SEOとは何か。Google検索を例に、毎月有望なお客様が訪問するECの構築方法を解説します。

はじめに

SEO(検索エンジン最適化)とは、Googleをはじめとした検索エンジンで上位に表示されユーザーを呼び込む集客口として機能させるための一連の活動を指します。これは2000年頃から活発になったので、WEB系ビジネスをやっている方なら一度は耳にしたことがある単語かもしれません。今回はそんなSEOについてメリットや、実践方法などを解説するので、webでの集客手法を検討する上での参考にしていただければと思います。

SEOをするメリット

無料での集客が可能になる

SEOをしっかりと行うと、無料で集客することができるようになります。Googleでは、リスティング広告といって、指定した検索キーワードの検索結果に上位で表示してもらえるようにする有料広告手法がありますが(詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。)、SEOによってサイトが検索結果の上位に表示されるようになれば、リスティング広告よりも高い広告効果を、無料で得ることができます。実際に、検索でトップ表示されているサイトともなると、検索者の20%もの人がクリックするとも言われているので、年間1万検索が行われるキーワードの1位表示を獲得するだけでも年間2,000人の集客ができるなど、かなりのボリュームの集客が期待できます。

広告やSNSに比べて保守コストが安い

SEOは他の広告・PR手法と比して保守コストを抑えることができます。web広告やSNSでは、どんなに少なくとも、1日1回程度は専門的な知識をもった人間による運用業務を行う必要があります。例えば、web広告の例をあげると、入札単価の調整や、ターゲティング設定などの業務が発生します。そして、その作業のための人件費は広告費の10%くらいかかるのが相場ですので、仮に100万円の運用を行えば10万円のコストがかかることになります。一方でSEOは、一度良いサイトを作成することができれば、その後は状況確認と、定期的なマイナーチェンジを行うだけで良いので、保守コストがかなり安いです。

購買意欲の高いお客様を効率的に獲得できる

検索結果の上位表示されることによって流入してきたお客様は、あなたの事業と関連するキーワードを「自ら検索して」流入してきたお客様です。そのため、ニーズを持っているかもしれないお客様に向けた広告配信とは違い、何かしら明確な興味を持っているお客様を流入させることができます。そして、すでに興味を持っているということは、他の手法で流入したお客様よりも、購買意欲が高い場合がほとんどなので、SEOを行うことで転換率の高いお客様を集客できると言えます。

サイト自体が価値を持ち、収益化も目指せる

SEOの努力によって検索結果の上位表示されるようになることで、そのサイトの価値は飛躍的に向上していきます。当然、サイト訪問者が増えるので、ECであれば商品が売れるようになりますし、自社で取り扱っていない商品でも、他社商品の掲載によって広告収益をあげることも可能になります。また、サイト自体に価値がしっかりとある場合は、高額での事業売却も可能になります。

Googleで検索結果の上位表示を狙う方法

Googleの検索ページの決め方

SEOを行う前に、まずどのようにして検索結果が決められているのかを簡単に確認します。googleやYahooなどの検索エンジンには、「クローラー」と呼ばれる、オンライン上を巡回するロボットのようなシステムが搭載されています。このクローラーは、オンライン上にある、文章や画像、pdfなど、あらゆるデータを収集・分析します。そして、それらの分析結果をデータベースに保存して、過去に分析した他のサイトと比較をすることで、検索ページに表示される順位を決定していきます。つまり、クローラーによって、日頃見ている検索順位が自動的に決定されているのです。

クローラーにサイトを巡回してもらう

上記の説明で、クローラーに巡回されなければ何も始まらないということが理解できたかと思います。では、実際にどうやってクローラーを呼んだら良いのかについても確認していきましょう。

クローラーがすでに来たかを確認する。

すでにサイトを持っている場合は、クローラーの巡回が終わっている場合も珍しくありません。なので、そもそもまだクローラーの巡回を待っている状態なのかを確認しましょう。方法としては至って簡単で、調べたいサイトURLを検索窓に入れて検索するだけです。その後、検索結果が表示されれば、クローラーはすでに巡回済みだということになります。

インデックス登録をリクエストする

まだ巡回が行われていなかった場合や、新しくサイトを作る場合は、Googleサーチコンソールを使って、サイトの巡回申請を行いましょう。(Googleサーチコンソールについては、ECとの関連性が薄いため、解説を省きますが、ご存知ない方はGoogleで検索していただけると幸いです。)Googleサーチコンソールで、メニューの「URL検査」を押した後に、登録したいURLを検索窓に打ち込んで、「インデックス登録をリクエスト」というボタンを押すことで申請をすることができます。この申請を行うと、1~2週間くらいでクローラーがサイトの巡回にやってきてくれます。

サイトマップを送信する

Googleサーチコンソールを使用して、サイトマップを送信することで、Googleに巡回を依頼することが可能です。あらかじめサイトマップを作成し、サーチコンソール内のメニュー「インデックス」から「サイトマップ」を選択し、「新しいサイトマップを追加」することでサイトマップを送信することが可能です。この手法でサイトマップをGoogleに送信しておくと、新しいページを作成した時などに、Googleによって巡回されやすくなるといったメリットもあります。

継続的にクローラーを呼ぶ工夫

クローラーには継続的にサイトを訪問してもらって、その都度コンテンツの評価を検索結果に反映してもらうことが重要になってきます。そのためには、SNSなどを利用して、検索以外で人を流入させる仕組みを構築したり、新規でページを作成した場合には既存ページにリンク張りを行うなどの施策が有効です。

マークアップ評価による評価向上策

Googleは、ユーザーが求めている情報を適切に提供できているか、という観点でサイトを評価しています。その評価軸でサイト分析を行うアルゴリズムは非公開ですが、”たどり着きやすさ”と”見つけやすさ”が重要だと考えられています。そういった観点で評価されるために重要なポイントを2つ紹介します。

構造化データの整備

構造化データとは、サイト内に書かれている情報がどういったジャンルの情報なのか、タグという目印をつけることでクローラーにわかりやすくしたデータのことを指します。この構造化データを入れることによって、クローラーがコンテンツの文脈まで把握することができるので、評価が上がりやすくなります。また、構造化データの整備によって、リッチスニペットと呼ばれる、Google側が検索結果表示をよりわかりやすく、情報量多くしてくれる場合もあるので、さらにユーザーを集めることにもつながることもあります。

前半・重要タグのキーワード含有量調整

サイトの前半や、見出しになるような重要なタグ内に検索キーワードがどれだけ含まれているかもクローラーの評価に大きく関わってきます。なぜなら、サイトの前半や、見出しにキーワードがしっかりと含有されているということは、検索したユーザーが求めている情報にすぐにアクセスしやすいサイトだと評価できるからです。なのでサイト内コンテンツでは、ユーザーが求めているであろうものについて、きちんと前半に配置したり、タグ付けを行ってわかりやすくすることが重要になってきます。

ユーザー行動評価

前段でも紹介しましたが、Googleは、ユーザーが求めている情報を適切に提供できているか、という観点でサイトを評価しています。そのため、サイトに訪問したユーザーの行動からも、Googleはサイト評価を行っています。なので、ユーザーが快適にサイト閲覧を行っているとクローラーに判断してもらえるように、仕掛けを行っていくことが重要です。その仕掛けの例をいくつか紹介します。

読み込み時間の改善

読み込み時間を改善することで、ユーザーに快適な閲覧環境を提供しているとGoogleから評価してもらうことが可能です。具体的には、使用している画像の容量を調整したり、外部ファイルを圧縮することなどが手法として挙げられます。

次に読む記事のレコメンド

「次に読む記事」のレコメンドを行うことは、ユーザーがサイト内を閲覧して回る(以下「回遊」と表現)ことにつながるため非常に有効です。サイト内をユーザーが回遊しているということは、それだけユーザーにとって魅力的なコンテンツを提供していると評価されます。

タイトル-内容の一致の徹底

タイトルと内容をしっかりと一致させることも非常に重要です。タイトルと内容が一致していない場合には、ユーザーが回遊してくれる可能性が低くなるだけでなく、サイトを訪問してすぐに立ち去るユーザーの数が増えることを意味します。これはクローラーからすると、情報価値のないサイトだと認識されてしまうため、タイトルと内容は必ず一致させることを心がけましょう。

SEO戦略のタイプ

ここまでGoogleがどのようにしてサイト評価を行っているのかを書いてきましたが、では上記を踏まえてどういったサイトを構築するのが良いのか、4つの型をご紹介します。

インデックスサイト型

インデックスサイトとは、さまざまな商品・サービスについて個別にクチコミなどのページを設け、それらの検索をしやすくするためのカテゴリーページを豊富に揃えたサイトのことです。例としては、食べログや、価格ドットコムなどのサイトがあります。この戦略では、個別ページの品質と、カテゴリーページの数が競争を勝ち抜く上で重要で、そこをカバーできると検索数のそこまで多くないニッチなキーワードも流入元とした集客が可能になります。

記事メディア型

こちらは1ページごとに管理して、読み応えや、情報価値の高いページを揃えたサイトです。具体的には、MERYなどのメディアが挙げられます。この戦略では、各ページの品質、つまり、どれだけ読者を満足させられるかが競争を勝ち抜く上で重要です。この戦略を取った場合は、比較的多くの人が検索をする”ビッグワード”と呼ばれるキーワードで上位表示されることを目標とし、集客を狙います

CGM型

CGMとは、Consumer Generated Media(コンシューマー ジェネレイテッド メディア)の略で、メディアの閲覧者が自主的にコンテンツを生成することで成り立っているメディアのことです。Yahoo知恵袋をイメージしていただければ理解しやすいかと思います。この戦略では、ユーザーがページ(コンテンツ)を提供・制作してくれるため、非常に広範囲かつニッチな領域をカバーすることができるため、お客様の流入元を広く持つことができます。ですので、競争を勝ち抜くためには、生成されるページ数をいかに多くするかが重要になってきます。

ニュースメディア型

こちらも、1ページごとに管理して、最新の情報を発信するサイトです。代表的なサイトとしては日経新聞や、NewsPicksなどが挙げられます。ここまでの説明だけだと、記事メディアと同じではないかと思われるかもしれませんが、提供する情報が時事に関するものなので、情報の鮮度が競争を勝ち抜く上で重要だという点で異なります。つまり、ニュースメディア型のサイトは、多くの人が興味を持ちそうな情報について、誰よりも早く発信することで集客を図るサイトだといえます。なので、コンテンツの含有キーワードも、生まれたてのキーワードがメインになってきます。リリースしてからすぐに閲覧数を大幅に稼ぐことができるのもこのサイト形式の特徴です。

具体的なアクションプラン

まずはどんなキーワードを獲得するか決める

SEOを行うためには、まずどんなキーワードを獲得するのかを決めることが重要です。どのようなSEO戦略をとったとしても、最終的には検索による流入を狙うのですから、どういったキーワードが人の関心を集めているのか、どんなキーワードだったら、ユーザーに魅力的に感じてもらえるコンテンツを提供できるのかをしっかりと考える必要があります。

どのSEO戦略タイプをとるか決める

どんなキーワードを獲得していくのか、つまり攻めるべき方角が決まったら、どのようにせめていくのかという戦略を決める必要があります。具体的には、先に記載したような4つの戦略が考えられるでしょう。狙っていくキーワードと、展開する事業などと照らし合わせて最適なSEO戦略を選定するのは、難しい領域でもあるので、本気でSEO流入を考えているという場合には、プロに相談してみるのも検討テーブルに乗せてもよいと思います。

運用体制を決める

実際にどのようなサイトを作っていくのか方針が決まったら、それをどう運用していくのか体制構築を行う必要があります。例えば、記事メディアを選択した場合には、どんな記事を書くのかという企画と、実際の執筆、公開後の調整や加筆など、それぞれのステータスに応じて行う仕事が異なってきます。また、それぞれの仕事の中でも、どういった順番で、誰が書くのか、書いた内容を点検するのは誰なのか、それぞれのタイムスパンはどのくらいに設定するのかといったことも検討しておく必要があります。ご自身のサイトを、どのように展開・スケールしていくのかというスケジュール感も踏まえて、運用体制を決めましょう。この部分についても、ノウハウがモノを言うところがありますので、プロや、ご知り合いでサイトやメディアを運営している方からアドバイスをもらうことをおすすめします

キーワード調査を始める

運用体制が決まったら、どんなコンテンツを生成していくかを左右するキーワードについて調査を行いましょう。具体的には、最初に決めた獲得したいキーワードの領域について、実際にどのくらいの検索ボリュームがあるのか、今後はそのボリュームがどう変化していきそうか、関連するキーワードがどのくらいあるのか、獲得したいキーワード領域には競合がどのくらいいるのかなどを調べます。その際にはGoogleのキーワードプランナーが必要不可欠です。キーワードプランナーは無料でも使用できますが、正確な分析を行うためには、広告運用を実際に行うなどの有料アカウントの利用が必要です。このキーワード調査についても、本気でSEO流入を検討している方はプロに相談することをお勧めします

優先してページ作成するキーワードを決める

大方のキーワード分析が完了したら、どのキーワードを狙ってコンテンツを作成していくのかを決めます。ここでの決め方としては、単純に検索ボリュームの大きいキーワードを狙うのではなくて、ベンチマークとなるような他サイトや、各コンテンツの繋がりなどを考えて、サイト全体でユーザーが必要な情報を提供できているのかという俯瞰的な視点で考える必要があります

実際にページを作っていく

狙っていくキーワードが見えてきたところで、実際にページを制作していきます。書き方についてはさまざまな型がありますが、何よりも重要なのは読み手の心境の変化を意識しながら制作することです。また、良質なコンテンツだとクローラーに認識してもらうため、先に挙げたマークアップと、ユーザー行動を最適化できるようなコンテンツ制作を心がけましょう。

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