楽天市場に出店検討の方必見!楽天市場の出店費用と売上規模別最適プランのシミュレーションを公開

はじめに

楽天市場の出店には費用がかかります。この料金システムは複雑で、楽天のQ&Aを読んでもなかなか理解できないという方は多いのではないでしょうか。今回はそういった楽天の料金システムをまとめて、今から出店される方が実際には何円を支払う必要があるのかシミュレーションしようと思います。

なぜ楽天は出店者から手数料をとるのか

楽天経済圏

楽天では、楽天市場だけでなく、銀行や旅行サービス、はては野球チームまで保有しています。この経済圏の中では、様々なポイントがつくため、楽天にお世話になり続ければ大変なメリットがあるとされています。楽天はこういったお得な経済圏にユーザーを囲い込んで、様々な製品を売るマーケットプレイスを電子上に作る戦略をとっています。実際、これによって楽天のアクティブユーザー数は5,000万人もいると言われ、日本人の大半と言って良い人数を抱えている事が分かります。

楽天が得ている収益

楽天市場の流通総額は3兆円を超えており、その流通総額から約13%の手数料を楽天は得ていると発表しています。このため、楽天市場全体のお買い物総額が増えると楽天が儲かる仕組みになっているのです。楽天が利益を上げるには、当然消費者からお金をとるという選択肢もありますが、上述の通り、楽天経済圏を作るにはお客様に「安さ」を提供し続ける必要があります。安さこそが楽天の提供価値とするなら、消費者からはお金をとりにくいですよね。一方、出店者は多少のお金を払ってでも楽天に出店するメリットを持ちます。このため、楽天はメリットを享受している店舗側から手数料を徴収しているのだと考えられます。

人気店を盛り上げて全体の利益向上

楽天では大量の消費者と大量の流通額を誇りますが、これもひとつひとつの店舗の人気によって支えられていることは間違いありません。そのため、ヒーローとなりうる店舗に対しては楽天は様々な支援を行っています。一部の店舗ではなんと1日あたりの売上が3,000万円を超える事もあるようです。なぜそこまで一部の店舗に支援を行うのかというと、それが楽天の収益自体を増加させるからです。不人気な店舗を支援しても、それまで楽天で買い物をしていない消費者が買い物を始めることは少ないでしょう。一方で、超人気店をさらに話題にしてリアルな世界でも認知度を高めると、楽天そのものの新規ユーザーを増やすことにつながります。こうした、人気店による集客で楽天自体を成長させる狙いがあるのではないでしょうか。

不人気店は追い出される

逆に、楽天市場の売上増加に寄与しない弱小店舗は、楽天にとってそれほど重要ではないようです。売上が月商100万円に満たない企業では収益が合わず大半の場合が撤退を迫られます。楽天にとっては小規模な店舗は、あくまですでに存在する楽天経済圏の中で生きているものなので、全体の成長自体には寄与しないと考えていると思われます。実際、AmazonやYahooショッピングがどんどんと店舗数を伸ばしている一方で、楽天市場の店舗数は4.5万店舗からほぼ横ばいの時期が続いています。消費者の数がいまの5,000万人から大幅に増えないことを考えると、これ以上の店舗は楽天にとっては不要なのかもしれません

発生する手数料一覧

楽天では以下の項目の費用がそれぞれのプランに応じてかかってきます。そのため、各プランごとにそれぞれいくらかかるのかをまとめます。

  • 導入費用
  • 月額固定費
  • 取引手数料(サービス利用料)
  • システム利用料
  • ポイント
  • 広告費(アフィリエイト費用)
  • R-Messe利用料
  • 楽天ペイ利用料
  • 振込手数料
項目 楽天「ライトプラン」 楽天「がんばれ!プラン」 楽天「スタンダードプラン」 楽天「メガショッププラン」
導入費用 60,000円 60,000円 60,000円 100,000円
月額固定費 39,800円 19,500円 50,000円 50,000円
取引手数料(サービス利用料) パソコン:3.5%~5.0% パソコン:3.5%~6.5% パソコン:2.0%~4.0% パソコン:2.0%~4.0%
  モバイル:4.0%~5.0% モバイル:4.0%~7.0% モバイル:4.5%~4.5% モバイル:2.5%~4.5%
システム利用料 売上額の0.1% 売上額の0.1% 売上額の0.1% 売上額の0.1%
ポイント 1%~(楽天会員購入額にかかる) 1%~(楽天会員購入額にかかる) 1%~(楽天会員購入額にかかる) 1%~(楽天会員購入額にかかる)
広告費(アフィリエイト費用) 2.6~10.4% 2.6~10.4% 2.6~10.4% 2.6~10.4%
R-Messe利用料 3,000円 3,000円 5,000円 5,000円
楽天ペイ利用料 月額決済総額の2.5%~3.5% 月額決済総額の2.5%~3.5% 月額決済総額の2.5%~3.5% 月額決済総額の2.5%~3.5%
振込手数料 330円/件(楽天銀行利用なら無料) 330円/件(楽天銀行利用なら無料) 330円/件(楽天銀行利用なら無料) 330円/件(楽天銀行利用なら無料)

 

シミュレーション

項目 楽天「がんばれ!プラン」 楽天「スタンダードプラン」 楽天「メガショッププラン」
売上 100万円 300万円 1,000万円
売上割合      
梱包・物流費 30% 20% 20%
原価率 20% 20% 20%
人件費 30% 30% 30%
広告宣伝費 10% 10% 10%
楽天手数料 5% 5% 5%
売上割合合計 95% 85% 85%
利益率 5% 15% 15%
営業利益 5,000円 150,000円 1,500,000円
出店手数料 294,000円 360,000円 660,000円
利益(黒字/赤字) -56,000 +114,000 +1,074,000

この図では、各プランごとに売上割合と営業利益を示しています。また、出店手数料と月ごとの利益(黒字/赤字)も計算しています。

最後の行では、それぞれのプランで1ヶ月あたりいくらの黒字または赤字が発生するかを示しています。

楽天「がんばれ!プラン」では毎月56,000円の赤字が出ることがわかります。楽天「スタンダードプラン」では毎月114,000円の黒字が出ることがわかります。そして、楽天「メガショッププラン」では月に1,074,000円の黒字が出ることがわかります。

売上に対する各項目の費用割合を変更することで、利益を増やすことができる可能性もあります。また、黒字を維持するためには売上の安定化やコスト削減などの対策が必要となるでしょう。

楽天市場に出店するメリット

楽天市場は国内No.1の集客力

楽天市場は日本国内最大規模のECモールであり、月間のアクティブユーザー数は8000万人以上にも及びます。また、楽天の他サービスとの連携もあり、楽天市場での購入が他のサービスでもポイント還元されるため、ユーザーにとっても魅力的なECモールです。これらの理由から、楽天市場に出店することで、国内No.1の集客力を活かし、販売促進につなげることができます。

会員数が1億件以上

楽天市場は、会員数が1億件以上という大規模なユーザーベースを誇っています。そのため、楽天市場に出店することで、既存の会員をターゲットに販促施策を展開することができます。さらに、楽天市場での販売実績を積み重ねることで、新たなユーザーの獲得にもつながります。

EC市場のシェア率も高い

楽天市場は、日本国内のEC市場においても高いシェア率を誇っています。そのため、楽天市場に出店することで、日本国内のEC市場におけるシェアを拡大することができます。また、楽天市場は、日本国外のユーザーにもアクセスされることが多く、グローバル展開にもつながります。

更なる販路拡大が出来る

楽天市場は、日本国内だけでなく、海外展開も積極的に行っています。楽天グループの他サービスとの連携もあり、国内外問わず大規模なユーザーベースを持っています。楽天市場に出店することで、既存の販路に加えて新たな販路を確保することができます。また、楽天市場での販売実績を積み重ねることで、自社ECサイトや他のモールサイトでの販売促進にもつながります。

楽天出店後までの流れを知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

楽天市場に出店するための4つのポイント

楽天市場に出店するためには、計画を立てることが重要です。以下の4つのポイントを考慮して計画を立てましょう。

  • コストを全て洗い出す
  • 競合の店の売上を調査する
  • 撤退ラインを明確にする
  • プロに相談する

それぞれ詳しく説明します。

コストを全て洗い出す

手数料だけでなく、楽天市場を運営するための人件費や仕入れコストも全て洗い出しましょう。その上で、本当に何円が損益分岐点になるのかを計算してください。商売の基本ではありますが、意外にもこの作業を怠る方が多く、出店してしばらくしてからいくら販売しても赤字という状態に気づかれる場合があります。もしも、原価計算や作業時間の計測が難しいという場合には、専門のコンサルタントを雇うことをおすすめします。また、それ以外の対策としてはまずはYahooなど無料のモールでオペレーションを実測するのも良いかもしれません。

競合の店の売上を調査する

競合の売上から損益分岐点に到達するには、何店舗中何番目に必要があるのかを調べてください。もしも、100店舗中の1番にならないと採算が取れないときにはもちろん出店を取りやめた方が良いと思います。もちろん、これは極端な例ですが、どのくらいの競争に勝ち残る必要があるのかは常に把握する必要があります。楽天市場はこの記事でも解説した通り、一部の超人気店以外にとっては消費者の奪い合いが発生している市場です。「良いものを作れば売れる」などという甘い考えではなく、どの既存店舗からお客様を奪っていくのかを真剣に検討しましょう

撤退ラインを明確にする

とはいえ、実際のところは出店してみないとどうなるか分からないのが本当のところです。まずは出店してみるのが良いですが、何ヶ月やって黒字化しなければ撤退するといった線引きは行いましょう。楽天の場合、初期の出店手数料などもあるのであまりに短い期間だと費用対効果として悪いため、最低でも6ヶ月というのが妥当な期間かと思われます。また、楽天ではSEOが重要な集客施策でもあり、半年は頑張らないと何も成果が出ないという観点もあります。よほど赤字幅が多い場合には放置するのも考えものですが、基本的には半年は腰を据えて楽天市場の攻略に集中してみてはいかがでしょうか

プロに相談する

楽天市場の出店には、様々な知識や経験が必要となります。楽天市場の計画は複雑ですし、毎年トレンドが変わります。本気で楽天市場での成功を目指すなら、まずはプロに相談してみることをおすすめします。これは有料のコンサルだけでなく、知り合いの楽天出店者などでも構いません。何度もいう通り、楽天市場は「出せば売れるモール」などではなく、「消費者を奪い合う場」です。限られた資源を奪い合うには、やはり情報を制する事が大事。常に新しい楽天市場のシステムや、マーケットトレンドを抑えるようにしましょう

楽天市場に出店する際の注意点

楽天出店審査のポイント:Amazonとの厳格な比較

楽天の出店審査は、Amazonと比較して厳しいことが知られています。楽天は品質や信頼性を重視し、顧客に良い体験を提供することを重要視しています。出店審査では、商品情報の正確性や適切な配送方法、アフターサービスの充実などが特に重要視されます。審査をパスするためには、徹底的な準備と高品質なサービスの提供が必要です。

楽天モールで成功するための運営戦略

楽天は魅力的なモールですが、単に店舗を開設しただけでは売上が上がらないことがあります。競合が激しい環境で、売上向上のためには適切な運営戦略の計画が必要です。例えば、キーワードを効果的に使ったSEO対策やターゲットユーザーに合わせた広告戦略を展開することが重要です。また、商品の差別化や顧客満足度向上にも力を入れることで、長期的な成功につながるでしょう。

まとめ

楽天市場への出店は魅力的ですが、出店前には注意が必要です。楽天の出店審査は厳格であり、Amazonと比較しても遜色ありません。成功するためには適切な運営戦略が不可欠であり、単に開店するだけでは売上向上にはつながりません。楽天市場の出店費用と売上規模別の最適プランをシミュレーションし、事前に計画を立てることが重要です。しっかりと準備を行い、賢く楽天市場に出店することで、成功への道が拓けることでしょう。

よくある質問

Q1: 楽天市場に出店するにはどのような費用がかかるのでしょうか?

A1: 楽天市場に出店する際には、初期費用として「出店登録料」が必要です。また、月額費用として「基本利用料」と「売上手数料」がかかります。さらに、オプションサービスを利用する場合には別途費用がかかることもあります。

Q2: 楽天市場の出店にかかる費用はどのくらいなのでしょうか?

A2: 楽天市場の出店費用は、初期費用として出店登録料が3万円、月額費用として基本利用料が1万2千円、売上手数料が3%〜6%かかります。オプションサービスを利用する場合には、それぞれのサービスに応じた料金が発生します。

Q3: 楽天市場の出店費用に応じた最適な申込プランはありますか?

A3: 楽天市場では、売上規模に応じたプランが用意されています。初めて出店する場合には、「エントリープラン」が最適です。売上が上がってきたら、「スタンダードプラン」、「プレミアムプラン」に移行することで、手数料を抑えながらより多くのオプションサービスを利用することができます。シュミレーションを行うことで、自社の売上に合わせた最適なプランを見つけることができます。

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