目次
ECサイトの売上が伸び悩んでいたり、メルマガの開封率がなかなか上がらなかったりするケースは珍しくありません。
「メルマガはもう古いのでは」といった声も聞かれますが、メルマガからでも購入に繋げることは十分可能です。
正しい戦略で運用すれば、メルマガは顧客と直接つながり、売上を大きく伸ばせる強力なツールです。
本記事では、ECサイトのメルマガ運用に悩む担当者に向けて、成果を出すための具体的なノウハウを網羅的に解説します。
明日からすぐに実践できるテクニックやテンプレートも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
まずは、なぜ今でもECサイトにとってメルマガが重要なのか、基本的な役割とメリット・デメリットを解説します。
ECサイトの運営でメルマガを効果的に活用すると、多くのメリットを享受できます。
特に重要なのは、短期的な売上向上だけでなく顧客との長期的な関係構築に貢献する点です。
主なメリットは、以下のとおりです。
多くのメリットがある一方で、メルマガ運用にはいくつかのデメリットも存在します。
しかし、デメリットは適切な対策を講じることで十分に克服可能です。
デメリットを事前に理解し、対策を準備しておくことで、よりスムーズな運用が実現します。
デメリット | 具体的な内容 | 対策方法 |
---|---|---|
コンテンツ作成の手間 | 配信ごとに企画やライティング、デザインの工数がかかります。 | テンプレートの活用、配信ツールのエディタ機能、AIライティングツールの利用で効率化を図ります。 |
配信停止のリスク | 読者にとって不要な情報ばかりだと、購読を解除されてしまいます。 | 読者の興味に合わせたセグメント配信や、価値のあるコンテンツ提供を心がけます。 |
メールが埋もれやすい | 毎日多くのメールが届く中で、開封されずに見過ごされる可能性があります。 | 読者の興味を引く魅力的な件名を工夫し、最適な時間に配信しましょう。 |
メルマガを始めたい、または運用方法を見直したいと考えている方向けに、具体的な準備手順を3つのステップで解説します。
何から手をつければ良いかわからない方も、ステップに沿って進めることでスムーズに配信を開始できます。
メルマガ配信には、専用の配信システム(ツール)を利用するのが一般的です。
多数のシステムが存在するため、以下の比較ポイントを参考に自社の目的や規模に合ったものを選びましょう。
比較ポイント | 確認すべき内容 |
---|---|
料金体系 | 初期費用、月額料金、配信数や登録アドレス数に応じた従量課金などです。まずは無料プランやトライアルで試すのがおすすめです。 |
主要な機能 | セグメント配信、HTMLメールエディタ、効果測定、ステップメール、カゴ落ちメールなど、自社で実現したい施策に必要な機能があるか確認します。 |
操作性 | 専門知識がなくても直感的に操作できるかをチェックします。特にHTMLメールエディタの使いやすさは重要です。 |
サポート体制 | 不明点があった際に、メールや電話で迅速にサポートを受けられるかを確認します。 |
メルマガを配信するためには、読者のメールアドレスが必要です。
顧客の同意を得た上で、自然にリストが集まる仕組みをサイト内に構築しましょう。
メルマガ配信は、法律を遵守して行う必要があります。
特に「特定電子メール法」は理解しておきましょう。
知らずに違反してしまうと、罰則の対象となる可能性があるため注意が必要です。
読者に読んでもらい行動を促すためには、メルマガの内容自体が魅力的でなければなりません。
本章では、開封率を高める件名の作り方からクリックを促す本文の構成、さまざまなシーンで使える文例テンプレートまで実践的な作成術を解説します。
メルマガは件名で開封されるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
以下のテクニックを組み合わせ、読者の目に留まる件名を作成しましょう。
件名で開封してもらえたら、次はいかに本文を読んでもらい、サイトへ誘導するか(クリックしてもらうか)が重要です。
以下のポイントを意識して、読みやすく行動しやすい本文を作成しましょう。
構成・デザインのコツ | 解説 |
---|---|
論理的な文章構成(PREP法) | Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)の順で書くと、伝えたいことが明確になり、読者の理解を助けます。 |
HTMLメールの活用 | 画像やボタンを効果的に使い、視覚的に訴求します。ブランドの世界観を表現しやすく、テキストのみのメールよりクリック率が高まる傾向にあります。 |
モバイルフレンドリー | 今や多くのユーザーがスマートフォンでメールを読みます。スマートフォンの画面でも文字や画像が崩れず、ボタンが押しやすいデザインは必須です。 |
CTA(行動喚起)ボタンの設置 | 「詳しくはこちら」「今すぐ購入する」「クーポンを使う」など、読者に促したい行動を明確に示すボタンを、わかりやすい場所に設置します。 |
本章では、ECサイトで特によく使われる4つのシーンを想定し、すぐに使える文例テンプレートを紹介します。
自社の商品やターゲットに合わせて、自由にアレンジしてご活用ください。
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メルマガをただ配信するだけでは、なかなか成果には結びつきません。
本章では、すでにメルマガを運用している中級者向けに、施策の効果をさらに高めるための応用テクニックと、データに基づいた改善方法を解説します。
感覚的な運用から脱却し、PDCAサイクルを回していきましょう。
メルマガ配信の頻度について、商材やターゲット層によって最適な答えは異なります。
まずは仮説を立てて配信し、開封率などのデータを元に自社にとっての「ゴールデンタイム」を見つけ出すことが大切です。
全顧客に同じ内容のメールを送る「一斉配信」は、手間がかからない反面、効果は限定的です。
顧客を特定の条件で絞り込み、それぞれに合った情報を送る「セグメント配信」を活用すると、開封率やクリック率を飛躍的に高められます。
セグメントの切り口 | 具体例 | 有効なコンテンツ例 |
---|---|---|
購入履歴 | ・特定の商品(例:ワンピース)を購入した顧客 ・初回購入から30日以内の顧客 | ・ワンピースに合うカーディガンの提案 ・商品の使い方やケア方法の案内 |
サイト内行動 | ・特定の商品ページを閲覧したが購入していない顧客 ・カートに商品を入れたまま離脱した顧客(カゴ落ち) | ・閲覧商品の在庫僅少アラート ・「お買い忘れはありませんか?」のリマインド |
顧客属性 | ・誕生月を迎える顧客 ・居住地が特定のエリアの顧客 | ・お誕生日限定クーポンの配布 ・店舗イベントや限定商品の案内 |
メルマガは配信して終わりではありません。結果を振り返り、次の施策に活かすPDCAサイクルを回すことが、成果を最大化する鍵です。
まずは、以下の4つの主要なKPI(重要業績評価指標)を定期的にチェックしましょう。
開封率とは、配信したメールがどれくらいの割合で開封されたかを示す指標です。
開封率が低い場合、件名が魅力的でないか、配信タイミングやターゲット設定がずれている可能性があります。
クリック率とは、開封されたメールの中で、本文中のリンクがどれくらいの割合でクリックされたかを示す指標です。
開封率は高いのにクリック率が低い場合、コンテンツの内容が読者の期待と合っていなかったり、デザインが見づらかったりする可能性があります。
CVR(コンバージョン率)は、メルマガ経由でサイトを訪れたユーザーのうち、どれくらいの割合が商品購入に至ったかを示す指標です。
CVRを計測すると、メルマガがどれだけ売上に直接貢献しているかを把握できます。
Google Analyticsなどのツールと連携し、施策の費用対効果を可視化しましょう。
解約率(購読解除率)は、配信数に対してメルマガの購読を解除した人の割合です。
解約率が急に高くなった場合は、配信頻度が多すぎる、コンテンツの質が低下しているなど、何らかの問題があるサインです。
本章では、メルマガを活用して成果を上げているECサイトの事例を3つ紹介します。
他社の成功事例から、自社の施策に応用できるヒントを見つけましょう。
あるアパレルECサイトでは、顧客の過去の購入履歴や閲覧履歴を分析しました。
そしてデータに基づき、「あなたへのおすすめ商品」としてパーソナライズされた商品をメルマガで提案しました。
結果として、一斉配信時と比較してクリック率が2倍に向上し、売上にも大きく貢献しました。
成功のポイントは、以下のとおりです。
ある食品ECサイトでは、新商品やセール情報だけでなく、生産者のこだわりや食材の背景にある物語、季節のレシピといった「お役立ち情報」を積極的に配信しました。
売り込み感をなくし、読み物として楽しめるコンテンツを提供して、顧客との強い信頼関係を構築しています。
結果として、高いリピート率と顧客ロイヤルティを実現しています。
成功のポイントは、以下のとおりです。
しばらく購入のない「休眠顧客」に対し、通常のメルマガとは異なるアプローチを行った雑貨ECサイトの事例です。
「あなたが選ぶ、次の新作デザインは?」といったアンケート企画や、「クイズに答えてクーポンゲット」などのインタラクティブなコンテンツを配信しました。
結果として、メールを開封していなかった顧客の興味を引き、再購入のきっかけ作りに成功しました。
成功のポイントは、以下のとおりです。
本記事で紹介したテクニックを実践するだけでも、メルマガの効果は大きく改善されるはずです。
しかし、競争が激化するEC市場で勝ち続けるためには、さらに一歩踏み込んだ戦略的な視点が求められます。
メルマガの効果を高めるには、専門家の活用がおすすめです。
ECサイトにおけるメルマガ配信について相談する専門家選びに迷ってしまう場合には、ぜひagsにご相談ください。
agsは、豊富な実績とノウハウを持つEC戦略のエキスパートとして、お客様の課題や目標を丁寧にヒアリングして最適なプランのご提案が可能です。
メルマガ配信をはじめとする販売・運用戦略の立案、業務効率化、広告運用、商品ページ改善など、EC戦略をトータルでサポートします。
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本記事では、ECサイトにおけるメルマガの重要性から、具体的な作成・配信テクニック、効果測定の方法までを解説しました。
メルマガは、決して古いマーケティング手法ではありません。
顧客と直接かつ長期的な関係を築くための価値あるコミュニケーションツールです。
まずは本記事で紹介したテンプレートを活用したり、件名のA/Bテストを実施したりと、今日からできる小さな一歩を踏み出してみましょう。
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