資金調達成功の秘訣!クラウドファンディングとは?MakuakeやCAMPFIREなどの主な媒体、やり方、成功方法を解説
はじめに
近年、クラウドファンディングという資金調達・テストマーケティングを通したビジネスの立ち上げ方が広がっています。特に、MakuakeやCAMPFIREはインターネットビジネスをしている方なら一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。これらの集客手法は、従来と大きく異なることから、なかなか始めるきっかけを掴めていない事業者様も多いかと思います。この記事では、クラウドファンディングの概要と成功方法、メリットなどをお伝えすることで、これから新しく物販を始めようという方のプロモーション選択肢を増やしていただくために執筆しました。是非、参考にしてみてください。テストマーケティングについて詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングは、インターネットを通じてプロジェクトの資金調達を行う仕組みです。この新しい形態の資金調達は、起業家やクリエイターにとって革新的な手段となりました。クラウドファンディングプラットフォームでは、多くの人々が小額の投資や寄付を通じてプロジェクトに参加することができます。プロジェクトが成功すれば、投資家や支援者はリターンや報酬を受け取ることができます。
クラウドファンディングのメリットとデメリット
集客力が高い(メリット①)
それぞれのクラウドファンディング媒体は、高いユーザー定着率を誇っており、掲載してもらえるだけで一定の集客を期待できます。また、ユーザー属性として、社会的に良いものや環境に良いものが好まれるという分かりやすさもあるため、ブランド構築が容易であるメリットもあります。
さらに、媒体側でWEB広告を大規模に展開しているため、自社製品を好むユーザーをマーケティング努力をすることなく集める事も可能です。
サイトデザインが容易(メリット②)
すでに多くのプロジェクトを成功させたテンプレートに沿ってページを入稿するので、1からデザインをすることなく、自社プロジェクトの製品を上手く販売することができます。また、媒体の担当者が商材ごとにユーザーが好む表現などをアドバイスしてくれるので、自社製品の上手い見せ方を学ぶ事もできます。
手数料が高い(デメリット①)
媒体によりますが、概ね売上高の20%ほどの手数料を徴収されます。通常のECサイトではクレジットカード手数料が3%前後である事を考えるとかなり高い価格であると言えます。15%以上の手数料が集客やデザインのコスト以上の価値があるのか、配信前によくよく検討してみましょう。
顧客データが蓄積しにくい(デメリット②)
近年のWEBビジネスでは、自社サイトで購入したお客様のデータは大きな試算になりますが、クラウドファンディングを行う場合、顧客データは媒体運営側に蓄積されるため、自社の資産を増やすことが困難です。一部のクラウドファンディング媒体では、HTMLを自由に記述できるため、GoogleやFacebookのコンバージョンタグを設置することはできますが、それでも完全な自社サイトと比べると収集データに限りがありますし、ユーザー体験の向上も限界があります。
クラウドファンディングの種類と手数料を解説
種類 | 説明 | プラットフォーム手数料 |
購入型 | 購入型のクラウドファンディングは、あるプロジェクトに対して、支援者(ファン)がお金を出資する仕組みのクラウドファンディングで、出資を行った支援者(ファン)はその見返りとして商品やグッズ、サービスなどを受けることができるものです。 | 一般的にはプロジェクト達成額の一部(例えば5〜10%)がプラットフォームへの手数料として徴収されます。手数料の割合はプラットフォームによって異なる場合があります。 |
融資型 | 融資型クラウドファンディングとは、資産運用をしたいと考える個人(投資家)から小口の資金を集めて、借り手企業に融資する仕組みのクラウドファンディングです。融資型のクラウドファンディングは、その名の通り”融資”ですので、支援を行った個人(投資家)は金銭的なリターンを得ることができます。 | 融資型のクラウドファンディングプラットフォームでは、融資額に対する手数料が設定されていることがあります。手数料の割合や金額はプラットフォームによって異なりますので、具体的な条件を確認してください。 |
寄付型 | 購入型のクラウドファンディングは、あるプロジェクトに対して、支援者(ファン)がお金を出資する仕組みのクラウドファンディングで、リターンは全く前提としていませんので、支援者に特に還元されるものはありません。場合によっては、手紙や写真などが送られるケースもあります。 | 寄付型のクラウドファンディングプラットフォームでは、寄付金額に対する手数料が徴収される場合があります。手数料の割合や金額はプラットフォームによって異なります。 |
投資型 | 投資型のクラウドファンディングとは、企業が資金調達の方法として、未公開株を提供する代わりに、資金を募るクラウドファンディングです。こちらは、株式を支援のリターンとして得ることができるので、株の売買などを通じて収益を得ることもできます。 | 投資型のクラウドファンディングプラットフォームでは、投資金額に対する手数料が設定されていることがあります。手数料の割合や金額はプラットフォームによって異なりますので、具体的な条件を確認してください。 |
購入型
購入型のクラウドファンディングは、あるプロジェクトに対して、支援者(ファン)がお金を出資する仕組みのクラウドファンディングで、出資を行った支援者(ファン)はその見返りとして商品やグッズ、サービスなどを受けることができるものです。
寄付型
購入型のクラウドファンディングは、あるプロジェクトに対して、支援者(ファン)がお金を出資する仕組みのクラウドファンディングで、リターンは全く前提としていませんので、支援者に特に還元されるものはありません。場合によっては、手紙や写真などが送られるケースもあります。
投資型
投資型のクラウドファンディングとは、企業が資金調達の方法として、未公開株を提供する代わりに、資金を募るクラウドファンディングです。こちらは、株式を支援のリターンとして得ることができるので、株の売買などを通じて収益を得ることもできます。
融資型・ソーシャルレンディング
融資型クラウドファンディングとは、資産運用をしたいと考える個人(投資家)から小口の資金を集めて、借り手企業に融資する仕組みのクラウドファンディングです。融資型のクラウドファンディングは、その名の通り”融資”ですので、支援を行った個人(投資家)は金銭的なリターンを得ることができます。
これらのクラウドファンディングの類型の中で、EC事業者に関係が深いのは、購入型のクラウドファンディングです。ですので、媒体の紹介は、購入型のクラウドファンディングに絞って行いたいと思います。
クラウドファンディングの主な媒体の紹介
Makuake
Makuakeは株式会社マクアケが運営するサービスで、元々はサイバーエージェントの社内プロジェクトとしてスタートしました。Makuakeは独自の市場分析ツールを持っており、マーケティングなどの知見を蓄積できたり、メディアへの掲載実績が豊富で、PRに成功して資金(売上)を多く獲得できる可能性があります。
手数料は売上のうちの15%と、決済手数料の5%の計20%がかかってきます。
CAMPFIRE
CAMPFIREは2011年からサービスを開始していて、クラウドファンディング事業を行っている事業者の中だとかなり歴史のある部類の会社です。そのおかげもあってか、購入型国内クラウドファンディング年間支援プロジェクト成立件数No.1(CAMPFIRE調べ)で、累計流入額は360億円を超えています。
手数料については、売上の12%と、決済手数料の5%の計17%がかかってきます。
machi-ya
こちらは、上で紹介したCAMPFIREが提供するクラウドファンディングサービスの一つです。このサービスがユニークな点としては、ガジェットや小物に特化したクラウドファンディングであるという点で、プロジェクトの掲載が認められるとGIZMOODなどのメディアにも支援してもらいやすいといったメリットがあります。そのため、プロジェクトの掲載自体にも審査があり、それを通過しなければ掲載ができません。
手数料はCAMPFIREよりもやや高く設定されており、通常手数料が20%、決済手数料が5%の計25%が売上から控除されます。
kibidango
kibidangoはデザインやライターなどのバックグランドを持つスタッフからのサポートを受けながら企画・展開をできるクラウドファンディングサービスです。その甲斐もあってかkibidangoを利用したプロジェクトの成功率は80%と非常に高い水準にあり、手数料も10%と非常に低いです。
クラウドファンディングサイト選びで重要な5つのポイント
クラウドファンディングサイトを選ぶ際に重要な5つのポイントは以下の通りです。
プラットフォームの特性とカテゴリー
クラウドファンディングサイトは、異なるカテゴリーやプロジェクトに特化していることがあります。自分のプロジェクトがどのカテゴリーに該当し、そのカテゴリーでどの程度の成功実績があるかを確認しましょう。
手数料と料金構造
サイトごとに手数料や料金構造が異なります。プラットフォームが成功報酬型、募集金額に対する手数料型、月額固定型などの料金体系を採用しているか確認し、自分のプロジェクトの予算に合ったものを選びましょう。
プロジェクトの審査基準と品質管理
クラウドファンディングサイトは、一部のプラットフォームを除いてプロジェクトの審査や品質管理を行っています。プラットフォームがプロジェクトを審査している場合、その基準が明確であり、品質の高いプロジェクトが集まっているか確認しましょう。
プロジェクトの成功実績とバックの状況
過去のプロジェクトの成功率や平均的なバックの金額を調査することで、そのプラットフォームの信頼性やバックヤー(支援者)の活発さを判断できます。
提供されるツールやサポート
プラットフォームがプロジェクトクリエイターにどのようなツールやサポートを提供しているかを確認しましょう。プロジェクトの宣伝ツールやバックヤーとのコミュニケーション支援など、プロジェクトを成功させるためのリソースが提供されているかが重要です。
これらのポイントを考慮して、自分のプロジェクトに最適なクラウドファンディングプラットフォームを選ぶことが大切です。
クラウドファンディングの成功事例
LED電球の「Siphon」
愛知県の車用品メーカーの株式会社ビートソニックの若手社員の人たちが立ち上げた、Makuakeを利用したプロジェクトです。この製品は、LED電球の普及が進む中でも、ノスタルジックな白熱球のような明かりを楽しみたいという人に向けて作られた製品です。目標金額は150万円でしたが、結果的には1,400万円もの資金調達に成功し、初回販売分はすぐに売り切れてしまったそうです。さらに、この成功によって製品化が実施され、さらにメディアへの露出にも成功したため製品化後も売れ行きは好調だったようです。
ソニーの「FES Watch」
クラウドファンディングはスタートアップや中小企業というイメージがありますが、大企業の事例もあります。このソニーが行った、FES Watchというベルトや文字盤をワンタッチで変えることのできる時計の例が代表的です。(媒体はMakuakeを利用)このプロジェクトは2度行われていて、1度目が280万円、2度目が1,600万円もの資金獲得に成功しています。なぜ二度も行われているかというと、製品として発表する前に、低いコストで生産してみて顧客の反応を見る、実験的な試みとして行われたからです。この結果が好調だったことから、現在では一般販売されています。
自立するiPhone Lightningケーブル「BOBINE」
この事例は、CAMPFIREを利用した事例です。日本ポステック株式会社が行った、自立するiPhone Lightningケーブル「BOBINE」のプロジェクトも目標金額50万円に対して、達成金額が100万円を超える成功を納めています。このプロジェクトでは公開して期間の終わりごろに停滞をしてしまい、達成が危ぶまれたところもあったようですが、メディアへの掲載によって、最後にブーストがかかり一気に目標金額を達成することに成功したようです。この商品もクラウドファンディングの成功によって、大手家電量販店との新規取引にもつながったそうです。
完全食「COMP」
kibidangoを利用した事例もご紹介します。1杯飲むだけで1食分の栄養の全てを摂取できる次世代食品の「COMP」は、kibidangoを利用して、目標金額の200万円を大きく超える380万円の支援金を調達することに成功しました。COMPでの成功を通じて、クラウドファンディングでは”お祭り感”を演出してPR効果を期待できることや、「予約購入システム」として活用できるという点を魅力として発見したそうです。また、やってみてわかった課題としては、分析準備が未整備で、支援者がどのような流入元からきているかを把握しきることができなかったことを挙げていました。これからクラウドファンディングを行おうかと検討している場合には、こういったクラウドファンディングの強み・弱みも活かしたりカバーできるように設計を行っていただければと思います。
クラウドファンディングの始め方・やり方
商品を準備する
まずは、クラウドファンディングで販売する商品を準備しましょう。この時注意するのは、①許認可、②製造量、③損益 の3点です。
まず、許認可は食品や家電など商材によって異なりますが、自社がその製品を販売する資格を持っているか十分に確認する必要があります。これは普通のECビジネスと同じです。次に、製造量は特殊で、一気に何人が申し込んでくるかの見積もりが必要です。最大手のMakuakeでは成功すると1,000申し込みはあるので、その程度の在庫確保は必要と考えた方が良いでしょう。最後に、損益は重要で、媒体手数料を加えると赤字になってしまうケースがあります。また、広告費を使わないと集客が難しいため、正しい広告戦略を事前に組んで、利益の出るモデルを組むようにした方が良いです。
出稿媒体を決める
すでに説明した通り、クラウドファンディングには媒体ごとの特性があります。自社の製品がどの媒体に向いているのかは十分に検討した方が良いです。特性上、「どれか一つにしか掲載できない」という課題があるため、この選択の間違いが非常に大きな成功の分岐点になってしまいます。どの媒体が良いか自社で選びきれないという方は、経験者やコンサルティング企業に相談するなどしてみることをおすすめします。
初動の販売を知り合いで確保する
クラウドファンディングでは、目標金額の達成率や達成までの時間が非常に重要な要素になっています。仮に、1日目で目標金額20万円の4倍で80万円を売り上げた場合、「とても勢いのあるプロジェクト」という扱いになり、媒体から特別なプロモーションを提案してもらうこともできます。この初動に重要なのが、知り合いベースでの購入です。発起人を中心に、自社の製品を買ってくれそうな知り合いに直接営業することで、初日から大きな売上を作って話題のプロジェクトを演出しましょう。
広告を活用する
上記までのステップを終わらせた場合、あとはより多くのお客様をプロジェクトページに誘導することが重要になります。この時、① 媒体の広告枠に載る、②媒体に広告運用代行を頼む、③ 自社で広告を運用する、の選択肢があります。
第一に、媒体の広告枠は様々で、メルマガ掲載やSNSでの紹介、ダイナミック広告で掲載してもらうといった形があります。これは媒体ごとに異なる部分なので、担当者とお話しいただいた方が良いかと思われます。
第二に、広告運用代行は担当者に広告を依頼するサービスです。通常の広告運用代理と同じことが多く、広告費の15%ほどを手数料として徴収されます。決済手数料の20%と合わせると非常に高い金額を支払うことになりますが、媒体側が持つユーザーリストを活用できる点が魅力です。
第三に、自社で広告を運用することもできます。この時、どの広告を使うにしても「コンバージョンタグ」を設定できない場合、クリック数の最大化を目標にして運用を行います。この時、機械学習によるターゲティング最適化は使えないので、媒体側に運用をお願いするより効率が下がる可能性もあります。
様々な集客手段があるので一概にはいえませんが、全てを試してみて、自社ブランドに合致した手段を探してみることが重要です。困った際には、経験者に相談するのが一番かもしれません。