【amazonグローバルセリング解説】国際販売でのメリットと注意点を詳しく解説します!
amazonグローバルセリングとは
amazonグローバルセリングとはamazonの提供するサービスで、世界中のamazon の販売チャネルに製品を出品し、グローバルにビジネスを展開できるサービスです。
世界中の消費者にリーチでき、新しい収益源を開拓できます。
出品する製品はアメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ポーランドなど、20カ国以上の国と地域に送ることができます。
amazonグローバルセリングを利用する3つのメリット
今回紹介するメリットは以下の3つになります。
- 潜在的な顧客層の大幅な拡大
- 手間のかからない国際物流
- amazonブランド力の活用
それぞれについて詳しく説明していきます。
潜在的な顧客層の大幅な拡大
amazonの年間買い物客数は実に3億人を超え、その顧客層は世界中に広がっています。
従来の国内販売では狭い範囲にとどまっていた潜在顧客が、グローバルに大幅に拡大されることになります。
これにより、ビジネスの成長機会が飛躍的に広がるでしょう。
さらに、各国の人口統計や消費者動向、嗜好を詳細に分析することで、新たな有望な顧客層を特定し、ターゲットを絞ったマーケティング施策を展開することができます。
例えば、高所得層が多い都市部や、ある年齢層の消費トレンドなどを捉え、それに合わせた商品ラインナップの強化やプロモーション施策の立案が可能になります。
このようにデータに基づいた顧客開拓ができるのがグローバル展開の大きなメリットです。
手間のかからない国際物流
グローバルセリングでFBAを利用すれば、出品者は自社で国際物流を手がける必要がほとんどありません。
商品を最寄りのamazon倉庫に納品するだけで、その後の在庫管理、配送、通関手続きなどはamazonが一括して行ってくれます。
つまり、出品者は商品の準備と納品だけに集中できるので、グローバル展開における物流の負担が大幅に軽減されます。
また、amazonの物流ネットワークを活用できるため、スムーズで効率的な商品配送が期待できます。
さらに、通関時の関税支払いや書類手続きもamazonが代行するため、出品者自身で対応する必要がありません。
物流面での手間が最小限に抑えられるのがFBAの大きな魅力です。
amazonブランド力の活用
amazonには世界中で2億人以上の会員顧客が存在し、年々増加しています。
中でもプライム会員は1億9000万人以上にのぼり、これらの顧客層はamazonに対して非常に高い信頼と利用経験を持っています。
amazonブランドへの信頼感が、そのままamazonで販売される商品への購買意欲を高める大きな要因になっているのです。
つまり、amazonグローバルセリングに出品すれば、出品者はこの強力なブランド資産を最大限に活用できます。
amazonの高い信頼性と知名度が、各国の消費者の購買心理を後押ししてくれます。
特にamazonが参入して間もない新規市場では、このようなブランド力の影響は大きいでしょう。
従って、amazonの圧倒的な顧客基盤と信頼を梃子に、より効果的な販路拡大とブランディングができると言えます。
■amazonグローバルセリングの参加方法についてはこちら
amazonグローバルセリングを利用する3つのデメリット
今回紹介するデメリットは以下の3つになります。
- 多額のコストがかかる
- 規制への対応が複雑化
- 多言語対応が必須
それぞれについて詳しく説明していきます。
多額のコストがかかる
グローバル展開には各種追加コストが発生するため、国内販売に比べてコストがかさみます。
主な経費は翻訳費用、商品登録費、FBA手数料、関税・輸入費用、広告費など。売上高に対して15〜25%程度の経費が見込まれるケースも多くあります。
規制への対応が複雑化
各国の法規制は異なり、その理解と対応が難しくなります。
電気製品の安全規格、食品の原産地表示、著作権や商標権など、さまざまな規制をクリアする必要があります。
違反すれば販売停止や罰金などの処分を受けかねません。
多言語対応が必須
商品ページの作成、顧客対応、マーケティングなど、全ての面で現地語への対応が求められます。
機械翻訳では不十分で、ネイティブによる対応が不可欠です。
言語数が増えれば、それに比例して人件費やコストもかさみます。
amazonグローバルセリングを利用する際の注意点
今回紹介する注意点は以下の3つになります。
- 商品の適合性と規制をチェック
- ロジスティクスをしっかり計画
- マーケティング施策の現地化
それぞれについて詳しく説明していきます。
商品の適合性と規制をチェック
各国には製品の安全性や表示に関する様々な法規制があり、それらを満たさない商品は販売できません。
特に電気製品、化粧品、食品、おもちゃなどは規制が厳しいため、事前に入念なチェックが必要です。
規制に違反すると、amazonから販売停止や出品アカウントの閉鎖処分を受けるリスクがあります。
ロジスティクスをしっかり計画
グローバルセリングではロジスティクスが重要です。
FBAを利用する場合でも、生産地から倉庫までの輸送、在庫管理、配送方法の選定など、物流全体を綿密に計画する必要があります。
また関税対策や規制への対応、遅延リスク回避なども重要なポイントです。
適切なロジスティクス体制を構築しないと、コスト高や納期遅延などのトラブルに見舞われる可能性があります。
マーケティング施策の現地化
キャッチコピーやコンテンツ、キーワード対策、広告戦略など、マーケティング施策は現地のニーズに合わせて最適化しなければなりません。
言語や文化、購買習慣が異なるため、グローバル展開先の消費者にあったアプローチが求められます。
的確な現地化が行えないと、マーケティング投資が無駄になる恐れがあります。
amazonグローバルセリングを利用する際の料金体系
今回紹介する料金体系は以下の2つになります。
- 出品手数料
- FBAの手数料
それぞれについて詳しく説明していきます。
出品手数料
カテゴリーによって異なりますが、一般的に売上高の8〜15%程度がamazonの出品手数料として発生します。
さらに一部カテゴリーでは月額の固定手数料が課される場合もあります。
販売計画時にこの手数料率を確認し、適切な販売価格を設定する必要があります。
FBAの手数料
FBAを利用する場合、入庫手数料、配送手数料、フルフィルメントフィー、在庫保管料などの手数料が追加で発生します。
製品のサイズや重量によっても手数料が変動するため、事前に正確な見積もりが欠かせません。
FBAは便利ですが、かなりのコストがかかることに留意が必要です。
■amazonのFBA手数料について解説した記事はこちら
まとめ
amazonグローバルセリングは世界中の消費者にリーチできる大きな機会ですが、多額のコストや複雑な対応が必要となります。
綿密な事前準備と、商品の適合性、物流、マーケティングなどへの十分な対策が不可欠です。
しかし、上手く運用できれば大きな収益が期待できるサービスだと言えるでしょう。
■amazonグローバルセリングの登録方法についてはこちら
よくある質問
Q: 自社の物流を利用してもいいのでしょうか?
A:はい、FBAを利用せずに自社の物流網を使ってamazonグローバルセリングに出品することは可能です。ただし、それには様々な手続きが必要になります。まず、各国の輸入規制や関税率、必要な書類などを確認し、製品の通関手続きを適切に行う必要があります。通関業者や現地の代理業者に依頼するのが一般的です。次に自社で海外の配送業者や倉庫業者と契約を結び、発送と在庫管理の体制を整える必要があります。配送は信頼できる業者を選び、トラッキングと顧客対応に万全を期す必要があります。また、返品対応の手順や費用負担についてもルール化しておく必要があります。自社ロジスティクスを利用する場合、こういった様々な手続きと体制作りが欠かせません。
Q: 日本の商品しか出品できないのでしょうか?
いいえ、amazonグローバルセリングでは製品の生産地や発送元は問われません。日本国内で生産された商品だけでなく、海外で生産された商品でも出品が可能です。ただし、販売する商品が各国の規制や安全基準に適合していることが前提となります。例えば、中国や東南アジアで生産された製品を販売する場合でも、アメリカやEUの製品安全規制をクリアしていれば問題ありません。電気製品ではUL規格やCE規格、食品では原産地表示と成分表示などの規制に従う必要があります。生産地にかかわらず、販売する国の規制に適合していれば出品できます。海外の工場で生産コストを抑えつつ、規制対応を行えば、グローバル市場に製品を送り出すことができるでしょう。