目次
「ECサイトの売上が伸び悩んでいる」
「広告費を抑えつつ集客を増やしたい」
「SEO対策の必要性は理解しているが具体的な方法がわからない」
上記のような課題を抱えるECサイト運営者は少なくありません。
魅力的な商品を揃えても、顧客にサイトを見つけてもらえなければ売上にはつながりません。
本記事では、ECサイトに特化したSEO対策の完全ガイドを提供し、課題解決を目指します。
ECサイトのSEO対策の全体像から、すぐに実行できる具体的な施策、効果測定の方法まで、体系的に理解できます。
具体的には、キーワード選定、サイト構造の最適化、コンテンツマーケティング、内部対策、外部対策、モバイルSEO、ローカルSEO、効果測定と改善といった項目を網羅的にまとめました。
ぜひ最後までお読みいただき、貴社のECサイトの売上向上にお役立てください。
ECサイトのSEO対策とは、GoogleやYahoo!JAPANといった検索エンジンで自社のECサイトや商品ページが上位に表示されるように最適化を行うことです。
単に検索順位を上げるだけでなく、関連性の高いキーワードで上位表示されることで、購入意欲の高い顧客をサイトに誘導し、売上向上につなげることが目的です。
ユーザーが商品を探す際に使うキーワードで上位表示されることで、広告費をかけずに継続的な集客が実現します。
広告費の削減に加え、SEO対策によって得られた自然検索からの流入は、広告よりも信頼性が高いとユーザーに認識されやすく、コンバージョン率の向上も期待できます。
ECサイトは、一般的なWebサイトとは異なり、取り扱う商品数が多くページ数も膨大になる傾向があるため、特有のSEO対策が不可欠です。
ECサイトにとって、SEO対策はなぜ重要なのでしょうか。
理由は、以下の3つのメリットに集約されます。
広告は即効性がありますが、費用がかかり続けます。
SEOで安定した自然検索流入を確保できれば、広告費を削減し、その分を商品開発や顧客サービスに投資できます。
一度検索上位に表示されれば、広告のように費用を止めても流入がゼロになることはありません。
24時間365日、自動で集客し続ける強力な資産です。
検索結果の上位に表示されることは、ユーザーからの信頼獲得につながります。
多くの人の目に触れることで、サイトやブランドの認知度も自然と高まります。
ECサイトのSEO対策は、コーポレートサイトや情報メディアとは異なる特徴があります。
違いの理解が、効果的な施策の第一歩です。
主な違いは以下のとおりです。
違い | 詳細 |
---|---|
ページ数が膨大 | 取り扱う商品数が多いため、ページ数が数千、数万に及ぶことも珍しくありません。効率的な管理と最適化が求められます。 |
重複コンテンツの発生しやすさ | 色違いやサイズ違いの商品で、商品説明文の多くが重複してしまうことがあります。SEO評価を下げる原因となるため、適切な対処が必要です。 |
構造化データの重要性 | 商品の価格、在庫状況、レビュー評価などを検索結果に直接表示させる「構造化データ」の実装が、クリック率を大きく左右します。 |
サイトの階層構造が複雑 | トップページからカテゴリー、サブカテゴリー、商品ページへと続く階層が深くなりがちです。ユーザーと検索エンジンが迷わないような、わかりやすいサイト構造が不可欠です。 |
以下に、ECサイトと一般的なWebサイトの特徴を比較した表を示しました。
項目 | ECサイト | 一般的なWebサイト(ブログなど) |
---|---|---|
主な目的 | 商品の販売(コンバージョン) | 情報提供、ブランディング |
ページ数 | 多い(商品数に比例) | 比較的少ない〜多い |
特有の課題 | 重複コンテンツ、在庫管理 | コンテンツの質、専門性 |
重要な技術 | 構造化データ、サイト構造設計 | コンテンツの網羅性、可読性 |
ECサイトの集客力を大幅に向上させるためには、ブログや顧客にとって有益な情報を提供するオウンドメディアの戦略的な運営が不可欠です。
その成功を大きく左右するのは、ブログの基盤となるプラットフォームを慎重に選択するステップです。
なぜなら、選択したプラットフォームが、後のSEO対策の成果に直接影響を与えるからです。
市場には多様なプラットフォームが存在しますが、SEO対策との相性(具体的には、検索エンジンがコンテンツをクロールしやすく、インデックスしやすい構造を持っているか)、デザインや機能のカスタマイズの自由度、長期的な運用コストを総合的に考慮して選ぶ必要があります。
例えば、WordPressはSEOに強く、豊富なプラグインによって機能拡張が容易ですが、セキュリティ対策やメンテナンスの手間がかかります。一方、noteは手軽に始められますが、カスタマイズの自由度は低いです。
自社のリソースやSEO戦略に合わせて最適なプラットフォームを選びましょう。
結論から言うと、ECサイトのオウンドメディアを運営するならWordPress(ワードプレス)がおすすめです。
WebサイトのCMSとして、WordPressは広く利用されており、SEO対策に有効な機能や情報が豊富です。
WordPressをおすすめする主な理由は、以下のとおりです。
理由 | 詳細 |
---|---|
SEOに有利な内部構造 | WordPressは元々、検索エンジンに評価されやすい構造で作られています。 |
豊富なSEOプラグイン | SEO対策を簡単に行える「プラグイン」と呼ばれる拡張機能が数多く存在します。専門的な知識がなくても、タイトルタグやメタディスクリプションの設定、XMLサイトマップの作成などが可能です。 |
カスタマイズの自由度が高い | デザインや機能を自由にカスタマイズできるため、自社のブランドイメージに合わせたメディアを構築できます。 |
情報が豊富 | 利用者が多いため、設定方法やトラブルシューティングに関する情報がインターネット上に豊富にあります。困ったときに解決策を見つけやすいのは大きなメリットです。 |
以下に、WordPressとECプラットフォーム内蔵ブログ、無料ブログサービスの特徴を比較した表を示しました。
プラットフォーム | SEO対策の容易さ | カスタマイズ性 | コスト | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
WordPress | ◎(プラグインが豊富) | ◎(高い) | ◯(サーバー代など) | ◎(最適) |
ECプラットフォーム内蔵ブログ | △(機能が限定的) | △(デザイン制約あり) | ◎(追加費用なし) | △ |
無料ブログサービス | ×(独自ドメイン不可など) | ×(制約が多い) | ◎(無料) | ×(非推奨) |
ECサイトのSEO対策において、キーワード選定は重要です。
まず、「検索されたいキーワード」を明確にしましょう。
単なる思いつきではなく、顧客が商品を検索する際に実際に使用する可能性のある言葉を徹底的に分析しなければなりません。
キーワード選定の成否は、ECサイトのSEO対策全体を大きく左右します。
的確なキーワードを選定し、戦略的に対策を施すことで、売上につながりやすい、質の高いアクセスを効率的に集められます。
ユーザーが検索を行う際の意図(インテント)は、大きく4つのタイプに分類できます。
意図を理解し、それぞれの意図に合ったページで対策しましょう。
検索意図の分類 | クエリの例 | ユーザーの目的 |
---|---|---|
Goクエリ (行きたい) | 「(ブランド名) 公式サイト」 | 特定のサイトに行きたい |
Doクエリ (したい) | 「母の日 プレゼント 手作り」 | 何かをしたい、方法を知りたい |
Knowクエリ (知りたい) | 「オーガニックシャンプー 効果」 | 情報を知りたい、学びたい |
Buyクエリ (買いたい) | 「(商品名) 通販」 「20代 女性 プレゼント」 | 商品やサービスを購入したい |
上表のように、Buyクエリは直接的な売上につながるため商品ページ、KnowクエリやDoクエリは将来の顧客を育てるためブログ記事で対策するなど、意図に合わせたコンテンツ作りが鍵です。
実際にキーワードを選定する手順を3つのステップで解説します。
無料のツールを活用すれば、誰でも効果的なキーワードリサーチが可能です。
自社の商品やターゲット顧客になりきって、検索する言葉を考え、思いつく限り書き出します。
「ラッコキーワード」のようなツールを使い、軸となるキーワード(例:「母の日 プレゼント」)から関連キーワードやサジェストキーワードを大量に取得します。
洗い出したキーワードの検索ボリュームを調べます。
Googleの「キーワードプランナー」を使い、各キーワードの月間平均検索ボリュームを確認します。
検索ボリュームが大きすぎるキーワードは競合も強いため、最初は月間100〜1,000回程度の中規模キーワードから狙うのがおすすめです。
検索ボリュームと競合性、自社の商品との関連性を考慮して、対策するキーワードを決定します。
関連性の高いキーワード同士をグループ化し、対策するキーワードとページをマッピング(割り当て)していきます。
ロングテールKWとは、「(商品カテゴリー) (特徴) (ターゲット層)」のように、3語以上の単語を組み合わせた、より具体的で詳細な検索キーワードのことです。
例えば、「シャンプー」のようなキーワード(ビッグキーワード)に対して、「オーガニックシャンプー 敏感肌 30代」などがロングテールキーワードにあたります。
ロングテールキーワードを狙うメリットは、以下のとおりです。
効果的なロングテールキーワードの見つけ方を、いくつか紹介します。
Googleの検索窓にキーワードを入力した際に表示される候補(サジェスト)は、ユーザーが実際に検索している組み合わせであり、宝の山です。
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには、ユーザーの生々しい悩みや疑問が投稿されています。質問文の中に、お宝キーワードが隠れていることがよくあります。
サイト内検索機能があれば、ログデータを確認しましょう。ユーザーが商品を検索する際に使用している言葉のヒントが得られます。
優れたキーワード戦略を立てても、サイトの土台がしっかりしていなければSEOの効果は十分に発揮されません。
土台は、検索エンジンがサイトの情報を正しく理解しやすく(クローラビリティ)、ユーザーが快適にサイトを利用できる(ユーザビリティ)ための技術的な基盤です。
SEO対策の土台を固めることは、長期的な成功への投資です。
検索エンジンからの評価を高め、ユーザーの満足度を向上させられます。
ECサイトのSEO成功に不可欠な要素なので、基本をしっかり押さえましょう。
理想的なサイト構造は、人間にとっても検索エンジンにとっても「わかりやすい」ことが条件です。
ECサイトでは、トップページから3〜4クリック以内で商品ページにたどり着けるような、シンプルで論理的な階層構造を目指しましょう。
良いサイト構造のポイント | 説明 | 具体例 |
---|---|---|
シンプルな階層 | ユーザーが迷わず、検索エンジンが巡回しやすいように階層を浅く保つ。 | トップ > カテゴリー > 商品ページ |
パンくずリストの設置 | サイト内での現在地をわかりやすく示し、ユーザーと検索エンジンのナビゲーションを助ける。 | ホーム > ファッション > レディース > ワンピース |
適切な内部リンク | 関連性の高いページ同士をリンクで結び、ユーザーの回遊性を高め、ページの評価を渡す。 | 商品ページから「〇〇の商品を見た人はこちらも見ています」を表示。 |
わかりやすいURL | URLを見るだけでページの内容が推測できるように、シンプルで意味のある単語を使う。 | 悪い例:example.com/item.php?id=123 良い例:example.com/fashion/onepiece/blue-dress |
サイトの表示速度は、ユーザー体験に直結するだけでなく、Googleがランキング要因として採用している重要なSEO指標です。
以下の方法で、サイトの表示速度を改善しましょう。
商品画像はECサイトの命ですが、ファイルサイズが大きすぎると表示速度を著しく低下させます。
専用ツールで画質を保ったままファイルサイズを圧縮しましょう。
一度訪れたユーザーが再訪した際に、画像などのデータを一時的に保存しておくことで、2回目以降の表示を高速化できます。
利用しているレンタルサーバーのスペックが低い場合、サイト表示が遅くなることがあります。
アクセス数に応じて適切なプランを選びましょう。
以上、3つの方法を紹介しました。
まずはGoogleの無料ツール「ページスピードインサイト」で自社サイトの速度を計測し、問題のある場所の把握から始めましょう。
MFI(モバイルファーストインデックス)とは、GoogleがWebサイトを評価する際に、PCサイトではなくスマートフォンサイトを主軸に見る仕組みです。
今や多くのユーザーがスマートフォンで商品を検索し、購入する時代です。
スマートフォンで見たときに「見やすい」「使いやすい」サイトであることが、SEOで評価されるための必須条件となっています。
以下に、MFI対応のチェックポイントをまとめました。
自社サイトがモバイルフレンドリーかどうかは、Googleの「モバイルフレンドリーテスト」ツールで確認可能です。
サイトの土台作りが完了したら、次は個別のページを最適化していく「オンページSEO」に取り組みます。
ECサイトにおいて特に重要なのは、ユーザーが商品を探す際の入口となる「カテゴリーページ」と、最終的な購入を決定する「商品詳細ページ」です。
こうしたページの質を高めることが、検索順位の上昇、サイトへのトラフィック増加、売上アップにつながります。
カテゴリーページは、特定の商品群を探しているユーザーにとってのランディングページ(最初に訪れるページ)となることが多い重要なページです。
また、関連する複数の商品ページへのリンクを持つハブページとして、SEOの評価を集約する役割もあります。
カテゴリーページの最適化では、以下のポイントを意識しましょう。
カテゴリー名には、「ワンピース」「メンズ スニーカー」など、ユーザーが検索で使う可能性が高い一般的なキーワードを含めます。
カテゴリーページの上部または下部に、当該カテゴリーの商品の特徴や選び方のポイントなどを説明する文章を追加します。
検索エンジンがページの内容を理解しやすくなり、ユーザーの購買意欲も高まります。
ブランド、価格、色、サイズなどで商品を絞り込める機能を充実させることで、ユーザーの利便性が向上し、サイト滞在時間の増加にもつながります。
商品詳細ページ(PDP: Product Detail Page)は、ECサイトSEOの心臓部です。
ユーザーが購入を決断する最後の砦であり、最適化がコンバージョン率を大きく左右します。
一つひとつの商品を丁寧に最適化していくことが、サイト全体の売上を底上げします。
タイトルタグとメタディスクリプションは、検索結果画面でユーザーが最初に目にする情報です。
いかにユーザーの興味を引き、クリックしてもらえるかが勝負です。
タイトルタグのポイントを以下にまとめました。
また、メタディスクリプションのポイントとしては、120文字程度で、商品の魅力や特徴、購入するメリットを具体的に記述します。
検索キーワードを含めつつ、ユーザーが「自分に関係がある」と感じるような文章を心がけましょう。
商品説明文は、単なるスペックの羅列であってはいけません。
ユーザーが商品を「使うことで得られる未来(ベネフィット)」を想像できるような、魅力的な文章を作成しましょう。
商品説明文の構成要素は、以下のとおりです。
また、ECサイトでは画像が重要です。
画像検索からの流入も期待できるため、画像SEOも忘れずに行いましょう。
以下に、画像SEO対策のポイントをまとめました。
構造化データとは、検索エンジンにページの内容を正確に伝えるための特別な記述方法です。
ECサイトで実装すると、検索結果に価格や在庫状況、レビュー評価などが星マーク付きで表示される「リッチリザルト」が適用されることがあります。
リッチリザルトが表示されるメリットは絶大です。
実装には専門的な知識が必要な場合もありますが、多くのECプラットフォームでは、アプリや機能で簡単に設定できるようになっています。
まずは自社が利用しているプラットフォームで対応可能か確認してみましょう。
前章までの施策は、主に「今すぐ商品がほしい」と考えている顕在層向けの対策でした。
しかし、ECサイトの売上を長期的に伸ばしていくためには、まだ特定の商品を探してはいないものの、「何かしらの悩みや興味を持っている」潜在層へのアプローチも重要です。
そのための強力な武器が「コンテンツSEO」です。
コンテンツSEOは、潜在顧客が検索する可能性のあるキーワードに基づいて、価値のある情報を提供するコンテンツを作成し、検索エンジンのランキングで上位表示を目指す施策です。
ECサイトへの自然流入を増やし、長期的な売上向上に貢献します。
オウンドメディアとは、自社で運営するブログやお役立ち情報サイトのことです。
ECサイトがオウンドメディアを持つべき理由は、以下のとおりです。
コンテンツSEOでは、ただお役立ち記事を公開して終わりにするのではなく、自社の商品ページへと自然な形でユーザーを誘導しましょう。
ただし、売り込み感が強すぎるとユーザーは離れてしまいます。
以下のポイントを参考に、自然な流れで商品へと誘導しましょう。
記事で解説している悩みの解決策の一つとして、自社商品を自然な文脈で紹介します。
単に商品を羅列するのではなく、読者の状況に合わせた具体的な利用シーンを提示しましょう。
関連する商品ページやカテゴリーページへのリンクを、適切なアンカーテキスト(リンクの文字列)で設置します。
アンカーテキストは、リンク先のページの内容を的確に示すものにしましょう。
記事の最後や途中に、「商品の詳細はこちら」「無料サンプルを試す」といった、ユーザーの次の行動を促すボタンやリンクを設置しましょう。
CTAは、デザインを工夫して目立たせることが重要です。
また、ユーザーが得られるメリットを明記します(例:「無料お試しで〇〇を体験する」)。
外部SEO対策とは、主に他のWebサイトから自社サイトへのリンク(被リンク)を獲得し、サイトの権威性や信頼性を高める施策です。
Googleは、多くの質の高いサイトからリンクされているサイトを、信頼できる良いサイトであると判断する傾向があります。
つまり、質の高い被リンクを多く獲得すると検索順位の向上につながり、結果としてWebサイトへのアクセス数増加が見込めるのです。
外部SEO対策は自力でコントロールしにくい領域ですが、長期的な視点で地道に取り組むことで、大きな効果が期待できます。
バランスの取れたSEO戦略を実行し、持続的なWebサイトの成長を目指しましょう。
過去には、低品質なサイトから大量にリンクを購入するような手法(ブラックハットSEO)が横行していましたが、現在ではペナルティの対象となり、逆効果です。
質の高い被リンクを獲得するための王道のアプローチは、以下のとおりです。
基本的で重要な方法です。
ユーザーにとって役立つ、あるいはユニークで面白いコンテンツを作成すれば、他のサイト運営者やブロガーが自然に「参考になる記事」とリンクを貼ってくれる可能性が高まります。
新商品の発売やイベント開催、調査データの発表など、社会的にニュース価値のある情報をプレスリリースとして配信します。
メディアサイトに取り上げられれば、質の高い被リンク獲得につながります。
自社の商品カテゴリーと親和性の高いインフルエンサーに商品を実際に使ってもらい、ブログやSNSでレビューを投稿してもらいます。
被リンクだけでなく、ブランドの認知度向上や直接的な売上にもつながります。
もし自社が特定メーカーの正規代理店である場合、メーカーの公式サイトに販売店として紹介してもらい、リンクを設置してもらうよう依頼するのも有効な手段です。
ECサイトのSEO対策を進める上で、特に注意すべき技術的なポイントがいくつか存在します。
本章で紹介する注意点は気づかないうちにサイトの評価を大きく下げてしまう可能性があるため、定期的なチェックと正しい対処が不可欠です。
重複コンテンツとは、サイト内にURLが異なるにもかかわらず、内容がほぼ同じページが複数存在してしまう状態のことです。
ECサイトでは、以下のようなケースで発生しやすくなります。
重複コンテンツが多数存在すると、検索エンジンはどのページを評価すれば良いか混乱し、結果としてサイト全体の評価が分散・低下してしまう可能性があります。
こうした問題を解決するのが「canonical(カノニカル)タグ」です。
canonicalタグを使って、重複するページの中から「正規のページです」と検索エンジンに伝えることで、評価を1つのURLに集約させられます。
ECサイトを運営していると、商品の在庫切れや販売終了は日常的に発生します。
こうしたページの扱い方は、SEOとユーザー体験の両面で重要です。
対応方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
404エラーにする(ページ削除) | 管理が楽。 | ページのSEO評価が失われる。ユーザーがブックマークしていた場合、がっかりさせてしまう。 |
301リダイレクト | ページの評価を後継商品や関連カテゴリーに引き継げる。 | 関連性の低いページに飛ばすと、ユーザーが混乱する。 |
ページを残し、代替商品を案内 | ユーザーに状況を伝え、他の商品へ誘導できる。ページのSEO評価も維持できる。 | ページが増え続け、管理が煩雑になる可能性がある。 |
避けるべきなのは、何もしないこと(放置)です。
ユーザーが在庫切れのページにアクセスした際に何も案内がないと、サイトに対する満足度が低下し、離脱につながります。
状況に応じて最適な方法を選択し、ユーザーをがっかりさせない丁寧な対応を心がけましょう。
SEO対策は、施策を実行して終わりではありません。
施策が本当に効果を上げているのかをデータに基づいて分析し、継続的に改善していく「PDCAサイクル」を回すことが成功の鍵です。
Googleが提供する無料の高機能ツールを使えば、誰でも詳細な分析が可能です。
Googleサーチコンソールは、「検索エンジンから見た自社サイトの健康状態」を把握できるツールです。
特に「検索パフォーマンスレポート」は、SEO改善のヒントの宝庫です。
以下に、確認できる主なデータをまとめました。
また、改善点の見つけ方は、以下のとおりです。
タイトルやメタディスクリプションが魅力的でない可能性があります。
よりユーザーの興味を引く文言に修正しましょう。
あと一歩で1ページ目に表示される惜しいキーワードです。
該当するページの内容をより充実させたり(リライト)、関連する内部リンクを増やしたりすると、順位上昇が期待できます。
ユーザーの新たなニーズを発見するチャンスです。
そのキーワードを軸にした新しいコンテンツを作成すると、さらなるアクセス増が見込めます。
Google Analytics 4(GA4)は、サイトに訪れたユーザーの行動を詳細に分析できるツールです。
ECサイト向けの設定を行うことで、流入しているチャネルおよび売上への貢献度合いを可視化できます。
分析のポイントは、以下のとおりです。
「集客レポート」で、チャネルごとのコンバージョン数や収益を確認します。
オーガニック検索(Organic Search)からの売上が伸びていれば、SEO対策が順調に進んでいる証拠です。
オーガニック検索から最初に訪れられたページ(ランディングページ)ごとの売上貢献度を分析します。
売上に貢献しているページのSEOをさらに強化したり、貢献度が低いページの原因を探ったりします。
ユーザーが購入に至るまでに閲覧したページと順番を確認します。
特定のページで離脱が多い場合は、ページのデザインや情報に問題がある可能性があります。
サーチコンソールで「集客」の課題を見つけ、GA4で「サイト内での行動」と「売上」への影響を分析します。
2つのツールを連携させて使うことで、データに基づいた効果的なSEO改善が可能です。
agsでは、キーワード調査から改善施策の実行までSEO対策を一括で支援しています。
具体的な支援は、以下の4ステップで進められます。
分析から制作、運用まで一貫対応して、確実な成果につなげるのが特徴です。
数値分析からキーワード調査と選定、ライティングから改善施策のご提案まで、SEO対策に関するすべてのタスクをagsにご依頼ください。
一気通貫でお客様のSEO対策のすべてを支援可能です。
今なら、実績モデル収集のため限定価格でのご案内です。
無料相談も承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
本章では、ECサイトのSEO対策に関して、運営者の方からよく寄せられる質問と回答をまとめました。
避けるべきなのは、「ブラックハットSEO」と呼ばれる、検索エンジンを欺くような手法です。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
上記の手法は、一時的に順位が上がることはあっても、Googleのアルゴリズムに見抜かれた際に重いペナルティを受け、検索結果から除外されてしまうリスクがあります。
王道で誠実な方法を地道に続けることが、結局は成功への近道です。
もし、何から手をつければ良いかまったくわからない状況であれば、まずは以下の3つから始めることをおすすめします。
SEO対策を外部の専門会社に依頼する場合の費用は、サイトの規模や対策内容、目標によって大きく異なります。
一概には言えませんが、一般的な相場観は以下のとおりです。
対策内容 | 月額費用の目安 | 主なサービス内容 |
---|---|---|
コンサルティング | 10万円~50万円 | 現状分析、戦略立案、改善提案、定例報告など。 |
コンテンツ制作 | 20万円~100万円以上 | キーワード調査、記事構成作成、ライティング、入稿作業など。 |
内部対策・外部対策 | 30万円~100万円以上 | 技術的なサイト修正、被リンク獲得支援などを含む包括的な対策。 |
重要なのは、価格だけで選ばないことです。
自社の課題を正しく理解し、提供されるサポート内容や実績などを総合的に判断して、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。
貴社の商品やサービスに関連性が高く、かつ検索ボリュームのあるキーワードを選びましょう。
おすすめなのは、キーワードプランナーなどのツールを利用して、競合性も考慮しながら選定する方法です。
また、ビッグキーワードだけでなく、複合キーワード(ロングテールキーワード)も積極的に活用しましょう。
商品タイトル、商品詳細説明、メタディスクリプションを最適化しましょう。
魅力的な商品画像と説明文を掲載し、購入意欲を高めることも重要です。
また、構造化データマークアップを実装すると、検索エンジンに商品情報を正しく伝えられます。
サイト全体の構造を最適化し、クローラビリティを高めることが重要です。
内部リンクを適切に設定し、サイトマップを作成・送信しましょう。
また、HTTPS化、モバイルフレンドリー対応、サイトスピードの改善も不可欠です。
効果的です。
商品に関する情報だけでなく、顧客のニーズに応えるようなコンテンツ(ブログ記事、動画、インフォグラフィックなど)を作成・発信してサイトへの流入が増えれば、エンゲージメントを高められます。
質の高いコンテンツは、被リンク獲得にもつながります。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleなどのツールを利用して、トラフィック、検索順位、コンバージョン率などを定期的に測定しましょう。
測定結果に基づいて改善策を検討し、PDCAサイクルを回していくことが重要です。
本記事では、ECサイトの売上を最大化するためのSEO対策について、戦略の立て方から具体的な施策、効果測定までを網羅的に解説してきました。
ECサイト運営におけるSEOの重要性を理解し、すぐに実践できる知識を得られたことでしょう。
SEO対策は多岐にわたりますが、一つひとつの施策を丁寧に行うことで、広告費に頼らない安定した集客基盤を築けます。
闇雲に施策を行うのではなく、データに基づいた改善を繰り返しましょう。
ECサイトのSEO対策は、すぐに結果が出るものではありません。
短期的な成果に一喜一憂せず、長期的な視点で取り組むことが成功への鍵です。
しかし、ユーザーのことを第一に考え、地道に改善を続けることで、大きな成果が得られるでしょう。
ユーザー体験を向上させることこそ、Googleが評価するWebサイトの重要な要素です。
本記事が、あなたのECサイトの成功への一助となれば幸いです。
自社の状況に応じたSEO対策を実践し、ECサイトの成長を加速させましょう。
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