーンで活用されています。

• 「3個買うと1個無料」「5,000円以上購入で20%オフ」など、購入数や金額に応じた割引設定でお得感を演出
• 在庫処分やシーズン商品の早期売り切りに活用し、キャッシュフローの改善を図る

割引率と利益率のバランスを考慮した持続可能な価格設定にすることがポイントです。

ポイントアップキャンペーン

ポイントアップキャンペーンは通常時の数倍のポイントを付与することで、購入機会の創出と顧客の囲い込みを図る施策です。

• 「今だけポイント〇倍」「会員限定ポイント〇倍デー」
  限定性と特別感を演出し購買意欲を促進
• ポイントの有効期限設定
  期間内の再購入を促進し、リピート率の向上につなげる
• 特定の商品やカテゴリーに絞ったポイントアップ
  在庫調整や新商品の認知拡大

ポイント原資を事前に計算し、売上向上効果とのバランスを考慮の上キャンペーンを実施しましょう。

送料無料キャンペーン

送料無料キャンペーンは購入時の追加コスト負担をなくし、顧客満足度向上と購入率アップの両方を実現する施策です。

顧客が購入をためらう要因である送料を無料にすることで、購入のハードルを下げ背中を押すことが可能です。
「〇〇円以上/〇点以上で送料無料」と基準を設定することで、ついで買いによる客単価向上も図れます。

ただし送料無料キャンペーンは売上の即効性が高い反面、利益率への影響も大きい傾向にあります。
キャンペーンを実施する際には以下の点に留意しましょう。

• キャンペーン待ち防止のため頻繁な開催は避ける
• 送料を商品価格に含めた価格設定も検討（市場相場の範囲内で）
• 年会費制の送料無料サービスを導入する

実店舗とECのオムニチャネル販促施策3選

オムニチャネル戦略は実店舗とECの相乗効果を生み出し、顧客体験の向上と売上拡大を同時に実現する販売形態です。
チャネル間の連携を強化し、顧客に最適な購買体験を提供する販促活動を実施しましょう。

店舗来店キャンペーンとの連動

店舗来店キャンペーンとECの連動により、オフラインからオンラインへの顧客誘導と相互送客が可能です。
以下は具体的な施策の例です。

• 実店舗で商品を購入した顧客にECサイトで使える割引コードを渡す
• ECで商品を購入した顧客を店舗での特別体験やワークショップへ招待する
• 店舗限定商品をECで予約注文し、店舗で受け取る

相互に送客することで顧客がブランドとの接点を深められ、利便性も向上します。
さまざまなサービスを統合し、どちらのチャネルを利用してもメリットを感じられる仕組みを構築しましょう。

ECと店舗共通のポイント・クーポン発行

ECと店舗を横断する以下のクーポン施策は、チャネル間の壁を取り払い、顧客の利便性を大幅に向上させます。

• ECで発行したクーポンを店舗でも使用可能にし、購入場所の制約をなくす
• 「EC購入者限定店舗クーポン」や「店舗購入者限定ECクーポン」で、相互送客を促進する

例えば、誕生日クーポンをEC・店舗両方で利用可能にすれば、顧客の記念日をより特別な体験に変えられるでしょう。

クーポンの利用状況を分析し、顧客の行動パターンや嗜好を把握することで、より精度の高いマーケティング施策を立案できます。

顧客データ統合による販促精度向上

ECサイトと実店舗の顧客データを統合し購買履歴を一元管理することで、よりパーソナライズされた販促施策の展開が可能です。

以下が実現すれば顧客の利便性を格段に高められます。

• 店舗での試着履歴をもとに、ECでもサイズや好みに合った商品を提案できるようにする
• EC上での閲覧履歴をもとに、店舗スタッフが来店時に適切な商品案内を行う

運営側にとっても、季節性やトレンドを踏まえた商品展開の最適化や在庫処分をしやすい利点があります。

EC×SNSの連携による販促施策

SNS連携は商品の認知拡大と購入促進を低コストで実現する現代的な手法です。

各プラットフォームの特性を活かし、自然な商品訴求を実現しましょう。

Instagram・X（旧Twitter）での拡散施策

InstagramやX（旧Twitter）などのSNSを活用した拡散施策は、視覚的な訴求力と話題性により幅広いリーチを獲得できます。
SNS施策は低コストで情報を拡散させ、認知拡大を図れることが特徴です。

以下がSNS拡散施策の一例です。

• Instagramの写真投稿コンテスト、#（ハッシュタグ）投稿キャンペーン：ユーザーの自発的な情報拡散を促進
• 商品写真の投稿に特典を付与：リアルな使用シーンの拡散と商品認知の拡大
• X（旧Twitter）のリツイートキャンペーン、フォロー&RTで抽選企画：話題性による高い拡散効果

上記に加えてInstagramのショッピング機能を使えば、投稿から直接商品ページへ誘導することも可能です。
ECサイトへ誘導するリンクを設置し、興味を持ったユーザーをスムーズに購入へ導きましょう。

SNSマーケティングの基本については以下の記事をご覧ください。

https://ageneralstudio.com/blog/3818-2/

UGC（口コミ・レビュー）活用

SNS施策の一環としてUGC（User Generated Content）を活用する方法もあります。

UCGとはユーザーによって作られたコンテンツのことで、主にSNS上の口コミやレビューを指します。
ユーザーのリアルな使用感であるUGCは、一般に企業からの発信よりも信頼性が高い傾向にあるため、UGCを増やすことでブランドの信頼感を高められます。

以下はUGCを増やす施策の一例です。

• レビュー投稿に対するポイント付与やクーポン配布：口コミ投稿の促進
• インフルエンサーとのタイアップ投稿：自然なリーチ拡大を実現

UGCを商品ページや広告クリエイティブに活用すれば、よりリアルで説得力のある訴求が可能です。
優良なUGCは公式SNSアカウントでリポストし、投稿者には感謝のコメントと特典を提供しましょう。

EC×コンテンツマーケティング連携による販促施策

コンテンツマーケティング連携は、顧客にとって価値ある情報提供を通じて関係性を構築し、自然な形で商品販売につなげる手法です。

以下で具体的な施策を紹介します。

記事・ブログによるSEO集客と販促の融合

記事・ブログを活用したSEO集客は、検索エンジンからの自然流入を増やしながら商品販売を促進する手法です。
SEO対策により検索エンジンからの流入を増やし、記事内で自然な商品販促につなげます。

具体的には、商品に関連するお役立ち情報やノウハウをブログ記事として発信し、検索ユーザーの悩み解決と商品紹介を自然にリンクさせます。
キッチングッズを販売している場合に、その商品を使ったレシピを紹介するなどがその一例です。

記事内に商品リンクを適切に配置し、興味を持ったユーザーをスムーズに購入ページへと誘導できるページ設計にすることがポイントです。
コンテンツは定期的に更新し、検索エンジンからの評価を高めましょう。

ECサイトのブログ集客におけるSEO対策については、以下の記事をご覧ください。

https://ageneralstudio.com/blog/3598-2/

動画・ライブ配信を活かした販促

動画・ライブ配信は商品の魅力を動的に伝える販促手法で、視聴者との双方向コミュニケーションが特徴です。

商品の使い方や魅力を動画で伝えながら、ライブ配信でリアルタイムに顧客の質問に答えることで、静的な商品ページでは伝わらない購入後のイメージを鮮明に伝えられることがメリットです。

スタッフの顔が見えることで、自社への親近感や信頼感も醸成されます。

以下は具体的な施策の一例です。

• 商品開発の裏側や使用者のインタビュー動画：商品への愛着と信頼感を醸成
• YouTubeやTikTokなどのプラットフォーム活用：幅広い年齢層へアプローチ
• 動画のコメント欄での質問対応や商品相談：購入前の不安解消と顧客満足度向上

動画視聴データを分析し、高い興味を示した視聴者には個別アプローチも検討しましょう。

ストーリーマーケティングによるブランド価値向上

ストーリーマーケティングは商品の背景にある物語を伝えることで、感情的なつながりを創出し、ブランドへの愛着を深める手法です。

顧客は単なる「モノ」ではなく、その背景にある「物語」に価値を感じ、ファンになってくれることも少なくありません。
商品に込められたストーリーを丁寧に伝えることで顧客のファン化を図れます。

以下はブランドのストーリーの一例です。

• 商品開発の経緯や創業者の想い、職人の技術へのこだわり：商品への愛着の強化・深化
• 顧客の体験談や購入後の変化を紹介：商品価値を具体的にイメージさせる
• ブランドの社会貢献活動や環境への取り組みを発信：企業姿勢に対する共感を喚起

ストーリーを軸とした一貫性のあるコンテンツ発信により、ブランドの世界観を構築できます。
結果として価格競争に巻き込まれにくい独自のポジションを確立でき、長期的な顧客関係の構築が可能です。

2025年販促カレンダーで見る季節ごとのキャンペーン戦略

年間を通じた売上安定化のためには季節ごとの販促戦略が欠かせません。
ここからは季節ごとの訴求可能な商品を把握するために、年間の販促カレンダーと各月の特性を解説します。

1月：新年キャンペーン、冬物セール

1月は新年の始まりと福袋・初売りセールが消費者心理を刺激する絶好の販促機会です。
「新年新たなスタート」をテーマにした商品提案で、年始の前向きな気持ちに訴求できます。

• 年末年始：福袋、お年玉企画、冬物・初売りセール
• 正月明け：正月太り対策グッズ、健康・・美容グッズ、新年の目標達成をサポートする商品
• 成人の日：ギフト商品
• 季節商品：冬物セール

年始の購買意欲が高まる時期に、年間顧客を獲得し関係構築のスタートを切りましょう。

2月：バレンタインキャンペーン、新生活準備

2月はバレンタインデーを中心とした恋愛・ギフト需要と、受験シーズンの応援需要が重なる月です。

• バレンタイン：関連商品、自分へのご褒美、友チョコなど
• 受験生応援：受験応援グッズ、集中力向上商品、健康増進グッズ
• 寒さ対策：防寒・温活商品、免疫力アップ商品
• 新生活準備：家具・家財全般

3月の新生活準備需要を見越した早期キャンペーンで、競合より一歩早い顧客獲得を図りましょう。

3月：卒業・入学キャンペーン、春の行楽

3月は卒業・入学・新生活準備の需要が集中し、年間で最も消費が活発になる重要な月です。
人生の節目をサポートする商品を訴求できます。

• 卒業・入学：新生活応援フェア、卒業祝いギフト
• 就職、転勤：ビジネス用品
• 引っ越し：家具・インテリア商品
• 花粉飛散：花粉症対策グッズ、健康管理商品
• ホワイトデー：ギフト商品
• 年度末（法人）：年度内に納品可能なノベルティ、オフィス用品など（予算消化ニーズ）
• 春の行楽：行楽グッズ関連

新生活への期待感が高まる時期に、顧客の新たなスタートを応援する姿勢で販促を展開しましょう。

4月：新生活応援キャンペーン、ゴールデンウィーク

4月は新年度のスタートと春の訪れにより、新しいことを始めたい気持ちが高まる月です。

• 新入社・新入学：新生活必須アイテム
• 桜前線：お花見グッズ
• 季節のファッション：衣類、小物全般
• 新年度：自己啓発商品、健康管理商品、ストレス対策商品・サービス、コミュニケーション関連商品
• ゴールデンウィーク前：旅行・レジャー準備関連商品

年度替わりに顧客の新たな挑戦を後押しする販促戦略が重要です。

5月：こどもの日キャンペーン、母の日キャンペーン

5月はゴールデンウィークと母の日が重なり、レジャーとギフトの双方で大きな消費機会を迎えます。

• ゴールデンウィーク：旅行グッズ、アウトドア用品
• こどもの日：ファミリー向け商品・サービス、成長サポートグッズ
• 母の日：高価格帯の母の日関連ギフト
• 五月病対策：リフレッシュ関連商品、癒しグッズ
• 五月晴れ：外出用ファッション、美容関連商品

連休明けの仕事復帰をサポートする商品で、生活リズムの調整ニーズにも対応することが大切です。

6月：梅雨対策キャンペーン、父の日キャンペーン

6月は梅雨入りと父の日により、季節対策とギフト需要が交錯する月です。

• 梅雨対策：除湿・防カビグッズ、雨具、衛生管理商品（食中毒対策）、湿気対策のヘアケア商品、屋内エンターテインメント関連商品
• 父の日：男性向け実用品、趣味関連アイテム
• ジューンブライド：ウェディング関連商品、結婚祝いギフト

夏に向けた準備商品の早期訴求により、競合との差別化を図れます。

7月：夏休みキャンペーン、サマーセール

7月は夏本番の到来により、暑さ対策と夏休み準備の需要が急激に高まる月です。

• 暑さ対策：冷却グッズ、熱中症対策商品、水分補給商品、夏バテ対策グッズ
• 夏休み：旅行・レジャー用品、帰省準備関連商品
• 七夕・夏祭り：イベント関連商品、祭りグッズ
• レジャー：プール・海水浴関連グッズ、日焼け対策商品
• お中元：ギフト全般

暑さによる食欲低下を補う栄養補助商品や、涼感を演出するファッション・インテリア商品の提案も効果的です。

8月：お盆キャンペーン、残暑対策

8月は夏休み真っ盛りとお盆休みにより、家族団らんとレジャー需要がピークを迎える月です。

• 夏休み：思い出作りのサポート商品、家族で楽しめるエンターテイメント商品、自由研究対策グッズ
• お盆の帰省・旅行：移動関連グッズ、実家への手土産商品
• 花火大会・夏祭り：イベント関連商品、祭りグッズ
• 猛暑：熱中症予防グッズ、エアコンによる冷え対策グッズ、健康回復グッズ
• 季節限定：残暑見舞いギフト

夏休みの自由研究や宿題サポート商品で、教育関連の需要も取り込めます。
秋に向けた準備商品の早期展開も検討しましょう。

9月：秋の行楽キャンペーン、シルバーウィーク

9月は夏の終わりと秋の始まりにより、季節の変わり目対策と新学期準備の需要が重なる月です。

• 敬老の日：高齢者向けギフト
• 健康関連：夏バテ回復グッズ、体調管理商品、秋の花粉症対策商品
• 新学期・後期開始：学用品、自己啓発商品
• 食欲の秋：秋の味覚全般
• シルバーウィーク：行楽グッズ
• 台風シーズン：防災グッズ
• 運動会・文化祭準備：イベント関連商品、学校行事のサポート提案

涼しくなることで外出機会が増えるため、秋のファッションアイテムや行楽グッズの早期展開が効果的です。

10月：ハロウィンキャンペーン、秋の味覚

10月は行楽シーズンとハロウィンにより、レジャーとイベント需要が高まる月です。

• 紅葉狩り・秋の行楽：アウトドアグッズ、旅行関連グッズ
• ハロウィン：パーティーグッズ
• スポーツの秋：運動用品、健康器具
• 食欲の秋：調理器具、秋の食材全般
• 読書の秋：書籍、学習関連グッズ
• 健康関連：乾燥対策グッズ

年末に向けた大掃除グッズの早期展開や、冬支度商品の訴求も開始しましょう。

11月：七五三キャンペーン、冬支度

11月は年末商戦の前哨戦として、冬支度と歳末準備の需要が本格化する重要な月です。

• 七五三：子ども向けギフト
• 勤労感謝の日：ギフト商品
• 防寒準備：防寒グッズ、暖房器具、風邪予防商品
• ブラックフライデー：中高価格帯商品
• 年末年始の準備：年賀状準備、年末年始の計画サポート、掃除用品

ボーナス商戦に向けた高額商品の訴求や、クリスマス・お歳暮商品の早期展開、新年を迎える準備関連商品で、顧客の計画的な消費行動をサポートしましょう。

12月：クリスマスキャンペーン、年末年始セール

12月は年間最大の商戦期として、クリスマスと年末年始の複合需要により売上のピークを迎えます。

• クリスマス：ギフト商品、パーティーグッズ
• お歳暮・年末のご挨拶：ギフト関連商品
• 忘年会：特別な食材、イベント関連グッズ
• 大掃除：掃除グッズ、整理収納商品
• 冬休み・年末年始：旅行関連商品、帰省時の手土産商品

一年の疲れを癒すリラクゼーション商品や、新年に向けた目標設定をサポートする商品展開も有効です。

年末の駆け込み需要と新年の準備需要を同時に満たす戦略的な商品展開が成功の鍵を握ります。

EC販促施策実施の注意点

販促施策でトラブルを回避し売上アップにつなげるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

キャンペーン前にサーバー環境をテストする

キャンペーン実施前にはサーバー環境テストを実施しましょう。

セールや限定商品の販売時にはサイトへのアクセスが集中することが予想され、サーバーがダウンしてしまうと大きな販売機会の損失につながります。

キャンペーン前には想定される最大アクセス数の1.5倍程度の負荷テストを実施し、サーバーの処理能力を確認しましょう。
決済システムの動作確認や、在庫管理システムとの連携テストも必須です。

キャンペーン期間中の安定運用を確保するために、CDN（コンテンツ配信ネットワーク）を導入したり、一時的にサーバーを増強したりするとより安心です。

金銭的メリットが先行しないよう留意する

割引や送料無料などの金銭的メリットばかりが前面に出ると、ブランド価値が毀損したり価格競争へ巻き込まれたりするリスクが生じます。

過度な値引きは利益率を圧迫し、持続可能な事業運営を困難にします。

割引やポイント還元などの特典は購入のきっかけとしては有効ですが、あくまで商品やサービスの価値や魅力が伝わっていることが前提です。

ブランドストーリーや商品の特徴、使用シーンの提案を通じて、価格以外の魅力を丁寧に伝える姿勢が不可欠です。

長期的な顧客関係構築を重視し、一時的な売上向上よりも顧客満足度とブランドへの信頼醸成を優先した施策設計を心がけましょう。

まとめ：計画的なEC販促施策で売上を最大化しよう

EC販促の成功には、目的を明確にした戦略的なアプローチが不可欠です。
新規顧客獲得、リピーター化、顧客単価向上など、それぞれの目的に応じた施策を適切に組み合わせることで、持続的な売上成長を実現できます。

オムニチャネル展開やSNS・コンテンツマーケティングなどを通じて、顧客との多面的な接点を創出し、関係性を深めることも重要です。

2025年の販促カレンダーを参考に年間を通じた計画的な施策展開を行い、季節性を活かした効果的なタイミングでアプローチしてください。

サイトの収益と価値訴求のバランスを保ちながら、顧客満足度向上を最優先にした販促戦略を立案・実行し、競合との差別化と長期的な事業成長を両立しましょう。

なお、以下のような強みを持つ当社では、豊富な実績とデータに基づいた戦略的なアプローチでクライアント様のビジネスをサポートしております。

• EC売上拡大に向けたサイト改善/制作、広告/SNS運用、CRM施策

• 実績に基づく体系的なアプローチ

• 柔軟な利益拡大に連動した費用設定

• クライアント様の利益を最優先する成果重視の姿勢

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