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EC収益を最大化する方法とは?収益構造と改善施策を徹底解説

目次

「売上は順調に伸びているはずなのに、なぜか手元に利益が残らない」
「収益を改善したいが、どこから手をつければ良いのかわからない」

ECサイトの運営において、上記のような悩みを抱える担当者の方も少なくないでしょう。

EC事業の成功は、単に売上を伸ばすだけでは達成できません。
売上を収益に結びつけることで、EC事業の持続的な成長が可能です。

本記事では、ECサイトの収益構造の基本から、売上向上とコスト削減の両面からアプローチする具体的な改善施策、事業改善のヒントとなる成功事例を解説します。

 

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ECサイトの収益構造を知るための基本事項

初めに、ECサイトの収益構造を知るための基本となる会計用語と指標を解説します。

売上・粗利益・営業利益の違い

EC事業の健全性を正しく把握するためには、基本的な会計用語を理解することが不可欠です。
多くの担当者の方が混同しがちな売上、粗利益、営業利益の定義を確認しておきましょう。

売上

  • 商品やサービスを販売して得られる収入の総額。
  • 売上 = 商品の販売価格×販売数量

粗利益(売上総利益)

  • 売上から売上原価(商品の仕入れや製造にかかった費用)を差し引いた利益。
  • 粗利益 = 売上 – 売上原価

営業利益

  • 粗利益から販売費及び一般管理費(人件費、広告費、システム費用など)を差し引いた利益で、 本業の最終的な利益を指す。
  • 営業利益 = 売上総利益 – 販管費

上記それぞれの数値を正しく把握することで、商品自体の利益率が高いのか、あるいは販売活動にコストがかかりすぎているのかといった、事業の課題を明確にできます。

収益計算に必要な指標(CVR・客単価・LTV)

ECサイトの収益性を分析し、改善策を立てるためには、日々の運営で追うべき重要な指標(KPI)があります。

特に以下の3つの指標は、ECの売上方程式を構成する基本的な要素として必ず押さえておきましょう。

CVR(転換率)

  • サイトへのアクセス数のうち、実際に商品を購入した割合
  • 計算式:コンバージョン数÷セッション数

客単価

  • 顧客 1 人が 1 回の購入で支払う平均金額
  • 計算式:一定期間の総売上 ÷ 注文数(その期間の総顧客数)

LTV(顧客生涯価値)

  • 1人の顧客が取引開始から終了までの期間にもたらす利益の総額
  • 計算式:平均顧客単価 × 粗利率 × 購買頻度 × 継続期間

集客はできているもののCVR(転換率)が低い場合、サイトのデザインや商品ページに問題がある可能性があります。
また、顧客数が多くても売り上げが低い場合は、客単価が低い可能性がある、といった点に気付けるでしょう。

LTV(顧客生涯価値)はリピート率と密接に関係している指標で、新規顧客獲得コストが高騰する中、利益を確保するために重要視すべき指標です。

上記の指標を適切に管理することで、収益を適切に利益にできます。

EC収益を左右する主要な4つの要素

EC収益を左右する主要な4つの要素

ECの売上は一般的に「アクセス数 × CVR × 客単価」という方程式で表され、さらにリピートの概念を加えることで、事業の持続的な成長につなげることが可能です。
この構造を理解した上で売上を構成する要素をさらに分解していくと、自社サイトが注力すべき改善点が見えてきます。

以下ではEC収益を左右する主要な4つの要素を解説します。

集客力(アクセス数)

集客力(アクセス数)は、そのECサイトを訪問したユーザーの数を指し、サイトの知名度や売上ポテンシャルを示す重要な指標です。

集客力を分析する際には、ユーザー数(UU数)とセッション数(SS数)、ページビュー数(PV数)の3つの指標が使われます。

ユーザー数(UU数)

一定期間内にECサイトを訪問したユニークユーザーの数。
例:同じユーザーが何度訪問しても1回としてカウント

セッション数(SS数)

ユーザーがECサイトに訪れてから離れるまでの一連の行動を1回とカウントした数。
例:ユーザーが複数のページを閲覧した場合でも、セッションは1

PV数(ページビュー数)

ECサイト内の個々のページが読み込まれた回数を指す。
例:同じユーザーが同じページを複数回見た場合は、それぞれカウント

アクセス数が少なければ、どれほど優れた商品やサービスがあっても十分な売上を確保できません。

コンバージョン率

コンバージョン率(CVR)は、サイトを訪れたユーザーがどれだけ購入に至ったかを示す割合です。

一般的にECサイトのコンバージョン率は1~3%程度とされており、この数値を向上させることで売上の大幅な増加が期待できます。
逆にアクセス数が多くてもCVRが低ければ、ザルで水をすくうようなもので、効率的な収益化は望めません。

サイトの使いやすさや読み込み速度、商品ページの魅力、購入プロセスの簡便さなどがCVRに大きく影響します。

平均購入単価(客単価・AOV)

平均購入単価(客単価・AOV)とは、注文1回あたりの平均購入金額(平均購入単価(AOV)= 総売り上げ額 ÷ 注文数)を指し、収益の拡大に直接影響する指標です。

アクセス数とコンバージョン率が同等の場合、客単価を向上させることで大幅な売上増加が可能です。

関連商品の提案(クロスセル)や上位商品の提案(アップセル)、まとめ買い割引などの施策で平均購入単価アップを図れます。

リピート率

リピート率とは、既存顧客が再度購入する割合を示し、長期的な収益安定化につながる要素です。  

高いリピート率は再購入の可能性が高いことを意味するため、事業の売上向上に直結します。
新規顧客を獲得するには既存顧客維持の5倍程度のコストがかかる傾向にあるため、リピーターの育成は事業効率化と安定した収益基盤の構築に不可欠です。

リピート率を向上させるためには、顧客と長期的な関係を築き、顧客満足度を向上させる施策が必要です。

EC収益モデルの特徴と比較

EC収益モデルの特徴と比較

ECサイトの収益モデルはモール型か自社ECか、またBtoC(企業対消費者)かBtoB(企業対企業)かによっても、収益構造が大きく異なります。

本章ではECサイトの各収益モデルの特徴を解説し、それぞれを比較します。

モール型ECと自社ECの違い

ECサイトには、大きく分けてモール型と自社ECの2種類の出店方式があり、それぞれ収益の考え方が異なるので、ポイントを押さえておきましょう。

比較項目 モール型EC(Amazon、楽天市場など) 自社EC(独自ドメインのサイト)
集客力 ◎ モールの知名度により初期集客が容易 △ 独自の集客努力(SEO、広告など)が必須
手数料 △ 販売手数料や出店料が発生し、利益を圧迫しやすい ◎ 手数料は決済手数料などに限定される
ブランディング △ モール内の競合が多く、価格競争になりやすい ◎ 独自のデザインや世界観を表現しやすい
顧客データ × 顧客情報を直接管理・活用することが難しい ◎ 自由に顧客データを収集・分析できる

モール型ECでは、モールの集客力と知名度があるため、初期から安定したアクセス数と一定の集客効果が期待できます。
その反面、売上に応じてロイヤリティなどの費用が高額になりやすく、売上が好調でも利益が伸びにくいケースがあるでしょう。

自社ECは、手数料やロイヤリティが発生しないため、売上がそのまま収益につながりやすく、ブランド構築や顧客データ蓄積の面でも自由度が高いといえます。
ただし、自力での集客が必要であり、広告コストを最適化できるかどうかが収益に影響を与える点に留意しなければなりません。

BtoCとBtoBで異なる収益の出し方

取引相手によっても、ECの収益モデルは大きく異なります。
BtoCとBtoBのECサイトでは顧客特性と購買行動が大きく異なり、収益の出し方も根本的に異なるため、それぞれの特性に適した戦略を採用することが必要です。

比較項目 BtoC(対消費者取引) BtoB(対企業間取引)
顧客層 不特定多数の個人 特定の業界・業種の法人
取引単価 比較的低い 比較的高く、取引量も多い
意思決定 個人の感情や衝動が影響しやすい 複数人による合理的・論理的な判断
重視する収益 新規顧客獲得とリピート購入による継続的な売上 一社あたりのLTV(顧客生涯価値)の最大化

BtoC ECでは感情的、衝動的な購買行動が多く、商品の魅力的な見せ方やプロモーションのタイミングが売り上げの鍵を握る側面があります。
コンバージョン率は比較的低めですが、購入頻度が高く、リピート購入による長期的な収益確保が可能です。

BtoB ECはtoCと比較すると、長い検討期間をかけて論理的な購買決定プロセスを踏むことが特徴で、詳細な商品情報や仕様書の提供が鍵を握ります。
1回あたりの取引金額が大きく、契約期間も長期にわたる傾向にあるため、営業部門と連携することで高い客単価と安定した収益の確保が可能です。

国内EC市場の規模と成長率

国内EC市場の規模と成長率

国内EC市場は継続的な拡大を見せており、BtoCとBtoBの両分野で堅調な成長を続けています。
ここでは2024年時点の国内EC市場全体の動向を紹介します。

BtoC分野の売上推移

物販系分野を中心として、BtoCのEC市場規模は年々拡大の傾向です。

市場規模(億円) 伸長率(前年比)
2020年 192,779 -0.4%
2021年 206,950 +7.4%
2022年 227,449 +9.9%
2023年 248,435 +9.2%
2024年 261,225 +5.1%

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査 報告書

コロナ禍を経て消費者のオンラインでの購買行動が加速したことと、サイトの利便性向上が成長の要因といえます。

BtoB分野の売上推移

BtoB-EC市場はBtoC市場を大きく上回る規模で成長を続けています。

市場規模(億円) EC化率
2020年 3,349,106 33.5%
2021年 3,727,073 35.6%
2022年 4,202,354 37.5%
2023年 4,652,372 40.0%
2024年 5,144,069 43.1%

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査 報告書

業務の効率化やコスト削減の観点から、企業間取引のオンライン化(EC化)が進んでいることが象徴的です。

ECモールの売上ランキング

国内のECモールは、依然として高い流通総額を誇っており、特に大手3モールが市場の大半を占めている状況です。

ECモールにおける2024年度の国内EC流通総額上位3社は以下の通りです。

  • 1位:楽天市場 5兆9,550億円
  • 2位:Amazon Japan 4兆1375億5100円
  • 3位:Yahoo!ショッピング 1兆6,658億円

出典:
楽天市場「楽天グループ株式会社2024年度通期および第4四半期 決算ハイライトに関するお知らせ
Amazon 「2024 Anual Report
Yahoo!Japan「統合ポータル コマース事業

楽天市場が独自のポイント制度と多様なサービス連携により圧倒的な流通総額を誇るのに対し、Amazon Japanは豊富な商品ラインナップとプライム会員向けサービスで安定した地位を築いています。

楽天市場はポイント還元重視のユーザー層、Amazon Japanは利便性重視のユーザー層が多い傾向があるため、ターゲット顧客に応じたモール選択が必要です。

自社ECサイトの売上ランキング

自社ECサイトの売上上位は業界を代表する大手企業が占めています。

自社ECサイトの2024年度EC売上高上位3社は以下の通りです。

  • 1位:ヨドバシカメラ(ヨドバシ・ドット・コム) 約2,561億円(参考値)
  • 2位:ZOZO(ZOZOTOWN) 1,970億1,600万円(商品取扱高)
  • 3位:ヤマダホールディングス 約1,600億円(非公開のため参考値)

出典:
ECDB「Yodobashi Company & Revenue 2014-2026
株式会社ZOZO「2024年3月期 決算説明会資料
日本ネット新聞「ヤマダHD、全社のEC売上は1600億円超か 「デンキ」の通販売上は16.7%増

上位企業の多くに共通するのは、リアル店舗とEC事業の連携による相乗効果です。
ヨドバシカメラは店舗在庫とEC在庫の一元管理により、顧客利便性を向上させています。

大手がひしめく中、中小企業が自社ECで成功するには大手とは異なる独自性の確立が不可欠です。 
ニッチな商材への特化や、きめ細かな顧客対応による差別化戦略が効果的といえるでしょう。

EC業種別市場データにみる収益性の特徴

EC業種別市場データにみる収益性の特徴

取り扱う商材のジャンルによって、ECサイトの収益性は大きく異なります。

在庫を抱える物販系、原価率が低いサービス系、複製コストがほぼゼロのデジタル系では、利益の構造が異なる点に留意しましょう。
自社が属する業種の特性を理解し、適切な利益計画を立ててください。

物販系

物販系ECはアパレル、食品、家電、化粧品など、物理的な商品を販売する分野で、市場規模が大きく、安定した成長を続けていることが特徴です。
2024年における物販系分野のBtoC-EC市場規模は、前年の14兆6,760億円から3.70%増加し、15兆2,194億円となりました。

物販系ECにおける収益の特徴は、在庫リスクと粗利率のバランスにあります。
食品や日用品は回転率が高い一方で利益率は低く、アパレルや雑貨は利益率が高い分在庫リスクが大きい特徴があります。

成功のポイントは、商品カテゴリーに応じた在庫管理と物流コストの最適化にあるといって良いでしょう。
ABC分析による重点商品の特定や、季節変動を考慮した発注計画により、キャッシュフローの改善が期待できます。

出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査 報告書

サービス系

サービス系ECとは、予約やサブスクリプションサービスなどの無形商材を提供する分野です。
宿泊予約、チケット販売、美容・健康サービスなどが主要カテゴリーとなっています。

集客コストや人件費が主な費用となり物理的な在庫を持たないため、原価を低く抑えられ、高い利益率が期待できる収益モデルです。

サービス系の収益性は顧客獲得コストと顧客生涯価値のバランスで決まるため、 初回利用のハードルを下げる施策と、リピート利用を促進する仕組み作りが重要といえます。

収益向上のためには予約システムの利便性向上と、顧客データを活用したパーソナライゼーションが効果的です。
サブスクリプション型サービスの導入により、安定的な収益基盤の構築にもつなげられるでしょう。

デジタル系

デジタル系分野は電子書籍、ソフトウェア、動画配信、オンラインゲームなどのデジタル商材を販売する分野です。
EC市場規模は前年比1.02%増の2兆6,776億円となっており、成長率は他分野と比較して緩やかです。

デジタル系の特徴は限界費用の低さと高いスケーラビリティにあります。
 一度コンテンツを制作すれば追加の製造コストなしで販売できるため、規模の拡大とともに収益性の向上が期待できます。

成功のカギは継続的なコンテンツ更新と顧客エンゲージメントの維持です。
 月額課金モデルやフリーミアム戦略により、安定した収益基盤を構築しながら、新規顧客の獲得と既存顧客の継続利用を両立させることが重要といえます。

EC収益が出ないときの集客力アップ施策3選

EC収益が出ないときの集客力アップ施策3選

EC収益を向上させるための第一歩は、足元の集客を十分に確保することです。
以下では、質の高いトラフィックを継続的に獲得し、潜在顧客を効率的にサイトに誘導する施策を3つ解説します。

SEO・広告運用の最適化

SEO(検索エンジン最適化)は、Googleなどの検索結果で自社サイトを上位に表示させるための施策です。
効果が出るまでに時間はかかりますが、低コストで継続的な集客が見込める点が魅力です。

SEO最適化で留意すべきポイントは以下の通りです。

  • 商品ページのタイトルやメタディスクリプション、商品説明文にターゲットキーワードを自然に盛り込む
  • 検索ユーザーの意図に合致したコンテンツを提供する

一方、リスティング広告などのWeb広告は、費用はかかりますが即効性があり、特定のターゲット層に的確にアプローチできるメリットがあります。

Google広告やYahoo!広告でのリスティング広告、ショッピング広告を適切に設定し、コンバージョンに繋がりやすいキーワードに予算を集中させましょう。
ROASやCPAを定期的にモニタリングし、効果の低い広告は停止、効果の高い広告は予算を拡大するなど、柔軟な運用が収益拡大のポイントです。

SNSの活用

Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSは、特に若年層や特定のターゲット層へ効果的にアプローチできる集客手法です。
新商品の告知やキャンペーン情報の発信だけでなく、ユーザーとのコミュニケーションを通じてファンを育成し、ブランドへのロイヤリティを高めることも可能です。

各SNSの特性を理解し、自社商品・サービスに最適なプラットフォームを選択することが成功の要因となります。

Instagram

視覚的な商品訴求に優れ、アパレルや化粧品、食品などのBtoC商材に適しています。
商品の使用シーンや利用者の声を投稿したり、ハッシュタグ付き投稿で潜在顧客へのリーチを拡大させることも可能です。

X(旧Twitter)、Facebook

コミュニティ形成と情報拡散に長けたSNSです。
商品・サービスに関する有益な情報を発信し、フォロワーとの双方向コミュニケーションを通じて信頼関係を構築することで、自然な購買行動につなげられます。

ただしいずれも定期的な投稿と、ユーザーからのコメントやメッセージに対する迅速なリアクションが不可欠です。

SNSマーケティング運用を効率化したい方は、以下の記事をご覧ください。

オウンドメディアによる継続的集客

オウンドメディアとは、自社で運営するブログやWebマガジンのことです。

オウンドメディアは継続的な集客が可能で、制作したコンテンツは長期的な資産にもなります。
自社でコントロールできる情報発信チャネルを持つことで、広告費に依存しない安定した集客基盤の構築が可能です。

商品・サービスに関連する有益なコンテンツを継続的に発信することで、SEOでの上位表示を狙えます。
ハウツー記事、商品の活用事例、業界動向の解説など、読者にとって価値のあるコンテンツを制作し、自然検索での流入増加を図りましょう。

また、メールマガジンで既存顧客との関係を維持し、新商品情報やセール告知、お役立ち情報を定期的に配信することで、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得が期待できます。

コンテンツカレンダーを作成し、計画的なコンテンツ配信を実施しましょう。

コンテンツマーケティングの費用感については、以下の記事をご覧ください。

EC収益につなげる購入率(CVR)向上施策5選

EC収益につなげる購入率(CVR)向上施策5選

多くのユーザーをサイトに集客できても、購入に結びつかなければ意味がありません。

本章では、サイトを訪れたユーザーを確実に購入へと導くための、CVR(購入率)を向上させる5つの施策を紹介します。

LP最適化

LP(ランディングページ)最適化は、広告からの流入を効率的に購入へ転換するための重要な施策です。
広告をクリックしたユーザーが最初に訪れるLPを改善することで、訪問者の離脱を防ぎ購買行動につなげられます。

商品の魅力や特徴が3秒以内に理解できるキャッチコピーや画像で、スクロールしなくても商品価値が伝わる構成にしましょう。
購入ボタンは目立つ色と位置に配置し、迷わずアクションできる導線設計が必要です。

また、スマートフォンでのアクセスが多くを占める現状では、モバイルファーストでのページ設計も不可欠です。
タップしやすいボタンサイズの確保や、読みやすいフォントサイズの設定を意識し、モバイルユーザーの購入体験を向上させましょう。

UI/UX改善と導線設計

UI/UX改善と導線設計はサイト全体の使いやすさを向上させ、購入完了率を高める施策です。
UI(ユーザーインターフェース)はサイトの見た目やデザインを指し、UX(ユーザーエクスペリエンス)はユーザーがサイトを通じて得る体験を指します。

UI/UX改善及び導線設計により、直感的な操作性と分かりやすいナビゲーションを提供することで、顧客満足度と収益の両立を目指せます。

  • サイト内検索機能を強化し、顧客が求める商品を素早く見つけられる環境を整備する
  • 検索結果の表示方法を工夫し、商品画像と価格、レビュー評価を一目で確認できる構成にする

離脱率を下げるために、購入フローを簡素化する工夫も必要です。

顧客導線設計の極意は以下の記事で解説しています。

商品ページの最適化

商品ページの最適化は、ユーザーが購入を最終決定する段階での転換率を高める施策です。

商品の魅力が伝わる高品質な写真や動画、詳細なスペック、利用シーンを想起させる説明文など、商品の魅力を最大限に伝える情報設計により、購買を後押しできます。

サイズ感や質感など、オンラインでは分かりにくい情報を丁寧に伝え、実店舗での商品確認に近い体験を提供することが信頼につながります。

また商品の特徴だけでなくベネフィットを伝え、購入後の生活をイメージさせることで、顧客の購入動機を強化できます。
FAQ形式での疑問解消や、サイズ・素材・使用方法などの詳細情報の整理により、購入への不安を解消しましょう。

決済の利便性向上

決済の利便性向上は購入完了率に直結します。
購入手続きの途中で離脱する「カゴ落ち」は、決済方法の不便さが原因となる場合が多いです。

クレジットカード決済はもちろん、コンビニ決済、キャリア決済、ID決済(Amazon Payなど)といった多様な決済手段を用意することで、ユーザーの離脱を防ぎ、購入の機会損失を減らせます。
特に若年層向けの商材では、スマホ決済やQRコード決済への対応が不可欠です。

さらにセキュリティ対策の明示や、決済エラー時のわかりやすい案内提示で、安心して決済できる環境をアピールすると効果的です。

レビュー・口コミの活用

他の購入者からのレビューや口コミは、ユーザーが購買を判断する重要な基準です。
良いレビューは購入の後押しとなり、CVR向上に大きく貢献します。

購入後のフォローアップメールなどでレビュー投稿を依頼し、ポイントやクーポンを付与するなどのキャンペーンを実施することで、良いレビューを収集する体制を構築しましょう。

投稿されたレビューを、商品ページの最初に目につく位置に表示するといった工夫も必要です。

ユーザーレビューの活用方法については、以下の記事をご覧ください。

EC収益を高める客単価アップ施策3選

EC収益を高める客単価アップ施策3選

売上を伸ばすためには、顧客数を増やすだけでなく、顧客一人あたりの購入金額(客単価)を高めることも重要です。

以下では、客単価を効率的に向上させるための3つの代表的な施策を紹介します。

クロスセル・アップセル施策

クロスセルは、ある商品を購入しようとしている顧客に対し、関連商品を合わせて提案する手法です(例:カメラ購入時にレンズを提案)。

アップセルは、検討中の商品よりも高価格帯の上位モデルを提案する手法です(例:標準モデルの検討中に高機能モデルを提案)。

クロスセル・アップセルの提案によって、顧客の満足度を高めつつ、自然な形で客単価の向上が期待できます。

サブスクリプション導入

サブスクリプションモデルは、継続的な収益を生み出し、LTV(顧客生涯価値)を最大化する施策です。
顧客は定期的に商品やサービスを利用できるため、一度の購入単価ではなく、長期的な視点で収益を確保できます。

例えば、定期的に消費する食品や日用品、コスメなどをサブスクリプションで提供することで、顧客の買い忘れを防ぎ、ECサイト側は安定した売上を見込めます。

顧客にとっても手間が省けるため、利便性の向上にもつながるでしょう。

ロイヤリティプログラム

ロイヤリティプログラムとは、購入金額に応じてポイントを付与したり、利用頻度の高い顧客を優良会員として特典を提供したりする仕組みです。
顧客の購買意欲を高め、継続的な購入を促します。

購入金額に応じてポイントを付与し、貯まったポイントを次回の買い物で利用できる制度などがその一例です。

また、会員ランクを設け上位ランクの顧客には限定セールや先行販売などの特典を提供することで、顧客が優越感を得やすくなり、客単価とLTVの向上に貢献するでしょう。

顧客ロイヤリティ向上施策は、以下の記事をご覧ください。

EC収益を改善するコスト最適化施策3選

EC収益を改善するコスト最適化施策3選

ECサイトの収益性を高めるには、売上を増やすだけでなく、コストを適切に管理し最適化することも必要です。
ここでは、EC収益を改善するためのコスト最適化施策を3つ解説します。

広告費・物流費の見直し

広告費と物流費は、ECサイト運営において大きな割合を占めるコストのため、費用を見直すことで収益改善に直結します。

広告費については、費用対効果(ROAS)の低い広告媒体やキーワードを特定し、予算配分の見直しを実施しましょう。
また、競合の広告戦略を分析し、より効率的な広告運用を行うことも一つの手です

物流費については、配送会社との料金交渉、梱包資材の見直し、在庫管理の最適化など、多角的な視点でコスト削減策を検討することが大切です。
無駄な支出を抑えることで、利益率の向上に貢献します。

システム利用料・手数料の最適化

ECサイトの運営には、カートシステムの利用料や決済代行サービスへの手数料など、さまざまな固定費が発生します。
これらの費用を最適化することも、収益改善に直結する重要な要素です。

例えば、現在のECプラットフォームの機能と費用が自社の事業規模や成長戦略に合っているか定期的に見直し、必要に応じてコストパフォーマンスの良いプラットフォームへの移行を検討しましょう。

また、決済手数料についても、複数の決済代行会社を比較検討し、もっとも条件の良いサービスを選ぶことで、全体のコストを削減できるでしょう。

在庫・仕入れの効率化

物販ECにおいて、在庫コストと仕入れコストの効率化は、ECサイトのキャッシュフローを改善し、収益性を高めるポイントの一つです。

過剰な在庫は保管コストや陳腐化リスクを増大させ、キャッシュフローを悪化させる要因です。
適切な在庫管理システムを導入し、需要予測の精度を高めることで、必要な商品を必要な量だけ仕入れる体制を構築しましょう。

また、複数の仕入れ先を比較検討し、より安価で品質の良い商品を安定的に供給してくれるパートナーを見つけることも重要です。

無駄な在庫を削減し、仕入れコストを抑制することで、全体の収益改善につながります。

成功事例に学ぶEC収益改善のポイント

成功事例に学ぶEC収益改善のポイント

理論だけでなく、実際の成功事例から学ぶことは、自社の収益改善のヒントを得る上で非常に有効です。

ここでは、自社ECやモール型EC、さらにはBtoBの領域で成果を上げた企業の事例を参考に、収益改善につながる具体的なポイントを探ります。

自社ECで成果を出した事例

自社ECサイトは、ブランドの世界観を表現しやすく、顧客との直接的な関係を構築できる点が強みです。
以下の事例から、自社ECの収益改善のヒントを探りましょう。

UI改善によるCVR向上

あるアパレルブランドでは、スマートフォンの購入フローが複雑でカゴ落ち率が高いことが課題でした。

そこで、購入ボタンのサイズや配置、入力フォームの項目数など、UI/UXを徹底的に見直したのです。
さらに、スマートフォンでの操作性を向上させるため、レスポンシブデザインを導入しました。

この結果、サイト全体のCVR(コンバージョン率)が20%向上し、売上も大きく伸びました。
顧客が商品を探しやすく、購入に至るまでのストレスを軽減することが、直接的に収益向上につながることを示す事例です。

リピーター育成で売上安定

健康食品を扱うECサイトでは、新規顧客の獲得コスト増大の課題を抱えたため、リピーターの育成に注力しました。

初回購入者には限定クーポンを配布し、購入後もメールマガジンで商品の活用法や健康情報を定期的に配信しました。
また、購入回数に応じた会員ランク制度を導入し、ランクが上がるごとに特別な割引やプレゼントを提供したのです。

その結果、リピート率が20%向上し、広告費を抑えながらも安定的な売上を確保できるようになりました。
新規顧客獲得コストが高いECにおいて、既存顧客のLTV(顧客生涯価値)を高めることが収益安定の鍵となるでしょう。

モール型ECで成果を出した事例

モール型ECは、集客力が高く、初期投資を抑えて始められるメリットがあります。
以下の事例から、モール型ECでの収益改善策を見ていきましょう。

レビュー強化

ある食品系モール出店企業では、商品のレビュー数が少ないことが原因で顧客が購入を躊躇する傾向にありました。

そこで、商品購入後にレビュー投稿を促すメールを自動で送信するシステムを導入し、レビューを投稿してくれた顧客には次回の購入で使えるクーポンを配布したのです。
また、ポジティブなレビューには積極的に返信し、顧客とのコミュニケーションを深めました。

結果として、質の高いレビューが増えたことで商品の信頼性が高まり、転換率が大幅に改善したことで売上も伸びました。

レビューはモール内での検索順位や顧客の購買意欲に大きく影響するため、顧客との積極的なコミュニケーションでレビューを促すことがポイントです。

販売チャネル拡大で収益増加

ある中小家電製品販売企業では、新規顧客獲得が伸び悩んでいました。

そこでこれまで出店していた大手ECモールに加え、特定のニッチ市場に特化したモールにも出店したのです。
また、SNSと連携したライブコマースにも積極的に取り組み、新たな顧客層へのアプローチを試みました。

結果として、これまでリーチできていなかった層への販売が可能となり、全体の売上が25%増加しました。

複数の販売チャネルを効果的に活用することで、機会損失を防ぎ、より多くの顧客を獲得できることを示した事例です。

BtoB ECの収益改善事例

BtoB ECは、BtoCとは異なる顧客特性を持つため、独自の収益改善策が必要です。
以下の事例を参考に、BtoB ECの課題解決に役立てましょう。

受発注システム導入

工業用部品を扱う企業では、FAX・電話による注文や既契約の問い合わせが多く、業務が煩雑化していました。

そこで、商品の見積もり依頼から発注までをオンライン上で完結できる受発注システムを導入し、過去の注文履歴や請求書も顧客マイページから確認できる機能を実装したのです。

結果として、顧客は24時間いつでも発注でき、利便性が向上しました。
受注側も受発注業務の工数を大幅に削減できただけでなく、人的コストの削減と営業効率の向上を実現し、収益の改善につながったのです。

データ活用による営業効率化

産業機械部品を扱うBtoB EC企業は、これまで営業担当の経験と勘に頼った属人的な営業活動を行っており、見込み精度が高いとは言えない状態でした。

そこで、顧客の購買データやサイト内の行動履歴を詳細に分析し、顧客ごとに頻繁に購入する商品や関心のある分野を特定する施策を開始しました。
そして顧客ごとにパーソナライズされた商品提案やキャンペーン情報を配信したのです。

データに基づいた顧客へのアプローチにより、既存顧客からの受注単価が向上し、新規顧客の獲得効率も改善しました。
顧客データの収集・活用が、BtoB ECにおける顧客の顕在・潜在ニーズを浮き彫りにし、営業活動を効率化する強力な武器となることを証明した事例です。

まとめ:ECの収益構造を理解し持続的成長を目指そう

ECの収益構造を理解し持続的成長を目指そう

EC事業の収益を最大化するためには、収益の全体像を正しく理解したうえで自社の課題を明確にし、課題解決に直結する施策を選択・実施することが不可欠です。

まずは売上向上とコスト削減の軸から自社の現状を分析し、どこに課題があるのかを明確にしましょう。
そして改善施策を実施した後は効果測定も必要です。

EC事業の成功は、地道な分析と改善のサイクルを継続的に回し続けることによってのみ達成できます。
ECで収益を生む構造を理解し、事業の持続的な成長につなげましょう。

なお、以下のような強みを持つ当社では、豊富な実績とデータに基づいた戦略的なアプローチでクライアント様のビジネスをサポートしております。

  • EC売上拡大に向けたサイト改善/制作、広告/SNS運用、CRM施策
  • 実績に基づく体系的なアプローチ
  • 柔軟な利益拡大に連動した費用設定
  • クライアント様の利益を最優先する成果重視の姿勢

まずは無料相談で、貴社の課題とニーズをお聞かせください。

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